未払残業代・給料請求

会社の計算は正確?5ステップで簡単にできる残業代の正しい計算方法

会社から渡された給料明細を見て、残業代がどのように支給されているか疑問に感じたことはありませんか

残業代の金額だけを見てもどのように計算されているのかを理解することは難しいです。そもそも、会社の計算が正確であるとは限りません

残業代については、以下の方法により計算します。

残業代の計算方法は、労働基準法で決められていますので、会社がこれよりも不利益な計算ルールを定めても無効です

私が今まで受けた残業代についての相談では、会社が正確に全額の残業代を支給していたという事案は、ほとんどありません。

残業代の計算間違いは1か月単位では小さい金額であったとしても、それが積もって2年分となれば100万円や200万円を超える金額となることも少なくありません

正確な残業代の計算方法を知らずに、請求できたはずの残業代が時効により消滅してしまったという人の話を聞くこと、私も残念な気持ちになります。

そのため、この記事をとおして、少しでも多くの方に正しい残業代の計算を知っていただければと思います。

労働者にとって、残業代の正確な計算方法を知っておくことはとても重要なことなのです。

この記事では、以下の流れで解説していきます。

誰でも分かりやすいように簡単に説明しますので、残業代の計算方法を知っていただくために役立てていただければ幸いです。

目次

残業代の種類

残業代と一言にいっても、いくつかの種類があります。
まず大きな区分として、以下の2種類があります。

・法外残業代
・法内残業代

それぞれに分けて見ていきましょう。

法外残業代

法外残業代には、以下の3種類があります。

・法定時間外割増賃金
・法定休日割増賃金
・深夜割増賃金

順に説明していきます。

法定時間外割増賃金

法定時間外割増賃金とは、法定労働時間を超えて労働をした場合に発生する残業代です。

法定労働時間は、1日8時間週40時間です。

ただし、常時10人未満しか労働者がいない、一定の事業については、法定労働時間は、1日8時間、週44時間となります。

法定労働時間に関する週44時間の特例法定労働時間は、原則として1週40時間とされていますが、これに例外はないのでしょうか。今回は、1週40時間の例外を定める週44時間の特例について解説します。...

法定休日割増賃金

法定休日割増賃金とは、法定休日に労働をした場合に発生する残業代です。

法定休日とは、会社が労働者に週に1日与えなければならない休日です。

深夜割増賃金

深夜割増賃金とは、深夜に労働した場合に発生する残業代です。

深夜とは、午後10時から午前5時までのことです。

法内残業代

法内残業代には以下の2種類があります

・所定時間外勤務手当
・所定休日勤務手当

順に説明していきます。

所定時間外勤務手当

所定時間外勤務手当とは、所定労働時間を超えて働いた場合に支給される残業代です。

所定労働時間とは、会社が決めた労働時間のことです。より正確に言うと、所定就業時間から所定の休憩時間を差し引いた時間です。所定就業時間とは、始業時から終業時までの時間です。

所定休日勤務手当

所定休日勤務手当とは、所定休日に働いた場合に支給される残業代です。

所定休日とは、就業規則や雇用契約等により定められている法定休日以外の休日のことです。

法定労働時間と所定労働時間-労働時間・休日の考え方-労働者の労働時間や休日は、法律上どのようになっているのでしょうか。また、使用者において、就業規則等により労働時間や休日を定めた場合、どのような意味があるのでしょうか。今回は、労働時間や休日の考え方について解説します。...

残業代の計算式と5つのステップ

残業代の計算式は、以下のとおりです。

残業代の時効期間は2年ですので(令和2年4月1日以降に発生したものは3年)、この計算式に従い2年分を計算してみましょう。
給料日ごとに残業代の小計を出しておくと遅延損害金を計算する際に便利です。

それでは、残業代を計算するための5つのステップについて説明していきます。

ステップ1:基礎賃金を計算する

残業代を計算するためのステップ1は、基礎賃金を計算することです。

基礎賃金とは、残業代の算定の基礎となる賃金です。
具体的には、除外される手当以外の賃金の合計金額となります。

以下では、

・基礎賃金から除外される手当
・基礎賃金に含めるべきか悩む方が多い手当

を解説します。

基礎賃金から除外される手当

基礎賃金から除外されるのは、以下の賃金です。これらに該当するかは、手当の名称ではなく、実質により判断されます。

①家族手当
②通勤手当
③別居手当
④子女教育手当
⑤住宅手当
⑥臨時に支払われた賃金
⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

それでは順に見ていきましょう。

家族手当

家族手当とは、扶養家族のある者に対し、扶養家族の人数を基準として算出して支給する手当です。

例えば、扶養家族のある者に対して支給されるものであっても、その家族の人数に関係なく一律に支給されている手当は、家族手当ではありません。

また、本人分の手当や独身者に対する手当などは、家族手当ではありません。

通勤手当

通勤手当とは、通勤の実費を補てんし、あるいは通勤距離に応じた手当を支給する手当です。

例えば、距離に関係なく支払われる部分がある場合には、その部分は通勤手当ではありません。

別居手当

別居手当とは、勤務の都合により、同一世帯の扶養家族と別居を余儀なくされる労働者に対して、二重生活による生活費の増加を補てんする手当です。

子女教育手当

子女教育手当とは、被扶養者である子女の学校教育費の補助として支給される手当です。

住宅手当

住宅手当とは、住宅に要する費用に応じて算定される手当です。

例えば、以下のものは住宅手当には当たりません。

・住宅の形態ごとに一律に定額で支給されるもの
・住宅以外の要素に応じて定率又は定額で支給するとされるもの
・全員に一律に定額で支給されるもの

臨時に支払われた賃金

臨時に支払われた賃金とは、支給条件は確定されているものの、支給事由の発生が労働と直接関係のない個人的事情により稀に生ずる賃金です。

例えば、以下のものがこれに当たります。

・結婚や子の出生に対する祝金
・病気見舞金
・冬期間の寒冷地手当

1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

1か月を超える期間ごとに支払われる賃金とは、賞与、その他これに準ずるもので厚生労働省令により定める賃金です。

厚生労働省令で定める賃金は以下のとおりです。

・1か月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当
・1カ月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
・1カ月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当

ただし、これまで1か月ごとに支払われていた賃金を基礎賃金から除外するために、その額を2倍として、2か月ごとに支払うこととした場合には、これに該当しません。

基礎賃金に含めるか悩まれる方が多い手当

基礎賃金に含めるか悩まれる方が多い手当として、以下の2つがあります。

①役職手当
②固定残業代

それでは順に見ていきましょう。

役職手当

役職手当とは、役職者としての業務に対して支給される手当をいいます。

役職手当は、基礎賃金から除外される賃金に列挙されていません。そのため、役職手当は、基礎賃金に含めてよいことになります

ただし、会社は、労働者の管理監督者該当性が否定されたような場合に、役職手当は残業代を代替するものであるとして、残業代の支払いの性質を有すると主張する場合があります。

裁判例は、役職手当が、役職に応じて支給される金額が異なり、高位の者ほどその支給額が大きくなる事案において、職責の重さに応じて支給される手当で残業代の支払いの性質を有しないため、基礎賃金に含まれるとしています(大阪地判令元.12.20労判ジャーナル96号64頁[はなまる事件])。

固定残業代

固定残業代とは、基本給の一部や手当として、一定の残業代を支給するものをいいます。

当然ですが、残業代は、基礎賃金には含まれません。

そのため、固定残業代が有効な場合には、基礎賃金には含まれないことになります。
これに対して、固定残業代が無効な場合には、基礎賃金に含まれることになります。

これについては後ほど改めて解説します。

ステップ2:所定労働時間を計算する

残業代を計算するためのステップ2は、所定労働時間を計算することです。

所定労働時間とは、会社が決めた労働時間のことです。

所定労働時間を計算する理由は、基礎賃金を1時間当たりの金額に引き直すためです。

そのため、会社において、どのような賃金制度がとられているかにより、所定労働時間の求め方も変わってきます。

・時給制の場合
・日給制の場合
・週休制の場合
・月給制の場合
・年俸制の場合

について、順に説明していきます。

時給制の場合

時給制の場合には、もともと基礎賃金が1時間あたりの金額になっていますので、所定労働時間で割る必要はありません。

日給制の場合

日給制の場合には、基礎賃金は1日あたりの金額になっていますので、1日の所定労働時間数で割る必要があります。

例えば、1日8時間労働をすることになっている方は、8時間で割ることになります。

ただし、日によって所定労働時間数が異なる場合には、1週間における1日の平均所定労働時間数で割ることになります。

週給制の場合

週給制の場合には、基礎賃金は1週間あたりの金額になっていますので、1週間の所定労働時間数で割る必要があります。

例えば、1週間40時間労働をすることになっている方は、40時間で割ることになります。

ただし、週によって所定労働時間数が異なる場合には、4週間における1週平均所定労働時間数で割ることになります。

月給制の場合

月給制の場合には、基礎賃金は1か月あたりの金額になっていますので、1か月の所定労働時間数で割る必要があります。

ただし、月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年における1か月の平均所定労働時間数で割ることになります。

通常、1か月の出勤日数は月によって異なることが多いため、月ごとに所定労働時間も異なり、1か月の平均所定労働時間数で割ることが多いです。

月平均所定労働時間数については、その計算方法につき悩む方もいると思いますので、少し詳しく説明します。

月平均所定労働時間の計算式は以下のとおりです。

具体的には、以下の3つの手順が必要となります。

手順1:年間休日日数を計算する
手順2:1日の所定労働時間数を確認する
手順3:手順1~2で明らかになった日数と時間数を計算式に入れて計算する

手順1:年間休日日数を計算する

年間休日日数は、以下の方法により計算します。

①雇用契約書、労働条件通知書、就業規則などで、休日がどのように規定されているかを確認します
②休日を年間カレンダーに書き込みます
③書き込んだ休日の日数を数えます

例えば、土日、祝日、夏季5日、年末年始(12月29日~1月4日)が休日である場合には、年間休日は125日前後となります。

手順2:1日の所定労働時間数を確認する

1日の所定労働時間数についても、雇用契約書、労働条件通知書、就業規則などで確認します。

例えば、始業時刻が9時、休憩時間が12時~13時、終業時刻が18時の場合には、1日の所定労働時間は8時間となります。

手順3:手順1~2で明らかになった日数と時間数を計算式に入れて計算する

明らかになった休日日数と1日の所定労働時間数を計算式に入れて計算をします。

例えば、年間休日日数が125日、1日の所定労働時間数が8時間の場合には、1か月の平均所定労働時間は、以下のとおりとなります。

(365日-125日)×8時間÷12か月=160時間

年俸制の場合

年俸制の場合には、基礎賃金は1年間当たりの賃金になっていますので、1年間の所定労働時間数で割る必要があります。

ステップ3:割増率を確認する

割増率については、法外残業と法内残業で考え方が違います。

そのため、それぞれ順に説明していきます。

法外残業

法外残業の割増率は、以下のとおりです。

順に見ていきましょう。

法定時間外残業

法定時間外残業の割増率は、1.25倍となります。

ただし、中小企業を除いて、法定時間外残業が1カ月60時間を超えた部分の割増率は、1.50倍となります。中小企業に該当する企業は以下のとおりです。

法定休日残業

法定休日残業の割増率は、1.35倍となります。

深夜残業

深夜残業の割増率は、0.25倍となります。法定時間外残業と深夜残業が重なった場合には1.25倍+0.25倍で1.50倍となります。休日残業と深夜残業が重なった場合には1.35倍+0.25倍で1.60倍となります。

法内残業

法内残業の割増率については、原則として、

1.0倍

です。

ただし、就業規則や雇用契約書によって、これよりも大きい割増率が定められている場合には、それに従うことになります

実際に、多くの会社では、法定時間外残業や法定休日残業と区別せずに、雇用契約書や就業規則において、所定時間外残業の割増率を1.25倍や所定休日残業の割増率を1.35倍とされています。

ステップ4:残業時間を計算する

残業代を計算するステップ4は、残業時間を計算することです。

残業時間を計算するにあたって、

・残業時間の種類
・労働時間に含まれる時間
・エクセルにより残業時間を計算する方法

の順で説明してきます。

残業時間の種類

残業時間は大きく分けると以下の5種類があります。

①法定時間外残業
②法定休日残業
③深夜残業
④所定時間外残業
⑤所定休日残業

法定時間外残業とは、1日8時間、週40時間を超えて労働した場合の残業です。
ただし、常時10人未満しか労働者しかいない、一定の事業については、1日8時間、週44時間を超えた場合となります。

法定休日残業とは、週に1日の法定休日に労働した場合の残業です。
法定休日が不明である場合には、例えば、日曜日を法定休日と仮定して計算することも多いです。

深夜残業とは、午後10時から午前5時に労働した場合の残業です。

所定時間外残業とは、所定労働時間を超えて働いた場合の残業です。
例えば、就業規則で、始業時刻が10:00、終業時刻が18:00、休憩が1時間とされていたとしましょう。この場合、1日の所定労働時間は7時間となります。そのため、1日に8時間労働した場合には、法定労働時間の8時間は超えていないので法定時間外残業にはなりません。しかし、所定労働時間を超えていますので、1時間の所定時間外残業となります。

所定休日残業とは、法定休日以外の所定の休日に働いた場合の残業です。

例えば、1日の所定労働時間7時間、法定休日:日曜日、所定休日:土曜日のAさんの1週間を見てみましょう。

月曜日に9時から19時まで働き、12時から13時まで休憩すると、9時間働いたことになり、所定時間外残業は1時間、法定時間外残業も1時間となります。

水曜日に9時から24時まで働き、12時から13時まで休憩すると、14時間働いたことになり、所定時間外残業は1時間、法定外残業は6時間、深夜残業は2時間となります。

土曜日に13時から15時まで働くと、2時間の所定休日残業をしたことになります。

日曜日に15時から19時まで働くと、4時間の法定休日残業をしたことになります。

労働時間に含まれる時間

労働時間に含まれるのは、労働者が会社の指揮命令の下におかれている時間です。

労働時間に該当するか悩みがちな時間として以下のものがあります。

・手待時間
・準備の時間
・自宅に持ち帰り仕事をした時間
・移動時間
・研修等へ参加した時間
・業務用携帯による対応を指示されていた時間
・昼休みの来客当番

順に簡単に説明していきます。

手待時間

手待ち時間は、労働からの解放が保障されていない場合には労働時間に該当します

手待ち時間に自由に他の事をすることができたか、何らかの業務を行うことが義務付けられていたかなどを見ていくことになります。

例えば、住み込みの管理人が、所定労働時間以外も、管理人室の照明を点灯しておき、宅配物の受けた私等に随時対応すべき旨がマニュアルで指示されていた事案において、事実上待機せざるを得ない状態におかれていたとして、労働時間に該当するとされています(最判平19.10.19民集61巻7号2555頁[大林ファシリティーズ事件])。

準備の時間

交代のための引継ぎや機械の点検、後始末などの時間については、始業時刻前・終業時刻後に行われても、通常、労働時間に該当します

これに対して、入浴や着替えの時間などは、労務の提供自体ではないため、労働時間に該当しないとされています。
ただし、マニュアルなどで会社から入浴や着替えを事業場内で行うことを義務付けられている場合には、労働時間に該当する場合があります。

自宅に持ち帰り仕事をした時間

自宅に持ち帰り仕事をした時間は、会社から残業を命じられ、かつ、労働者がプライベートと区別して業務をしている場合には、労働時間に該当します

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移動時間

通勤時間は、労働時間には該当しません。ただし、始業後の労働時間と評価できる場合には、労働時間に該当します。

用務先間の移動時間は、労働時間に該当します。ただし、業務から離脱し、当該時間を自由に利用することが認められる特段の事情がある場合には、労働時間に該当しません。

出張前後の移動時間は、原則として、労働時間に該当しません。ただし、出張の移動そのものが業務である場合には、労働時間に該当します。例えば、出張目的が運搬であり旅行中その物品の監視をしなければならない場合です。

研修等への参加

研修等への参加は、会社の指示により、参加が事実上強制されている場合には、労働時間に該当します

業務用携帯による対応を指示されていた時間

始業時刻前や終業時刻後、休日に業務用の携帯電話を持たされて、その対応をするように指示されていた時間は、不活動時間の占める割合、不活動時間の活動・行為様式、現実に労務を提供する回数等を考慮し、指揮命令下におかれていたといえる場合には、労働時間に該当します

例えば、業務用の携帯電話にほとんど着信がない場合や、業務用携帯電話を持っていても入浴や飲酒などの通常通りの生活ができる場合には、労働時間に該当するとはいえません。

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昼休みの来客当番

昼休みに来客当番として待機した場合には、原則として、労働時間に該当します

これに対して、来客当番ではないものの対応をした場合には、来客の頻度や対応の内容、来客対応を強制されるような状況であったのか等により労働時間制を判断します

エクセルにより残業時間を計算する方法

残業時間を計算する方法としては、例えば、エクセルを利用する方法があります。

例えば以下のように時間を記録していきます。

各日ごとに、始業時刻や終業時刻、休憩時間を入力し、労働時間を計算します。

そして、残業時間がある場合には、法定時間外残業、法定休日残業、深夜残業、所定時間外残業、所定休日残業に分けてその時間を記録していきます。

~振替休日や代休と残業~

休日出勤の前に、休日の振替が有効になされた場合には、休日残業は発生しないことになります。

休日出勤をした後に、有効に代休が与えられた場合には、休日残業はしたことになりますので休日分の残業代は発生します。しかし、代休により休んだ1日分の賃金は控除されることになります。

休日出勤割増の計算方法は?休日残業の種類ごとの割増率や代休を解説休日に出勤した場合には、通常、残業代を請求することができます。しかし、休日の種類により割増率が異なりますし、振替休日や代休を与えられた場合にはこれを考慮しなければなりません。今回は、休日出勤割増について、わかりやすく解説します。...

ステップ5:ステップ1~4で明らかになった数字を計算式に入れる

最後に、ステップ1~4で明らかになった数字を計算式に入れることになります。

例えば、基礎賃金が20万円、月平均所定労働時間が160時間の方が、法定時間外残業を月30時間した場合には、その月についての残業代は、

20万円÷160時間×30時間×1.25=4万6875円

となります。

~歩合給制の場合の計算方法~

歩合給制の場合には、以下の計算式で計算することになります。


【ポイント1】
固定部分については、所定労働時間で割り、1時間当たりの賃金を算定します。固定給は、所定労働時間分の労働に対して支払われるものだからです。
歩合部分については、総労働時間で割り、1時間当たりの賃金を算定します。歩合給は、労働者が実際に労働した時間の出来高に対して支払われるものだからです。
【ポイント2】
固定部分と歩合部分で割増率が異なりますので注意が必要です。
・固定部分の割増率
法定時間外労働 1.25倍
法定休日労働  1.35倍
深夜労働    0.25倍
・歩合部分の割増率
法定時間外労働 0.25倍
法定休日労働  0.35倍
深夜労働    0.25倍
【計算例】
では、基本給月20万円、歩合給月5万円、月平均所定労働時間160時間、総労働時間210時間、法定時間外労働40時間の場合の残業代を計算してみましょう。

固定給部分については、以下のとおりとなります。

20万円÷160時間×1.25×40時間=6万2500円

歩合給部分については、以下のとおりとなります。

5万円÷210時間×0.25×40時間=2380円

そのため、残業代は

6万2500円+2380円=6万4880円

となります。

あなたの残業代はいくら?残業代の計算例と早見表

実際にあなたの残業代を計算してみましょう。

以下では、残業代の計算例と早見表を紹介します。

順に見ていきましょう。

残業代の計算例

月給制のもとで、基本給35万円、役職手当5万円、通勤手当1万円の方が、1か月50時間の法定時間外残業をした場合を前提に2年分の残業代を計算してみましょう。
なお、年間の休日は、土日祝日、夏休み5日、年末年始(12月29日~1月4日)として、日数は125日とします。所定労働時間は1日8時間とします。

以下では、

ステップ1:基礎賃金
ステップ2:所定労働時間
ステップ3:割増率
ステップ4:残業時間
ステップ5:明らかになった数字を計算式に入れる

の順で説明していきます。

ステップ1:基礎賃金

基本給35万円、役職手当5万円、通勤手当1万円の場合には、

基本給35万円と役職手当5万円は基礎賃金に含まれますが、通勤手当1万円は基礎賃金に含まれないことになります。

そのため、基礎賃金は、

基本給35万円+役職手当5万円=40万円

となります。

ステップ2:所定労働時間

年間休日日数が125日ですので、月平均所定労働時間は、

(365日-年間休日日数125日)×1日の所定労働時間8時間÷12か月
=160時間

となります。

ステップ3:割増率

法定時間外残業の割増率は、

1.25倍

です。

ステップ4:残業時間

残業時間は、法定時間外残業が

月50時間

です。

ステップ5:明らかになった数字を計算式に入れる

以上を前提にすると1か月あたりの残業代は、

40万円÷160時間×1.25倍×50時間=15万6250円

2年分ですと

15万6250円×24か月=375万円

となります。

残業代早見表

基礎賃金(月給)と残業時間ごとに残業代を早見表に整理しました。

あなたの残業代を確認してみてください。

残業代を有利に計算するポイント

残業代を有利に計算するには、以下の点に注意して計算しましょう。

・基礎賃金に手当を含め忘れないようにする
・所定労働時間を正確に計算する
・法定よりも有利な割増率が合意されていないか確認する
・労働時間に含めることができる時間はないかを確認する

なぜなら、残業代は、以下のような場合に増加・減少するためです。

それでは順に見ていきましょう。

基礎賃金に手当を含め忘れないようにする

残業代を有利に計算するためには、基礎賃金に含めるべき手当を含め忘れないようにすることが重要です。

基礎賃金には、除外賃金として列挙されているものと残業代の性質を有するもの以外の賃金は、全て含まれることになります。

例えば、基礎賃金に基本給しか入れず計算していると残業代の金額は大幅に減少してしまうことになります。

そして、除外賃金に該当するかは、名称ではなく実態で決まりますので、仮に除外賃金となる名称がつけられていたとしても、本当にそのような意味で支給されていたのかを確認することが重要です。

例えば、家族手当という名目で支給されている手当が、家族が何人いるかに関係なく、全員に一律に支給されている場合には、これは家族手当の実態を有しないため除外賃金には該当しないことになります。

所定労働時間を正確に計算する

残業代を有利に計算するためには、所定労働時間を正確に計算することが重要です。

所定労働時間を正確に把握するポイントは以下の3点です。

・休日の日数を正確に把握する
・法定労働時間を超えていないかを確認する
・所定労働時間が8時間よりも短く合意されていないかを確認する

それでは順に見ていきます。

休日の日数を正確に把握する

所定労働時間を正確に計算するためには、休日日数を正確に把握する必要があります。

休日日数が少ないと所定労働時間が多くなり残業代が減少してしまうためです。

雇用契約書や就業規則で、見落としている休日がないかをよく確認しましょう。

法定労働時間を超えていないかを確認する

所定労働時間を正確に計算するためには、所定労働時間が法定労働時間を超えていないかを確認する必要があります。

所定労働時間が法定労働時間を超えている場合には、その部分は無効となるためです。

例えば、1日の所定労働時間が10時間とされている場合には、1日の法定労働時間は8時間ですので、10時間というのは無効になり8時間に修正されることになります。

所定労働時間が8時間よりも短く合意されていないかを確認する

所定労働時間を正確に把握するためには、所定労働時間が8時間よりも短く合意されていないかを確認する必要があります。

安易に1日の所定労働時間が法定労働時間と同じに設定されていると考えると損をしてしまう場合があります。

例えば、1日の所定労働時間が7時間や7時間30分などに設定されている会社も多く存在します。

法定よりも有利な割増率が合意されていないか確認する

残業代を有利に計算するためには、法定よりも有利な割増率が設定されていないかを確認する必要があります。

例えば、法定休日割増率が1.35倍ではなく1.40倍とされていることや、所定休日割増率が1.35倍とされていることがあります。

また、雇用契約書や労働条件通知書、就業規則などで、それぞれ違う割増率が書いてある場合もあるので、全ての資料で割増率を確認して、最も有利な割増率を主張しましょう。

労働時間に含めることができる時間はないかを確認する

次に、残業代を有利に計算するためには、タイムカードに記載された時間以外にも、労働時間に含めることができる時間がないかをよく検討する必要があります。

例えば、家で仕事をするように命じられていた場合、タイムカードを切った後に労働をするように命じられていた場合などには、これらの時間も労働時間に該当する可能性があります。

しっかりと記録に残しておき、労働時間に含めて計算しましょう。

勤務形態別の残業代の計算方法

勤務形態により残業代の計算方法が異なる場合があります。

計算方法について悩まれる方が多い勤務形態としては、以下のものが挙げられます。

・裁量労働制
・フレックスタイム制
・変形労働時間制
・試用期間
・パートやアルバイト、派遣社員
・管理監督者

それでは順に説明していきます。

裁量労働制の残業代の計算方法

裁量労働制がとられている場合には、実際の労働時間数にかかわらず、一定の労働時間数だけ労働したものとみなされることになります。

裁量労働制とは、専門性が高い業務に従事する労働者や裁量性の高い業務に従事する労働者について、労働の量ではなく質や成果に報酬を支払うことを可能とする制度です。

何時間労働したものとみなされるかについては、通常の所定労働時間とする方法と今までの実情から算出する方法がありますが、前者を採用している会社の方が多いです。

例えば、裁量労働制がとられている場合の残業時間は以下のとおりとなります。

裁量労働制は残業代が出ない?
裁量労働制は残業代が出ない?残業代ゼロが違法な3つの例と計算方法裁量労働制のもとでも、残業代を請求できる可能性があります。今回は、裁量労働制について、その意味や条件などの基本的な知識を説明した上で、残業代が出る3つのケースと正確な残業代の計算方法について解説します。...

変形労働時間制の残業代の計算方法

変形労働時間制では、以下の場合に残業時間となります。

①あらかじめ法定労働時間を超えて労働させる旨を定めた日や週においては、その定めた時間を超えて労働した場合
②あらかじめ法定労働時間を超えて労働させる旨を定めていない日や週においては、法定労働時間を超えて労働した時間
変形期間における法定労働時間の総枠を超えて労働させた時間
※法定労働時間の総枠は、後述のフレックスタイム制の残業が発生する労働時間の目安を参考にしてください。

変形労働時間制とは、あらかじめ法定労働時間を超えて労働させることができる日や週を定めておき、一定期間において平均して週の法定労働時間を超えなければ、残業代は発生しないとする制度です。

例えば、以下のように、8時間を超えて労働する日があっても、残業となりません。

変形労働時間制とは?残業代がもらえる3つの場合をわかりやすく解説変形労働時間制だから残業代を請求できないと考えていませんか?変形労働時間制を採用している会社の多くは法律上の条件を満たしておらず、仮に条件が満たされていても残業代は発生します。今回は、変形労働時間制とは何かについて簡単に説明します。...

フレックスタイム制の残業代の計算方法

フレックスタイム制では、1か月・1年などの清算期間における1週間当たりの平均労働時間が40時間を超える場合に残業時間となります。

フレックスタイム制というのは、労働者が1カ月、1年などの単位期間の中で一定時間数労働することを条件として、1日の労働時間を自己の選択する時に開始したり、終了したりできる制度です。

そのため、労働者の裁量により、長い時間働く日や週もあれば、短い時間しか働かない日や週も出てくることになります。

そこで、残業時間についても、1か月、1年という比較的長い期間における1週間の平均労働時間により計算しているのです。

具体的には、以下の計算式により算出された時間を超えると、残業代が発生することとなります。

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試用期間中の残業代の計算方法

試用期間中の残業代の計算方法は、通常の労働者と同様です。

先ほど説明した方法により残業代を計算することになります。

パートやアルバイト、派遣社員の残業代の計算方法

パートやアルバイト、派遣社員の残業代の計算方法は、通常の労働者と同様です。

先ほど説明した方法により残業代を計算することになります。

管理監督職の残業代の計算方法

管理監督者が請求できるのは、深夜残業代のみとされています。

労働時間や休日に関する規定の適用が除外されているためです。

管理監督者に該当するためには、以下の①~③が必要とされています。

①経営者との一体性
②労働時間の裁量
③賃金等の待遇

管理監督者に該当する場合は、特に制限的に解されています。そのため、管理職であっても、法律上の管理監督者に該当するとは限りません

①~③を満たしていないと少しでも感じる方は、弁護士に相談することをおすすめします。

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固定残業代がある場合の残業代の計算方法

固定残業代がある場合の計算方法については、固定残業代が有効かどうかにより異なります。

そのため、固定残業代がある場合の計算方法については、以下の順序で説明します。

・固定残業代の有効性
・固定残業代が無効な場合の計算方法
・固定残業代が有効な場合の計算方法

固定残業代の有効性

固定残業代が有効であるというためには、以下の2つ条件を満たすことが必要です。

条件1:固定残業代が残業代に該当することにつき就業規則等の根拠がある
条件2:残業代部分とそれ以外の部分を明確に区別できる

なぜなら、残業代として支払われていることにつき合意がないと労働条件になりませんし、残業代部分とそれ以外の部分を明確に区別できていないといくらの残業代が支払われたのかが分からないためです。

例えば、会社が基本給の一部が固定残業代に当たると考えているとしましょう。

これは、会社が固定残業代であると考えているだけで、雇用契約書や就業規則等に規定しておかなければ、条件1を満たさずに無効ということになります。

次に、就業規則や雇用契約書で、基本給の一部が固定残業代に該当すると規定されていたとしても、基本給のどの部分が残業代に当たるのかにつき、例えば金額や割合を記載するなどの方法により明確にしていないと、条件2を満たさずに無効ということになります。

固定残業代が無効な場合の計算方法

固定残業代が無効な場合には、以下の2点がポイントです。

・固定残業代は基礎賃金に含まれることになる
・残業代の金額から固定残業代が差し引かれない

例えば、月給制のもとで、基本給35万円、役職手当5万円、通勤手当1万円の方が、1か月50時間の法定時間外残業を2年間した場合に、会社から基本給30万円のうち10万円は固定残業代であると反論された場合の残業代を計算してみましょう。
なお、月平均所定労働時間は160時間とします。

固定残業代が無効である場合には、基礎賃金は、

基本給35万円+役職手当5万円=40万円

となります。

そのため、残業代金額は、

40万円÷160時間×1.25×50時間×2年(24か月)=375万円

となります。

そして、固定残業代は無効なため、375万円から固定残業代が差し引かれることもありません。

固定残業代が有効な場合の計算方法

固定残業代が有効な場合には、以下の3点がポイントです。

・固定残業代は基礎賃金に含まれないことになる
・残業代の金額から固定残業代が差し引かれる
・固定残業代と払うべき残業代との差額は請求できる

例えば、先ほどと同様、月給制のもとで、基本給35万円、役職手当5万円、通勤手当1万円の方が、1か月50時間の法定時間外残業を2年間した場合に、会社から基本給30万円のうち10万円は固定残業代であると反論された場合の残業代を計算してみましょう。
なお、月平均所定労働時間は160時間とします。

固定残業代が有効である場合には、

基礎賃金は、

基本給25万円+役職手当5万円=30万円

となります。

そのため、残業代金額は、

30万円÷160時間×1.25×50時間×2年(24か月)=281万2500円

となります。

そして、固定残業代は有効なため、282万2500円から固定残業代240万円(10万円×2年分)が差し引かれることになります。

そのため、請求できる残業代金額は、

282万5000円―240万円=42万5000円

となります。

このように固定残業代が有効かどうかにより請求できる残業代金額に大きな差が生じることになります。

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実は無効!労働者に不利な会社の独自ルール

会社は、労働基準法に違反して、残業代について、労働者に不利益な独自のルールを作ることはできません

なぜなら、労働基準法よりも不利益な労働条件は無効とされているためです。

よくある会社の独自ルールとして以下の3つがあります。

・残業代を支給する残業時間に上限を設ける
・残業代に上限金額を設ける
・1分を超える時間を端数として切り捨てる

これらの独自ルールはいずれも無効ですので、順に説明していきます。

残業代を支給する残業時間に上限を設けることはできない

会社は、残業代を支給する残業時間に上限を設けることはできません

なぜなら、労働者が、残業をした場合には、残業代を支給することが労働基準法上義務づけられているからです。

例えば、労働者が30時間を超えて残業した場合には、30時間を超える部分については残業代を請求しないとの会社の独自ルールがあったとしましょう。

このような独自ルールは、残業代の支給義務を定める労働基準法に反して無効です。

会社は、30時間を超える残業部分についても、残業代の支払い義務を負うことになります。

残業代に上限金額を設けることはできない

会社は、労働者に支給する残業代に上限金額を設けることはできません

なぜなら、会社が労働者に対して支給しなければならない残業代金額については労働基準法で決められているからです。上限金額を設けて、労働基準法で決められた金額よりも低い金額しか支給しないことは許されないのです。

例えば、1か月10万円以上の残業代を支給しないとの会社の独自ルールがあったとしましょう。

このような独自ルールも、残業代の支給義務を定める労働基準法に反して無効です。

会社は、10万円を超え部分についても、残業代の支払義務を負うことになります。

1分を超える時間を端数として切り捨てることはできない

1分を超える時間について端数として切り捨てて、残業代を支払わないことは許されません

裁判実務では、残業は1分でもすれば、残業代の支払いが必要であると考えられています。

例えば、15分未満の残業について残業代は支払わないとの会社の独自ルールがあったとしましょう。

このような独自ルールがあったとしても、法律上は、1分単位で残業代支払わなければならず、15分未満の残業についても残業代を支払う必要があるのです。

ただし、行政解釈では、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間として切り上げることは、労働基準法違反として取り扱わないとされています(昭63.3.14基発150号)。そのため、裁判ではなく、行政手続きの関係においては、労働基準法違反として取り扱われない可能性があります。

残業代を請求する方法

残業代を請求する方法として、

・残業代を請求する手順
・残業代請求に必要な証拠

をそれぞれ説明します。

残業代を請求する手順

残業代請求をするための手順は以下のとおりです。

STEP1:通知書の送付
STEP2:残業代の計算
STEP3:交渉
STEP4:労働審判・訴訟

通知書の送付

残業代を請求するためには、まず、以下の2点が重要となります。

・一時的に時効を止めること
・資料の開示を求めること

そのため、まずは、残業代の請求をする旨と資料の開示を求める旨を通知書に記載して送付することになります。

例えば、以下のような通知書を送付することが多いです。

※御通知のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、御通知のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

残業代の計算

資料の開示があったら、これまで説明した方法により残業代を計算することになります。

交渉

残業代を計算したら、次に会社との間で、残業代の払いにつき交渉することになります。

まずは、計算した具体的な金額について、会社に対して請求しましょう。

そうすると、通常は、会社からも計算方法につき、何らかの反論があります。

会社との間で争いとなっている箇所については、裁判例や法律に照らして、説得的に主張を行うことになります。

労働審判・訴訟

交渉をしても話合いがまとまらない場合には、労働審判や訴訟の申し立てを行うことになります。

労働審判とは、3回以内の期日で調停による解決を目指すものであり、調停が成立しない場合には、裁判所により一時的な判断が出されます。

訴訟は、期日の回数制限は特になく、1か月に1回程度期日が入り、交互に主張を行うことになります。解決までに1年程度かかることもあります。

残業代請求に必要な証拠

残業代請求に必要な証拠には、

・労働条件に関する証拠
・労働時間に関する証拠

があります。

労働条件に関する証拠

労働条件に関する証拠には、例えば以下のものがあります。

・雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則
・給与規程

これらのうち、どれか一つがあればいいというわけではなく、複数集めたうえでどの労働条件が労働者にとって有利かを検討します。

残業時間に関する証拠

残業時間に関する証拠には、例えば以下のものがあります。

①があると心強いですが、これがない場合には、②や③の証拠がないかを検討します。

①②③いずれもない場合には、やむを得ないため、④の証拠により、残業時間を立証していくことになります。

残業代にも社会保険料や税金はかかる

残業代にも社会保険料や税金はかかります。

具体的には、残業代のおおよその手取りは

75%~85%程度

が目安です。

残業代の計算は弁護士に相談するべき

残業代の計算をする際には、弁護士に相談することを強くおすすめします。

その理由は以下の4つです。

・残業代を有利に計算するための助言をしてもらえる!
・証拠の集め方を教えてもらえる!
・見通しやリスクについて知ることができる!
・初回無料相談であれば費用はかからない!

それでは順に説明していきます。

残業代を有利に計算するための助言をしてもらえる!

弁護士に相談をすることで、残業代を有利に計算するための助言をしてもらうことができます

残業代の計算になれていない方が、自分自身で計算しようとすると、どうしても見落とし、ミスが発生してしまうものです。

例えば、就業規則や雇用契約書の見方なども、説明してもらうことができるでしょう。

残業代請求に詳しい弁護士に相談すれば、見落としがちな点やポイントとなる点を分かりやすく教えてもらうことができます。

証拠の集め方を教えてもらえる!

弁護士に相談することで、証拠の集め方を教えてもらうことができます

なぜなら、残業代請求に力を入れている弁護士は、日ごろ、依頼者に代わり証拠の収集を行っていますので、どのような証拠が必要で、どのように集めるかを知り尽くしているからです。

例えば、タイムカードが手元になくて残業代請求をできるか悩んでいる方や、給与明細を捨ててしまって持っていないと不安に感じている方も、適切にアドバイスをしてもらえるはずです。

そのため、弁護士に相談することで、今の手持ちの証拠でどのような証拠が足りないのか、その証拠を集めるためにはどのような手順を踏めばいいのかを知ることができるのです。

見通しやリスクについて知ることができる!

弁護士に相談することで、残業代請求の見通しやリスクを知ることができます

残業代請求をするには、労力や時間、費用がかかります。

そのため、実際に残業代を請求していくかどうかを検討するに当たっては、残業代請求をすればどの程度の金額を得ることができるのか、反対に、どの程度の労力や費用が必要になるのかを知る必要があります。

当然、弁護士に依頼して、費用倒れになる可能性があるような場合には、そのリスクについても説明してもらうことができるでしょう。

弁護士に相談することで、これまでの経験からおおよその見通しを教えてもらうことができますので、残業代請求をするかどうかについての判断をしやすくなります。

初回無料相談であれば費用はかからない!

初回無料相談を利用すれば、費用をかけずに弁護士に相談することができます

弁護士に依頼するかどうか悩んでいる方も、まずは相談をしてみて、どうするかを決めればいいのです。

初回無料相談を利用することのデメリットは特にありません。

まとめ

以上のとおり、今回は、残業代の計算方法について分かりやすく説明させていただきました。

この記事の要点を簡単にまとめると以下のとおりです。

【残業代の計算方法】
・基礎賃金を計算する
・所定労働時間を計算する
・割増率を算定する
・残業時間を計算する
・上記を以下の式に入れて計算する

基礎賃金÷所定労働時間×割増率×残業時間

【基礎賃金から除外される賃金】
・家族手当
・通勤手当
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当
・臨時に支払われた賃金
・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

【月給制の所定労働時間の計算方法】
・年間休日日数を計算する
・1日の所定労働時間数を確認する
・上記の日数と時間数を計算式に入れて計算する

(365日-年間休日日数)×1日の所定労働時間÷12か月

【割増率】
・法定時間外残業 1.25倍
・法定休日残業 1.35倍
・深夜残業 0.25倍

この記事が残業代の計算方法に悩んでいる皆様の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずのですので読んでみてください。

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神奈川県弁護士会所属。主な取扱分野は、人事労務、離婚・男女問題、相続、企業法務、紛争解決(訴訟等)、知的財産、刑事問題等。誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。
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残業代には2年の時効がありますので、早めに行動することが大切です。

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