不当解雇・退職扱い

【誰でもわかる】解雇の解決金は給料の3ヶ月分?-解雇された場合に請求できる金額はいくらか-

 解雇された場合には3ヶ月分の賃金を請求することができると聞いたことはありませんか?
 確かに、解雇を争う中で解決金として数カ月分の賃金の支払いにより和解する場合もあります。しかし、労働者に3ヶ月分の賃金を請求する権利があるわけではありません。そのため、「解雇された場合に3ヶ月分の賃金を請求することができる」というのは不正確です。
 今回は、解雇された場合に労働者が請求できる金額及び解決金の相場について解説します。

 

 

解雇を争わない場合に請求できる金額

解雇予告手当

 使用者は、労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前にその予告をしなければならないとされています。
 しかし、使用者が、この予告をせずに労働者を解雇する場合があります。
 この場合には、労働者は、使用者に対して、30日分以上の平均賃金を支払うように請求することができます。これを解雇予告手当と呼びます。
 ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇された場合には、解雇予告手当の請求をすることはできません。

解雇予告手当は平均賃金30日分!5ステップで簡単な計算と請求方法会社は、解雇をする際には、予告をしなければなりません。会社がこれを怠った場合には、労働者は、平均賃金の30日以上分の解雇予告手当を請求することができます。今回は、解雇予告手当の計算方法や請求方法について解説します。...

退職金

 退職金の支払いは法律上定められた義務ではありません。もっとも、退職金規程があるような場合には、使用者は、これに基づき、労働者に対して、退職金の支払いをする義務があります
 退職金の金額については、個々の退職金規程を確認する必要があります。

退職金とは何か-退職金の種類や平均相場、計算方法を弁護士が解説-皆さんの会社には退職金はありますか。また、退職金の支給金額を知っていますか。会社が退職金を支給しないことや少ない退職金しか支給しないことは許されるのでしょうか。今回は、退職金について解説します。...
懲戒解雇でも退職金を請求できるケース3つ
懲戒解雇でも退職金を請求できるケース3つと不支給や減額の重要判例懲戒解雇でも、退職金の不支給や減額が許されないことがあります。今回は、懲戒解雇された場合の退職金を詳しく説明したうえで、他にもらえる可能性のあるお金についても補足していきます。...

解雇を争う場合に請求できる金額

解雇後の賃金請求

 解雇が無効な場合には、解雇後に労働者が勤務できなかったのは、使用者の責めに帰すべき事由によるものです。
 そのため、労働者は、使用者に対して、解雇された日以降の賃金を請求することができます
 請求できる解雇後の賃金の期間については、特に制限はありません。途中で就労の意思が否定されたり、途中で退職したりなどの事情がなければ、解雇された日から判決確定の日までの賃金を請求することができます。
 JILPTの「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」労働政策研究報告書No.174(2015)によると、雇用終了など紛争事案が発生してから問題が解決するまでに要した期間は、労働審判ですと、「3-6月未満」が「44.7%」と最も多く、次いで「6-12月未満」が「36.7%」となっています。
出典:JILPT「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」労働政策研究報告書No.174(2015)

 これに対して、裁判上の和解(訴訟)の場合ですと、「12-24月未満」が「42.7%」が最多となっており、次いで「6-12月未満」が「31.3%」となっています。
出典:JILPT「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」労働政策研究報告書No.174(2015)

バックペイ-解雇後の賃金請求-解雇が無効である場合には、解雇後の賃金を会社に対して請求することができるのでしょうか。解雇を争う場合には、無効が確認されるまでに一定の期間がかかります。今回は、解雇後の賃金請求、いわゆるバックペイについて解説します。...

慰謝料

 解雇が無効とされるにとどまず、使用者に故意又は過失が認められる場合で、解雇の無効が確認され、その間の賃金が支払われても償えない特段の精神的苦痛が生じているときには、慰謝料が認められます
 慰謝料が認められる場合、その金額は、

50万円~100万円程度

とされています。

不当解雇の慰謝料相場はいくら?増額のために最低限しておくこと3つ不当解雇の慰謝料相場は、50万円~100万円程度といわれています。少しでも慰謝料を増額するためには、①弁護士に相談する、②証拠を収集する、③労働審判・訴訟を活用するといったことが重要となります。今回は、不当解雇の慰謝料の相場とこれを増額する方法を解説します。...

解決金

 労働者が解雇を争う中で、使用者との間で和解が成立することがあります。そして、和解に当たり、使用者が労働者に対して解決金を支払うことが合意されることがあります。
 この解決金については、労働者が使用者に対して請求する権利があるわけではありませんが、労働者と使用者との間で合意に至れば支払いを受けることができるものです。労働者は、自分の納得する金額でない場合には、和解に応じないことも可能です。
 解決金の相場は、

賃金の3ヶ月分~6ヶ月分程度

とされていますが。解雇理由がどの程度認められる余地があるのかなどにより、賃金の1年分以上の解決金が支払われることもあります
 JILPTの「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」労働政策研究報告書No.174(2015)によると、あっせんにおける事案の内容(大ぐくり)別にみた解決金額では、「解雇」を見ると、最も多いのは「10万-20万円未満」の「36.0%」、次いで「20万-30万円未満」の「15.0%」、次いで「30万-40万円未満」、「50-100万円未満」の「10.0%」となっています。
 労働審判における事案の内容(大ぐくり)別にみた解決金額では、「解雇」を見ると、最も多いのは「100万-200万円未満」の「28.7%」、次いで「50万-100万円未満」の「23.8%」、次いで「200万-300万円未満」の「11.0%」となっています。
 訴訟における事案の内容(大ぐくり)別にみた解決金額は、「解雇」を見ると、最も多いのは「100万-200万円未満」の「25.0%」、次いで「500万-1000万円未満」の「17.2%」、次いで「50万-100万円未満」の「14.8%」となっています。
出典:JILPT「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」労働政策研究報告書No.174(2015)

まとめ

労働者
労働者
会社から解雇された場合にはどのような請求をすることができるのでしょうか。
弁護士
弁護士
解雇を争わない場合には、解雇予告手当や退職金を請求できる余地があります。解雇予告手当は、使用者が30日前に行うべき解雇予告を行っていない場合に請求することができるものです。退職金は、会社に退職金規程などがある場合に、それに従い請求するものです。
 労働者
 労働者
解雇を争う場合にはどのような請求をすることができるのでしょうか。
弁護士
弁護士
雇用契約上の権利を有する地位を確認する他にも、金銭的な請求として、解雇後の賃金請求や慰謝料請求をすることが一般的です。解雇後の賃金請求は、解雇が無効な場合に、解雇後判決確定までの賃金を請求できるものです。慰謝料請求は、使用者に故意過失があり、解雇の無効が確認され解雇後の賃金を請求できるだけでは精神的苦痛が回復されない場合に請求することができるものです。
  労働者
  労働者
給料の3カ月分の請求をすることができると聞いたのですが…
弁護士
弁護士
労働者が解雇を争う中で使用者との間で和解が成立することがあります。和解の際に、使用者から労働者に対して解決金が支払われることがあり、その相場が概ね賃金の3カ月分~6カ月分程度といわれています。これは労働者と使用者との合意により支払われるものであり、労働者が使用者に対して請求できるものではありません。労働者は、使用者から解決金が支払われない場合や解決金の金額に納得できない場合には、和解に応じないことができます。
  労働者
  労働者
よく分かりました。ありがとうございます。
【保存版】不当解雇を争う流れ-弁護士が不当解雇を争う全手順を解説-会社から突然解雇された場合は、どうすればいいのでしょうか。もっとも、解雇が容易には認められないとされていますが、それを争う方法を知らなければ、自分の権利を守ることはできません。今回は、不当解雇を争う手順について解説します。...
不当解雇とは?判断基準や違法性を3つのケースでわかりやすく解説不当解雇とは、法律や就業規則等の条件を満たしていない解雇のことをいいます。今回は、不当解雇とは何かについて、その判断基準や違法性を3つのケースで解説していきます。...
ABOUT ME
弁護士 籾山善臣
神奈川県弁護士会所属。主な取扱分野は、人事労務、離婚・男女問題、相続、企業法務、紛争解決(訴訟等)、知的財産、刑事問題等。誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。
解雇に注力している弁護士に相談してみませんか?

・「解雇は不当だと感じているけど、あきらめるしかないのかな…」
・「解雇を争いたいけど、自分でやるのは難しそうだな…」
・「解雇されてしまったけど、会社に給料や慰謝料、解決金などのお金を支払ってもらえないかな

このような悩みを抱えていませんか。このような悩み抱えている方は、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

解雇を争う際には、適切な見通しを立てて、自分の主張と矛盾しないように慎重に行動する必要があります。

初回の相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

365日受付中
メール受付時間:24時間受付中
電話受付時間:09:00~22:00

メールでの相談予約はこちら

お電話での相談予約はこちら

▼PCからご覧になっている方・お急ぎの方はこちらへお電話ください(直通)▼
090-6312-7359
※スマホからならタップでお電話いただけます。