termination letterとは、日本語で解雇通知書の意味です。
外資系企業からtermination letterを交付されたら焦らずに、冷静に対処しましょう。
安易な発言や態様により結果が大きく変わってしまうことが珍しくないのです。
今回は、termination letterとは何かを説明したうえで、サンプルと簡単な対処法や注意点4つを解説します。
この記事を読めば、termination letterを交付されたらどうすればいいのかがよくわかるはずです。

目次
termination letterとは
termination letter(ターミネーション・レター)とは、会社が従業員に対して、雇用契約を終了させる(解雇する)ことを伝える通知書です。
日本でいうところの解雇通知書に当たります。
日本の労働法では、解雇は厳格に規制されており、主観的であったり、不合理であったりする解雇は、不当とされる可能性が十分にあります。
termination letterというタイトルの書類であっても、日本で働いていれば、日本の解雇規制が適用されることになるのです。
例えば、あり日、HRからtermination letterが送られてきて、社内イントラネットへのアクセスも遮断されると言ったことがよくあります。
会社からtermination letterを交付された場合には、解雇日をもって一方的に退職手続きを進められてしまうことになります。
termination letterのサンプル・例文【テンプレート】
termination letterのサンプルは、以下のとおりです。
(日本語訳)
termination letterには、解雇の有効性を判断するための重要な情報が凝縮されています。
書面の各項目が持つ意味を正しく理解しておくことは、会社側の主張が妥当であるかを冷静に分析したり、その後の交渉を有利に進めたりするために不可欠です。
termination letterの記載内容について、以下で順番に説明していきます。
①会社名
(記載例)
ABC Corporation
1-2-3 Chiyoda-ku, Tokyo, Japan
まず確認すべきなのは、通知を出している主体の名称、つまり会社名です。
あなたが雇用契約を結んでいる法人の正式名称が正しく記載されている必要があります。
なぜなら、解雇の意思表示は「契約の当事者」である会社が行わなければならないからです。
②作成日
(記載例)
March 1, 2026
書面の作成日も、解雇の手続きが適切に行われたかを知るための基準となります。
日本の法律では、解雇をする場合には原則として「30日以上前」に予告をするか、予告に代わる手当を支払う必要があるからです。
③宛名
(記載例)
Dear Mr. Yamada,
宛名を確認することで、自分宛ての書類であることを確認しましょう。
④解雇事由
(記載例)
We regret to inform you that your employment with ABC Corporation will be terminated. Despite repeated guidance, support, and opportunities for improvement provided to you, sufficient improvement in your job performance and work conduct has not been demonstrated. After careful consideration, the Company has concluded that it is difficult to continue the employment relationship.
会社があなたをなぜ解雇したのかという理由が書かれていることが多いので確認しましょう。
見通しやどのような主張・証拠を準備すればいいのかが分かります。
⑤根拠となる就業規則
(記載例)
This termination is made in accordance with Article ○ of the Company’s Work Rules, which sets forth the grounds for termination of employment.
就業規則の根拠を確認しましょう。
普通解雇なのか、懲戒解雇なのか等によって、手続きは変わってきます。
また就業規則上の該当条項を見ることで、どのような場合に解雇できるかを確認することができます。
⑥解雇日
(記載例)
Your employment will be terminated effective March 31, 2026.
解雇日は、会社側が退職処理する日であり、解雇の紛争でも基準となっていく日となります。
会社は、解雇日よりも後の出来事については、解雇事由とすることはできません。
⑦事務連絡
(記載例)
Information regarding your final working day, outstanding salary, unused paid leave, and any other applicable payments or procedures will be provided separately by the Human Resources Department.
会社側からの事務連絡記載されていることが多く、今後の流れが分かります。
最終出勤日や解雇予告手当の振り込みが記載されていたり、貸与品の返還が記載されていたりすることがあります。
⑧挨拶
(記載例)
We sincerely thank you for your contributions to the Company and wish you the best in your future endeavors.
書面の最後には、これまでの貢献に対する感謝や今後の事務手続きに関する案内が記載されるのが一般的です。
こうした挨拶文は形式的なものですが、ここには人事部への問い合わせ先などが含まれていることが多く、今後の連絡窓口を把握する助けになります。
⑨サイン
(記載例)
ABC Corporation
Representative Director
Name: _____________
Signature: _____________
最後は、会社の代表者や担当者によるサインが行われる欄です。
termination letterを交付された場合の対処法
termination letterを突然渡されると、頭が真っ白になってしまうかもしれません。
しかし、会社から書類を提示された直後の行動が、その後の解決金の額や解雇の撤回に大きな影響を与えます。
正しい手順を知っておくことで、会社側のペースに巻き込まれずに自分の身を守ったり、有利な条件を引き出したりすることが可能になります。
具体的には、termination letterを交付された場合の対処手順としては、以下のとおりです。
手順1:安易に退職合意書にサインしない
手順2:弁護士に相談する
手順3:交渉する
手順4:労働審判・訴訟を提起する
それでは、万が一の事態に備えた適切な対処法について順番に見ていきましょう。
手順1:安易に退職合意書にサインしない
termination letterと一緒に「退職合意書(separation agreement)」を渡されても、その場でサインをしてはいけません。
一度サインをしてしまうと、「自分の意思で納得して辞めることに同意した」とされてしまい、後から解雇の不当性を訴えることが難しくなるからです。
会社側は「今サインすれば退職金を上乗せする」などと言って決断を急がせることがありますが、まずは持ち帰って検討する姿勢が大切です。
例えば、面談の場でサインを求められたとしても、「内容を弁護士に確認してから回答します」と伝えて、一度その場を離れて冷静になりましょう。
separation agreementについては、以下の記事で詳しく解説しています。
手順2:弁護士に相談する
書類を受け取ったら、できるだけ早い段階で解雇問題に詳しい弁護士へ相談に行きましょう。
外資系企業の解雇事案は日本の労働法に照らすと無効になるケースも多く、専門家に判断を仰ぐことで適切な方針を立てやすくなります。
ただし、弁護士であれば誰でもいいというわけでありませんので、外資系企業の不当解雇やパッケージ交渉の実績が豊富な弁護士を探しましょう。
手順3:交渉する
弁護士を代理人に立てたうえで、会社側と交渉を行いましょう。
裁判という大きな手続きに進む前に、話し合いによって解決することができれば、早期に少ない負担で良い解決を図れることもあるためです。
復職を目指して交渉していくこともありますし、退職条件の交渉を行うこともあります。
退職条件の交渉については、以下の記事で詳しく解説しています。
手順4:労働審判・訴訟を提起する
話し合いにより解決することが難しい場合には、労働審判や訴訟など裁判所を用いた解決を検討することになります。
労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きであり、調停が成立しない場合には労働審判委員会が審判を下します。迅速、かつ、適正に解決することが期待できます。
労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判については、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。
解雇の裁判については、以下の記事で詳しく解説しています。
termination letterを交付された場合の注意点
Termination letter(解雇通知書)を渡された直後は、誰しもが動揺し、つい不適切な行動をとってしまいがちです。
しかし、この時期に不用意な振る舞いをしてしまうと、会社側に反論の材料を与えてしまいます。
例えば、termination letterを交付された場合の注意点としては、以下のとおりです。
注意点1:退職を認める発言をしない
注意点2:退職手続書類は記入しない
注意点3:退職を前提とする行動は安易にしない
注意点4:自分で反論する前に弁護士に相談する
それでは、取り返しのつかないミスを防ぐための注意点について順番に見ていきましょう。
注意点1:退職を認める発言をしない
会社側に対して「辞めることを認めます」といった趣旨の発言はしないようにしましょう。
口頭での発言であっても、それが記録されていたり周囲に聞かれていたりすると、「合意退職」の証拠として扱われてしまう危険があるからです。
不本意な解雇に対しては、一貫して納得していない姿勢を保つことが、法的な争いで有利に働くポイントとなります。
例えば、上司から「明日から来なくていいよね」と言われても、「はい」と答えたり、頷いたりしてはいけません。
「納得できません」とはっきりと伝えたり、沈黙を保ったりすることが自分を守る術となります。
注意点2:退職手続書類は記入しない
会社から渡される退職時連絡票や、備品の返却リスト、秘密保持に関する合意書などの書類にすぐ記入してはいけません。
これらの書類に記入したり、提出したりすることは、退職に同意していたと主張されることがあるためです。
とくに「退職します」といった文言がある書類に署名してしまうと、解雇ではなく自ら辞めたことにされてしまいがちです。
注意点3:退職を前提とする行動は安易にしない
何も言わずに貸与品を返還したり、同僚や取引先に「辞めることになりました」と挨拶の連絡をしたりする行動も控えてください。
こうした行動は、あなたが解雇を自発的に受け入れたという既成事実として積み重なってしまうからです。
解雇が無効であることを主張して職場復帰や有利な解決金を狙うのであれば、「自分はまだ働き続ける意思がある」という態度を示す必要があります。
注意点4:自分で反論する前に弁護士に相談する
会社に対して自分の力だけで反論のメールを送ったり、激しい抗議をしたりするのは避け、まずは弁護士に相談してください。
法律の知識がないまま感情的に反論してしまうと、言葉尻を捉えられて、会社側に有利な口実を与えてしまうことがあるからです。
どのような言葉で、どのタイミングで反論するのがベストかは、プロのアドバイスを受けてから決めるべきです。
相談いただいた段階で、すでに自分自身で不利な証拠を残してしまっている事例が後を絶ちません。
例えば、自分で作成したメールを送信したり、会社が用意した録音機の前で喋りすぎたりする前に、まずは専門家と一緒に戦略を練ることから始めてください。
termination letterについてよくある疑問
termination letterについて、よくある疑問としては以下の3つがあります。
Q1:解雇通知書とは違うの?
Q2:英語でも解雇の効力は生じるの?
Q3:termination noticeというタイトルの場合は?
これらの疑問を順番に解消していきましょう。
Q1:解雇通知書とは違うの?
A.termination letterは、日本の労働法でいうところの「解雇通知書」と同じものであると考えて差し支えありません。
外資系企業では英語が公用語として使われることが多いため、日本で一般的に使われる「解雇通知書」という言葉を英語で表現しているに過ぎないからです。
名称が異なっていたり、受け取りの方法が違っていたりしても、会社側が一方的に雇用契約を終了させるという法的な効果に違いはありません。
Q2:英語でも解雇の効力は生じるの?
A.書類がすべて英語で書かれていたとしても、解雇の効力自体は発生し得ます。
日本の労働法では、解雇の通知は必ずしも日本語で行わなければならないという決まりはないためです。
内容が相手に伝わる状態であれば、外国語であっても解雇の通知として認められます。
Q3:termination noticeというタイトルの場合は?
A.termination noticeというタイトルであっても、その性質はtermination letterと全く同じです。
「letter(手紙)」や「notice(通知)」といった言葉の使い分けは会社ごとの慣習によるものにすぎません。
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まとめ
以上のとおり、今回は、termination letterとは何かを説明したうえで、サンプルと簡単な対処法や注意点4つを解説しました。
この記事が外資系企業からtermination letterを渡されて悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。




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