管理職にならなきゃ良かったと感じて悩んでいませんか?
管理職になったことで責任や負担が増える一方で、十分な対価をもらうことができていないことに不満を感じている方も多いでしょう。
管理職にならなきゃ良かったと感じる理由としては、残業代や業務量、責任、上司や部下との関係、仕事の内容などのほか、相談できる人がいないという点も挙げられます。
例えば、月100時間の残業が常態化しているのに年収が下がってしまったりしたら、誰でも不満でしょう。
部下が帰っているのに自分だけ仕事をさせられたり、問題社員が部下になったりすると、働くことがストレスに感じてしまう人もいるはずです。
管理職にならなきゃ良かったと感じた場合には、状況を改善するためあなた自身が適切に対処していくようにしましょう。
実は、中小企業などでは、管理職と言う言葉を会社に都合の良いように使って、労働者に負担を押し付けていることが少なくありません。
この記事をとおして、管理職にならなきゃ良かったと感じている方々に状況を改善するために知っておいていただきたいことを整理してお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、管理職にならなきゃ良かった理由6つを説明したうえで、具体的ケースと簡単な対処法を解説していきます。
具体提起には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、管理職にならなきゃ良かったと感じた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。



目次
管理職にならなきゃ良かった理由6つ
管理職になったことで「こんなはずじゃなかった」と感じている方は少なくありません。
このような不満を抱えたまま働き続けていると、心や体に大きな負担がかかってしまいます。
早めに問題点を整理して、自分にとって本当に納得できる働き方を考えていくことが大切です。
例えば、管理職にならなきゃ良かったと感じる理由としては以下の6つがあります。
理由1:残業代が出ない
理由2:業務量が増える
理由3:責任が重い
理由4:上司と部下との板挟み
理由5:仕事の質が変わる
理由6:相談できる人がいない

それでは、管理職にならなきゃ良かったと感じる6つの理由について順番に見ていきましょう。
理由1:残業代が出ない
管理職になったことで残業代が出なくなり、「ならなきゃ良かった」と感じる人は多くいます。
長時間働いても給料が増えず、不公平に思うのは当然です。
本来、残業代が出ないのは「管理監督者」と呼ばれる一部の人に限られます。
しかし、実際には名前だけの管理職にされて、残業代が支払われないケースもあります。
例えば、勤務時間を自分で決められず、経営に関する決定権もないのに「管理職」とされ、月80時間以上働いても残業代がゼロとされている方もいます。
このような場合には、法律上は残業代をもらえる可能性があるため、自分が本当に「管理監督者」にあたるのか確認してみることが大切です。
管理監督者とは何かについては、以下の記事で詳しく解説しています。

理由2:業務量が増える
管理職になってから業務量が一気に増え、「こんなはずじゃなかった」と感じる人は少なくありません。
プレイヤーとしての仕事に加えて、管理や調整などの負担が増えるからです。
管理職になると、自分の業務だけでなく、部下のフォローや会議の準備、評価の書類作成など、目に見えにくい仕事が増えていきます。
しかし、こうした仕事には時間がかかっても、目立たない上に評価もされにくいため、不満につながりやすくなります。
例えば、部下の分の資料を作成したり、トラブル対応に追われたりして、自分の仕事に手が回らないというケースもあります。
結果として、毎日夜遅くまで働くことになり、心も体も疲れてしまうのです。
理由3:責任が重い
管理職になったことで責任が一気に重くなり、「ならなきゃ良かった」と感じる人もいます。
日々の判断が会社全体の方針や成果に影響することもあり、大きなプレッシャーを感じるからです。
部下の行動にも責任を持たなければならず、自分に落ち度がなくても謝罪を求められたり、社内で責任を問われたりすることがあります。
にもかかわらず、報酬や評価が見合っていないと、不満が強くなりやすいです。
例えば、部下がミスをして取引先との関係が悪くなった場合、その対応をすべて管理職が任されることもあります。
責任の重さがのしかかり、「管理職には向いていなかったかもしれない」と感じる方も少なくありません。
理由4:上司と部下との板挟み
管理職になったことで、上司と部下の間に挟まれる立場になり、「ならなきゃ良かった」と感じる人は少なくありません。
どちらの意見にも気を配る必要があり、常に気を遣いながら調整役を求められるからです。
上からは厳しい目標や方針を押しつけられ、下からは不満や不安の声が上がってくると、精神的な負担が大きくなります。
うまく調整できなければ、どちらからも信頼を失うのではないかと悩むこともあります。
例えば、上司から「残業してでも結果を出せ」と言われている一方で、部下からは「家庭の事情で早く帰りたい」と相談されるような場面です。
どちらにも理解を示したいのに、どうしても板挟みになってしまうことがあります。
こうした葛藤が続くと、管理職としてのやりがいよりもストレスの方が大きくなり、「いっそ管理職じゃない方が楽だった」と感じてしまうのです。
理由5:仕事の質が変わる
管理職になったことで、仕事の内容が大きく変わり、「ならなきゃ良かった」と感じる人もいます。
それまでのように現場で手を動かす仕事から、人の管理や会議などのマネジメント業務が中心になってしまうためです。
これまで得意だった実務の仕事から離れることで、やりがいを感じられなくなったり、自分の強みを発揮できなくなったりしたと感じることもあります。
評価や成果が見えにくくなり、働く意欲が下がってしまう人もいます。
例えば、現場で技術を磨くのが好きだったのに、今は一日中パソコンで資料を作ったり、報告をまとめたりするばかりになってしまったというケースです。
自分の仕事が「やりたいこと」とずれていると気づいたとき、「こんな役職、引き受けるべきじゃなかった」と感じてしまうのも無理はありません。
理由6:相談できる人がいない
管理職になったことで、気軽に相談できる人がいなくなり、「ならなきゃ良かった」と感じることがあります。
立場が上がると、仕事の悩みや不安を周りに話しにくくなってしまうからです。
部下には弱みを見せられず、上司には言いづらいこともあり、ひとりで抱え込んでしまうことが増えてしまいます。
その結果、ストレスを発散できず、心身の調子を崩してしまうこともあります。
例えば、部下の指導方法や人間関係で悩んでいても、「こんなこと聞いたら頼りなく見えるかも」と思って、誰にも相談できずにいるケースがあります。
誰にも話せずに悩み続けていると、「以前の方がずっと楽だった」と感じてしまうのも当然です。
管理職にならなきゃ良かったと感じる具体的ケース4つ
管理職として働く中で「もうやめたい」「ならなきゃ良かった」と強く感じる場面は、具体的な出来事をきっかけに訪れることが多いです。
ただなんとなくつらいのではなく、明確な原因や体験によって、気持ちが限界に達してしまうのです。
こうした気持ちを放置してしまうと、働くことが苦痛になり、心や体に不調が出ることもあります。
まずは、自分と同じようなケースがないかを知ることで、冷静に状況を見つめ直すきっかけになります。
例えば、「管理職にならなきゃ良かった」と感じる具体的なケースとしては以下の4つがあります。
ケース1:残業が月100時間を超えた
ケース2:年収が下がった
ケース3:部下が帰った後も仕事をさせられた
ケース4:問題社員が部下になった

それでは、それぞれのケースについて順番に見ていきましょう。
ケース1:残業が月100時間を超えた
管理職になってから、残業が月100時間を超えるようになり、「もう限界だ」と感じる人は多いです。
長時間の労働が続けば、心身ともに疲れ果ててしまうのは当然です。
管理職だからという理由で毎日のように残業を求められても、時間外手当が出ないことも多く、報われないと感じる原因になります。
生活のリズムも崩れ、家族との時間やプライベートの時間が取れず、気力がどんどん失われていきます。
例えば、毎日終電で帰宅し、土日もトラブル対応に追われるような働き方をしていると、「管理職じゃなければ、ここまで働かされなかったのに」と感じてしまいます。
残業時間が長くなればなるほど、管理職になったこと自体を後悔してしまうケースが多くなります。
管理職の残業100時間については、以下の記事で詳しく解説しています。

ケース2:年収が下がった
管理職になったのに、年収が下がってしまい「こんなはずじゃなかった」と感じることがあります。
役職が上がれば給料も増えると思っていたのに、実際はそうならなかったというケースです。
基本給は上がっても、残業代や各種手当がなくなったことで、年収ベースではマイナスになることもあります。
責任や仕事量は増えているのに、手取りが減ると不満や後悔につながってしまいます。
例えば、月10万円ほどあった残業代がゼロになった結果、年収が100万円以上下がったというようなケースです。
そのうえで休日出勤や夜間対応まで増えてしまえば、「どうして引き受けてしまったんだろう」と思ってしまいます。
収入が減ることで生活にも影響が出てくると、管理職という立場に対する期待が一気に裏切られたように感じてしまうのです。
管理監督者の給与逆転現象については、以下の記事で詳しく解説しています。

ケース3:部下が帰った後も仕事をさせられた
部下が定時で帰ったあとも、自分だけが残って仕事を続けなければならない状況に、「管理職にならなきゃ良かった」と感じる人は多くいます。
立場上、最後まで責任をもって業務を終わらせなければならず、不公平感を覚えるからです。
「部下には早く帰れと言われるけど、自分は終電まで仕事」「フォローばかりで自分の作業が後回し」、そんな状況が続くと、疲れがたまるばかりです。
部下の分まで抱え込むような働き方では、やりがいよりも負担の方が大きくなってしまいます。
例えば、チームのメンバーが帰ったあとに会議資料をすべて作り直したり、トラブルの後処理をひとりで引き受けたりするようなケースです。
働いても働いても報われない感覚に陥り、「自分だけ損をしている」と感じるようになると、管理職であること自体に疑問を持ってしまいます。
ケース4:問題社員が部下になった
管理職になってから、扱いの難しい問題社員が部下になり、「もう管理職なんてやりたくない」と感じることがあります。
指示が通らなかったり、態度が悪かったりすると、毎日の業務がストレスになってしまうからです。
とくに注意や指導をしても改善されず、かといって簡単に配置転換や解雇もできない場合、対応を任されている管理職の負担は大きくなります。
さらに、周囲の士気にも影響を与えるため、チーム全体の雰囲気が悪くなることもあります。
例えば、遅刻や欠勤が多いのに反省の色もなく、周囲ともトラブルを起こしてしまうような社員を、何年も抱えて対応し続けているようなケースです。
自分の努力ではどうにもできない状況が続くと、「自分だけが損をしている」と感じるようになり、管理職になったこと自体を後悔してしまうのです。


管理職にならなきゃ良かったと感じた場合の対処法
管理職にならなきゃ良かった感じたときは、そのまま我慢を続けるのではなく、状況を変えるための行動をとることが大切です。
つらい状態を放置すればするほど、心身に負担がかかり、仕事を続けること自体が難しくなってしまうからです。
管理職としての立場を見直すことは、決して逃げではありません。
今の自分に合った働き方やポジションを見つけるためにも、できることから少しずつ始めていくことが重要です。
例えば、管理職に対する対処法としては以下の4つがあります。
対処法1:ポジションの相談をする
対処法2:残業代を請求する
対処法3:定時で帰り休日は休む
対処法4:退職する

それでは、それぞれの対処法について順番に見ていきましょう。
対処法1:ポジションの相談をする
今の管理職という立場に限界を感じたときは、ポジションの見直しについて相談してみることが大切です。
役職や業務内容を一度見直すことで、負担を減らせる可能性があるからです。
管理職だからといって、ずっとその立場にとどまらなければいけないわけではありません。
会社によっては、実務中心の職務に戻したり、別の部署へ異動したりすることで、より自分に合った働き方ができることもあります。
例えば、「プレイヤーとして手を動かす仕事がしたい」「責任の重さに疲れた」といった気持ちがある場合、人事や上司に率直に相談することで道が開けることもあります。
自分の限界をきちんと伝えることは、決して甘えではありません。働き方を見直す第一歩として、相談する勇気を持ちましょう。
対処法2:残業代を請求する
管理職という理由だけで残業代が支払われていない場合は、残業代を請求できる可能性があります。
法律上の「管理監督者」にあたらなければ、会社には残業代を払う義務があるからです。
「役職がついた=残業代が出ない」と思っている方も多いですが、実際の働き方や権限などによって判断されます。
名ばかり管理職であれば、残業代をもらえる可能性が十分にあるのです。
例えば、出退勤の時間を自分で決められず、経営方針や労務管理に関わる権限もないまま「課長」として働いている方は、残業代を請求できる可能性が高いでしょう。
長時間労働に苦しんでいるのに、残業代すら出ない状態が続いているなら、一度弁護士に相談してみることも検討しましょう。
管理職が残業代を取り戻す方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

対処法3:定時で帰り休日は休む
管理職だからといって、毎日遅くまで働いたり休日も仕事をしたりする必要はありません。
働きすぎれば心や体に負担がたまり、かえってパフォーマンスが下がってしまうからです。
責任感から無理をしてしまう人もいますが、まずは「定時に帰る」「休みの日はしっかり休む」ことを意識してみましょう。
仕事を抱えすぎず、自分の時間を大切にすることも、管理職として長く働くためには必要です。
例えば、毎日19時には仕事を終えるようスケジュールを見直したり、休日のメール対応はしないと決めたりするだけでも、気持ちがかなり楽になることがあります。
周囲の目を気にするよりも、自分の健康と生活を優先する姿勢が、結果的には仕事の質も高めてくれるのです。
対処法4:退職する
どうしても今の状況がつらいと感じるなら、退職という選択肢を考えることも必要です。
無理をして働き続けるよりも、自分の心と体を守ることの方が大切だからです。
「逃げた」と思われるのが不安という方もいるかもしれませんが、限界を感じたときに環境を変えるのは前向きな判断です。
次の職場で自分らしく働ける可能性が広がることもあります。
例えば、「管理職になってから家族との時間がまったく取れなくなった」「体調を崩してしまった」といった事情がある場合は、退職を前向きに検討するタイミングかもしれません。
退職を選ぶことは、現状をあきらめることではなく、より良い働き方を目指すための一歩です。
なお、退職した後も3年の時効にかかっていない範囲で残業代を請求することができます。
管理職の退職の仕方については、以下の記事で詳しく解説しています。

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とくに管理職の場合には、管理監督者性についての見通しを分析したうえで、有利な証拠や反論を準備することが成功の鍵となります。
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まとめ
以上のとおり、今回は、管理職にならなきゃ良かった理由6つを説明したうえで、具体的ケースと簡単な対処法を解説しました。
この記事の内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
・管理職にならなきゃ良かったと感じる理由としては以下の6つがあります。
理由1:残業代が出ない
理由2:業務量が増える
理由3:責任が重い
理由4:上司と部下との板挟み
理由5:仕事の質が変わる
理由6:相談できる人がいない
・「管理職にならなきゃ良かった」と感じる具体的なケースとしては以下の4つがあります。
ケース1:残業が月100時間を超えた
ケース2:年収が下がった
ケース3:部下が帰った後も仕事をさせられた
ケース4:問題社員が部下になった
・管理職に対する対処法としては以下の4つがあります。
対処法1:ポジションの相談をする
対処法2:残業代を請求する
対処法3:定時で帰り休日は休む
対処法4:退職する
この記事が管理職にならなきゃ良かったと後悔している方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

