カントリーマネージャーをしているもののクビとされてしまい困っていませんか?
本社やAPACから厳しい評価や理不尽な評価をされてしまい、不満を感じている方も多いでしょう。
カントリーマネージャーといえども、一従業員にすぎないことが通常なので、クビを言い渡されることがあります。
カントリーマネージャーがクビにされる理由としてよくあるのは、例えば以下の4つの理由です。
カントリーマネージャーのクビも法律上、厳格に規制されており、簡単には行うことができません。
カントリーマネージャーがクビにされる理由としてよくあるのは、例えば以下の4つの理由です。
理由1:業績目標を達成できていない
理由2:部下による告発や悪評の流布
理由3:大規模な人事異動
理由4:業務の縮小や日本からの撤退カントリーマネージャーのクビも法律上厳格に規制されており、簡単には行うことができません。
カントリーマネージャーがクビになってしまった場合には、焦らずに、冷静かつ適切に対処をしていきましょう。
実は、私がたくさんの外資系企業の労務問題について相談を受ける中でも、カントリーマネージャーの方からの相談も珍しくありません。
カントリーマネージャーの方がクビになった場合には、年収が高額であり、獲得できる金額も対応次第で大きく変わってきますので、弁護士に相談することをおすすめします。
今回は、カントリーマネージャーもクビになることを説明したうえで、よくある理由4つと対処手順を解説していきます。
この記事を読めば、カントリーマネージャーがクビになった際にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
カントリーマネージャーのクビについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
目次
カントリーマネージャーもクビになる
カントリーマネージャーといえども、一従業員にすぎないことが通常なので、クビを言い渡されることがあります。
カントリーマネージャーとは、その国の法人における最高責任者としての役職です。その国におけるあらゆる業務を統括する立場となります。
もっとも、法的な意味における代表者、つまりは代表取締役とはされていないことが多く、雇用契約を締結したうえで業務を行う傾向にあります。
例えば、入社時に、労働条件等が記載された「オファーレター」や「employment agreement」にサインをしていて、雇用保険に入っている方が多いのです。
そのため、一般の従業員と同様、会社から、解雇を言い渡されることがあります。
カントリーマネージャーがクビにされる理由4つ
カントリーマネージャーがクビにされる際には、当然、理由が存在します。
例えば、カントリーマネージャーがクビになる際のよくある理由は以下の4つです。
理由1:業績目標を達成できていない
理由2:部下による告発や悪評の流布
理由3:大規模な人事異動
理由4:業務の縮小や日本からの撤退
それでは、これらの理由について、順番に説明していきます。
理由1:業績目標を達成できていない
カントリーマネージャーがクビにされる理由の1つ目は、業績目標を達成できていないことです。
カントリーマネージャーには、売上や利益等の業績について、4半期ごとに目標を課されていることが通常です。
目標の達成の程度に応じて、インセンティブが支給されることも多いでしょう。
一方で、業績目標を下回ることが多いと、クビを言い渡されることになります。
ただし、カントリーマネージャーがクビの理由で多い類型ですが、必ずしもカントリーマネージャーに原因がないことも多いです。
そのため、業績目標を下回るような場合には、その原因を裏付ける証拠を確保しておくことが大切です。
理由2:部下による告発や悪評の流布
カントリーマネージャーがクビにされる理由の2つ目は、部下による告発や悪評の流布です。
部下との関係が良くないと、報告的な告発や悪評の流布をされることがあります。
よくあるのがハラスメントについての内部告発です。
法的な意味におけるハラスメントとまでは言えない場合も、クビとする理由として利用されてしまうこともあります。
その他にも、本社やAPACからヒアリング等が行われた際に、悪口を言われてしまうことがあり、このような評判をクビの理由とされてしまうこともあります。
ただし、部下による告発や悪評については、一方的な意見にすぎないことが多いです。
そのため、告発された事項や悪評の内容等に心あたりがある場合には、反論できるようにその経緯を説明できる証拠を確保しておくことが大切です。
理由3:大規模な人事異動
カントリーマネージャーがクビにされる理由の3つ目は、大規模な人事異動です。
外資系企業では、人的な関係がポジションに影響してくることが少なからずあります。
とくに自分を採用してくれたAPACの代表とは関係が良好であったが、大規模な人事異動でAPACの代表が変わってしまい、風当りが悪くなってきたということがあります。
このような状況になってくると、新たなAPACの代表が、日本法人のカントリーマネージャーを変えようとしてくることがあります。
その結果、粗捜しをされ、難癖をつけられて、クビを言い渡されてしまうことがあります。
理由4:業務の縮小や日本からの撤退
カントリーマネージャーがクビにされる理由の4つ目は、業務の縮小や日本からの撤退です。
日本の業績が芳しくないと部門や業務を縮小して、給与の高いカントリーマネージャーのポジション自体なくしてしまうということがあります。
また、日本からの撤退を決めたような場合にも、現状のサービスを維持するために必要な人員だけ残して、他のポジションをなくしてしまうということがあります。
このような場合にはカントリーマネージャーといえども、クビにされてしまうことがあります。
カントリーマネージャーのクビも厳格に規制されている
カントリーマネージャーをクビにすることも、法律によって、厳格に規制されています。
先ほど説明したとおり、カントリーマネージャーといえども、一従業員として、雇用契約に基づいて働いていることが通常だからです。
具体的には、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当でなければ、濫用として無効とされることになります。
例えば、APACや本社が、あなたのことを嫌っているから等の主観的な理由ではクビにすることはできないのです。
また、業績目標を達成できていないことから、クビにする場合であっても、どのような目標を設定していたのか、その目標は適正だったのか、目標を達成できなかったことに落ち度はあるのか等の議論がされることになります。
目標を達成していないということのみをもって、直ちにクビにすることができるわけではありません。
また、部下による告発や悪評についても、単に評判が悪いというだけではクビにすることは難しいでしょう。具体的なエピソードに基づいて、解雇に値するような出来事があったのか等が審理されます。
カントリーマネージャーがクビになった際にはバックペイを請求する
カントリーマネージャーがクビになった際には、バックペイを請求していくのが通常です。
バックペイとは、不当解雇された日よりも後のお給料を遡って請求することをいいます。
バックペイについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
解雇が無効である場合には、解雇日以降に働くことができなかった原因は会社側にあることになりますので、その期間の賃金を請求することができるのです。
解雇を争う際の請求のうち、一番大きな請求がこのバックペイとなります。
とくにカントリーマネージャーの方は、年収が高額なことが多いため、最終的に認容される金額も、かなり大きいものとなっていきます。
例えば、年収5000万円のカントリーマネージャーの方が解雇されたとしましょう。
この方が解雇を争い2年後に解雇の無効が認められたとすると、1億円のバックペイが認容される可能性があることになります。
更に控訴され、控訴審でも6か月間争い、解雇の無効が再度認められたとなれば、1億2500万円のバックペイが認められる可能性があります。
ただし、解雇を争う期間、別の収入があるような場合には、中間収入の控除として請求できる金額が6割程度になってしまうことがあります(最二小判昭37.7.20民集16巻8号1666頁[米軍山田部隊事件])。
また、他の会社の代表などになってしまっていると、就労の意思を否定され、バックペイ自体も認められないリスクがあります(東京地判平9.8.26労判724号48頁[オスロ―商会ほか事件])。
カントリーマネージャーがクビになった際の対処手順
カントリーマネージャーがクビになってしまった場合には、焦らずに、冷静かつ適切に対処をしていきましょう。
会社は解雇が有効であることを前提に手続きを進めてきますので、あなたが行動を起こさなければ、キャリアや生活を守ることはできません。
具体的には、カントリーマネージャーがクビになった際には、以下の手順で対処していきましょう。
手順1:働く意思を示し業務指示を求める
手順2:解雇理由証明書を請求する
手順3:交渉する
手順4:労働審判・訴訟を申し立てる
不当解雇に対してやるべきこと及びやってはいけないことについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
それでは各手順について順番に説明していきます。
手順1:働く意思を示して業務指示を求める
カントリーマネージャーがクビになった際の対処手順の1つ目は、働く意思を示して業務指示を求めることです。
解雇が無効となった場合には、先ほど説明したように、解雇されてから復職するまでの期間の賃金を請求することができます。
ただし、解雇後の賃金を請求するためには、労働者に働く意思と能力があったのに、会社のせいで働くことができなかったことが条件となります。
そのため、不当解雇を争う可能性がある場合には、最初の段階で、書面やメール等で働く意思を示して業務指示を求めておくのです。
具体的には、「私は解雇日以降も貴社において働く意思がありますので、速やかに業務指示してください」などの通知をして証拠化しておきます。
解雇後の賃金については、以下の記事で詳しく解説しています。
手順2:解雇理由証明書を請求する
カントリーマネージャーがクビになった際の対処手順の2つ目は、解雇理由証明書を請求することです。
解雇理由証明書とは、労働基準法上労働者からの請求に応じて交付することが義務付けられている書面であり、解雇の理由が記載された証明書です。
解雇理由証明書を求めることにより、会社から解雇理由が示されることになりますので、解雇を争うどうか、どのような主張や証拠の準備をすればいいのかが分かります。
また、会社は、解雇理由証明書に記載していない事由を後から主張しづらくなるとの事実上の意味もあります。
ただし、会社によっては、解雇理由証明書に抽象的・不明確な記載してしかないことがあります。
このような場合には、具体的にいかなる事実を根拠としているのか明らかにするように求めていくといいでしょう。
解雇理由証明書については、以下の記事で詳しく解説しています。
手順3:交渉する
カントリーマネージャーがクビになった際の対処手順の3つ目は、交渉することです。
解雇理由証明書の交付を受けると、双方の認識の違いなども見えてきます。
例えば、会社から、一度、どのように解決するか話し合いたい等の協議の申し入れがある場合もあります。
そのため、まずは話し合いにより双方が納得する解決をすることが可能かどうか交渉することが通常です。
手順4:労働審判・訴訟を申し立てる
カントリーマネージャーがクビになった際の対処手順の4つ目は、労働審判・訴訟を申し立てることです。
労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きであり、調停が成立しない場合には労働審判委員会が審判を下します。迅速、かつ、適正に解決することが期待できます。
労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判については、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。
解雇の裁判については、以下の記事で詳しく解説しています。
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まとめ
以上のとおり、今回は、カントリーマネージャーもクビになることを説明したうえで、よくある理由4つと対処手順を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・カントリーマネージャーといえども、一従業員にすぎないことが通常なので、クビを言い渡されることがあります。
・カントリーマネージャーがクビになる際のよくある理由は以下の4つです。
理由1:業績目標を達成できていない
理由2:部下による告発や悪評の流布
理由3:大規模な人事異動
理由4:業務の縮小や日本からの撤退
・カントリーマネージャーをクビにすることも、法律によって、厳格に規制されています。
・カントリーマネージャーがクビになった際には、バックペイを請求していくのが通常です。
・カントリーマネージャーがクビになった際には、以下の手順で対処していきましょう。
手順1:働く意思を示し業務指示を求める
手順2:解雇理由証明書を請求する
手順3:交渉する
手順4:労働審判・訴訟を申し立てる
この記事がクビになってしまって困っているカントリーマネージャーの方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。