未払残業代・給料請求

管理職手当とは?役職ごとの相場と残業代を取り戻す簡単な対処手順

管理職手当とは?役職ごとの相場と残業代を取り戻す簡単な対処手順

会社から管理職手当が支給されるようになったものの、残業代が支給されなくなり、年収が下がってしまったとの悩みを抱えていませんか?

せっかく管理職になったのに、もらえるお給料の金額が少なくなってしまったら納得できませんよね。

管理職手当とは、一般に、管理職としての職責への対価として支給される手当のことをいいます。

管理職手当の相場金額は役職により異なり、係長3万円・課長6万円・部長9万円程度となっています

そして、管理職への残業代の支給については、「管理職手当を支給しており時間外手当もこれに含めている」が31.4%となっています。そのため、会社によっては残業代と管理職手当に一定の関連性を見出していることがうかがえます

しかし、実は、管理職手当を支給しているからといって、会社は当然に残業代の支給を免れることにはなりません

なぜなら、管理職手当が固定残業代に該当するためには一定の条件を満たすことが必要ですし、管理職手当が想定する残業時間を超える部分には残業代の支給が必要だからです。

また、労働基準法上の管理監督者に該当すると言えるためには、管理職手当を含む給料の金額が適正なものである必要がありますし、その他にも経営者との一体性や労働時間の裁量といった厳格な条件を満たす必要があります。

現在、長時間の残業を強いているのに、少ない管理職手当しか支払わないという会社が多く存在しています

もしも、あなたがこのような状況に苦しんでいるのであれば、これまで支給してもらえなかった残業代を遡って取り戻すことができる可能性があります。是非、この記事で一緒に確認していきましょう

今回は、管理職手当の意味を説明したうえで、役職ごとの相場と残業代を取り戻す簡単な対処手順について解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば管理職手当についての悩みが解決するはずです。

管理職の残業代については、以下の動画でも分かりやすく解説しています。

 

 

 

 

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管理職手当とは|役職手当との違いはある?

管理職手当のイメージ管理職手当とは、一般に、管理職としての職責への対価として支給される手当のことをいいます。役職手当、役付手当と呼ばれることもあります。

「管理職手当」と「役職手当」は、呼び方の差異にすぎず、違いはありません

管理職になると、遂行責任・説明責任・賠償責任などの責任が生じ、役職が増すにつれてこれらの職責は重くなっていきます。

そのため、例えば、主任や係長になった際に一定の管理職手当が支払われるようになり、課長、部長と昇進していくにつれて手当の金額が大きくなっていくのが一般的です。

また、会社によっては、管理職になった場合には、残業代を支給しないこととして、管理職手当に残業代の対価的な意味合いを見出しているケースもあります

管理職手当なしも違法ではない|支給の法的根拠

管理職手当を支給しないという制度とすることも、違法ではありません

なぜなら、管理職手当の支給は、法律に規定された会社の義務ではないためです。

多くの会社が管理職手当を支給している根拠は、各会社の就業規則又は賃金規程にあります。

例えば、就業規則又は賃金規程に以下のような規定がおかれています。

就業規則例

第●条(管理職手当)
1 管理職手当は、以下の職位にある者に対し支給する。
部長  月額9万円
課長  月額6万円
係長  月額3万円
2 昇格によるときは、発令日の属する賃金月から支給する。この場合、当該賃金月においてそれまで属していた管理職手当は支給しない。
3 降格によるときは、発令日の属する賃金月の次の賃金月から支給する。

このように会社の就業規則又は賃金規程に管理職手当を支給することが記載されている場合には、会社は管理職手当の支給義務を負うことになります。

 

 

 

 

管理職手当の相場(平均)は係長3万円・課長6万円・部長9万円程度

管理職手当の相場(平均)は、係長3万円・課長6万円・部長9万円程度となっております。

「行政機関である東京都産業労働局による調査」と「民間企業であるリクナビNEXTの調査(対象職種:エンジニア)」があるのでそれぞれ紹介していきます。

行政機関である東京都産業労働局による調査

東京都産業労働局が調査した中小企業の賃金実情(令和元年版)では、役付手当の支給状況は以下のとおりとされています。

役付手当の支給状況
役付手当の支給金額(同一役職につき同一賃金を支給)(出典:東京都産業労働局 中小企業の賃金実情(令和元年版))

集計した1213企業中、役付手当を支給している企業は870企業(71.7%)となっています。

そして、「同一役職につき同一金額を支給」している企業ですと、「係長への支給が2万7576円」、「課長への支給が5万7919円」、「部長への支給が9万5469円」となっています。

最も役付手当の支給金額が大きい産業は「不動産業・物品賃貸業」となり、係長の平均役付手当が3万2171円、課長の平均役付手当が9万5152円、部長の平均役付手当が17万8684円となっています。

民間企業であるリクナビNEXTの調査(対象職種:エンジニア)

リクナビNEXTがエンジニア300人(うち管理職200人)に対して、「月々の管理職手当はいくら?」との質問をぶつけた際の結果は以下のとおりとなっています。
月々の管理職手当はいくら(出典:管理職VS専門職「30代の分かれ道」を給与で比較)

管理職手当は、主任・係長クラスの総計は3.0万円、課長クラスの総計は6.6万円、部長クラスの総計は9.4万円となっています。

この調査で興味深いのは年齢ごとの管理職手当の金額についても整理しているところです。

主任・係長クラス、課長クラスでは、30代後半の管理職手当よりも40代前半の管理職手当の方が金額は少なくなっています。

これに対して、部長クラスでは、30代後半の管理職手当よりも、40前半の管理職手当の方が金額は2倍以上大きくなっています。

~国家公務員の管理職手当(俸給の特別調整額)~

国家公務員の給与の分類は以下のとおりであり、管理職手当は俸給の特別調整額という名称で呼ばれています。

国家公務員の給与の分類(出典:国家公務員の給与(令和3年版))

そして、国家公務員の俸給表には、基本給に該当する金額が以下のまとめられています。
国家公務員俸給表1/2国家公務員俸給表2/2(出典:国家公務員の給与(令和3年版))

管理職手当(俸給の特別調整額)については、職種により異なりますが、行政職の場合には、以下のとおりとなっています。
別表第2 行政職俸給表 俸給の特別調整額(出典:人事院規則九―一七(俸給の特別調整額)(昭和三十九年人事院規則九―一七))

つまり、4級(係長)については4万6300円~5万5000円5級・6級(県単位の課長又は本省庁の課長補佐)については4万9600円~7万2000円7級・8級(県単位の機関の長又は本省庁の室長)については6万6400円~11万7100円9級・10級(本省庁の課長)については10万4200円~13万9300円となります。

管理職手当と残業代の関係

管理職への残業代の支給については、「管理職手当を支給しており時間外手当もこれに含めている」が31.4%となっています。

管理職の時間外手当支給について(出典:東京都産業労働局 労働時間管理に関する実態調査[平成29年3月])

つまり、会社によっては残業代と管理職手当に一定の関連性を見出していることがうかがえます。

しかし、管理職手当を支給しているからといって、会社は当然に残業代の支給を免れることにはなりません

むしろ、多くのケースでは、管理職手当を支給している場合であっても、別途残業代を支給する必要があります。

会社が管理職手当の支給を理由に残業代を支払わない根拠としては、以下の2つの言い分が述べられることがあります。

言い分1:固定残業代(みなし残業代)とされている
言い分2:管理監督者とされている

これらの言い分が認められなければ、時効が成立していない範囲で、これまでの未払い残業代を遡って請求することができます

それでは、これらの言い分が本当に認められるのかどうか説明していきます。

言い分1:固定残業代(みなし残業代)とされている⇒条件を欠くと基礎賃金

管理職手当が固定残業代(みなし残業代)に該当するので、残業代を支給しないとの言い分がされることがあります。

固定残業代(みなし残業代)とは、実際に残業をしたかどうかにかかわらず、一定の金額を残業の対価として交付するものです。

管理職手当が固定残業代として認められるためには、いくつかの条件が必要ですが、とくに重要なのは以下の2つです。

条件1:個別の合意又は就業規則等の規定
条件2:役職手当に含まれる残業代の金額が明確であること

まず、条件の1つ目ですが、管理職手当が固定残業代に該当するというためには、その根拠が必要となります。会社側が勝手に残業代として支給しているつもりになっているだけでは足りません。例えば、雇用契約書や就業規則に「管理職手当については、●時間分の時間外手当として支給する。」等の記載をしておくことが必要です。

次に、条件の2つ目は、役職手当の中にいくらの残業代含まれているのかがわかる必要があります。管理職手当は、管理職としての職責への対価として支給されるものであり、時間外の労働への対価としての意味合い以外の性質も含まれています。そのため、管理職手当に残業代が含まれているとするのであれば、どの部分が残業代かを把握できるようにしなければいけないのです。仮に、時間外の労働への意味合いが含まれているとしても、その金額を明確に決めておかなければ、残業代として扱うことはできません。

そのため、これらの条件を満たしていない場合には、管理職手当は固定残業代としては扱われず、逆に基本給などと同じように残業代の計算の基礎に含まれることになります。

また、仮に上記2つの条件を満たしている場合であっても、労働者が管理職手当に含まれる残業代の金額を超えて働いた場合には、会社はその分の時間外手当を支給する義務があります

固定残業代の条件については以下の記事で詳しく解説しています。

みなし残業(固定残業代)が違法となる
みなし残業(固定残業代)が違法となる5つのケースと重要判例3選みなし残業には厳格なルールがありますので、条件が守られていない場合には違法となることがあります。今回は、みなし残業(固定残業代)が違法となる5つのケースと重要判例3選について解説します。...

言い分2:管理監督者とされている⇒多くの人は名ばかり管理職

あなたが管理監督者に該当するので、残業代を支給しないとの言い分がされることがあります。

管理監督者とは、労働条件その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいいます。

管理監督者のイメージ

管理監督者に該当すると、労働基準法の一部が適用されないこととなり、時間外手当と休日手当が支給されなくなります。

労働基準法41条(労働時間等に関する規定の適用除外)
「この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。」
二 「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者…」

そこで、会社は、管理職手当を支給している者は、労働基準法上の管理監督者であるとして、残業代の支給をしないとの対応をすることがあるのです。

しかし、実は、労働基準法上の管理監督者に該当するためには、いくつかの条件があります。

管理職手当を支給しているからといって、当然に労働基準法上の管理監督者に該当するとされるわけではありません

あなたは名ばかり管理職?具体的には、労働基準法上の管理監督者に該当するためには、以下の3つの条件を満たすことが必要とされています。

条件1:経営者との一体性
条件2:労働時間の裁量
条件3:対価の正当性

管理監督者の3つの条件まず、管理職手当が支給されている場合でも、経営に関与できていないケース、退勤時間や休日を自由に決められないケースには、名ばかり管理職となります。

また、管理職手当を支給している場合でも、管理職になる前よりも年収が下がってしまっているケース、労働時間から見て管理職手当が少ないケースなどでは、対価として正当とはいえず、やはり名ばかり管理職とされる傾向にあります。

実際、管理職手当の支給を受けている方の多くが、名ばかり管理職にすぎないのが現状です

管理監督者の条件については、以下の記事で詳しく解説しています。

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~名ばかり管理職と認められた場合の管理職手当の扱い~

名ばかり管理職と認められた場合には、これまでの未払い残業代を遡って請求することができますが、その際に管理職手当をどのように扱うか議論になることがあります。

名ばかり管理職とされた場合であっても、係長や課長、部長という役職についていたこと自体が否定されるわけではないので、管理職手当を返還する必要はありません。

しかし、会社からは、管理職手当は残業代の代わりとして支給していたので、名ばかり管理職の場合には残業代の既払いとして扱ってほしいとの反論が出されることがあります。

裁判例は、役職手当が①就業規則上、基準内賃金の一部として規定されており、②役職ごとにその支給される金額が異なる事案において、残業代には当たらないとしています(大阪地判令元.12.20労判ジャーナル96号64頁[はなまる事件])。

ただし、特励手当が、①課長代理以上の職位にあるものに支給されており、②労働者自身も特励手当は超過勤務手当に代替してこれを補填する趣旨であると認識していた事案において、残業代の支払いがあったのと同様に扱っています(東京地判平21.12.25労判998号5頁[東和システム事件])。

 

 

 

 

管理職手当に不満な場合に残業代を取り戻す手順

管理職手当に不満がある方は、先ほど見たように未払い残業代の請求をすることができる可能性があります。

しかし、会社側は「固定残業代」や「管理監督者」などの言い分を主張している以上、あなたが行動をおこさなければ、これを獲得することはできません。

具体的には、管理職の方が残業代を請求する手順は、以下のとおりです。

手順1:名ばかり管理職の証拠を集める
手順2:残業代の支払いの催告をする
手順3:残業代の計算
手順4:交渉
手順5:労働審判・訴訟

管理職が残業代を請求する手順

それでは、順番に説明していきます。

残業代請求の方法・手順については、以下の動画でも詳しく解説しています。

手順1:名ばかり管理職の証拠を集める

管理職手当に不満がある方が残業代を請求するには、まず名ばかり管理職の証拠を集めましょう。

名ばかり管理職としての証拠としては、例えば以下のものがあります。

①始業時間や終業時間、休日を指示されている書面、メール、LINE、チャット
→始業時間や終業時間、休日を指示されていれば、労働時間の裁量があったとはいえないため重要な証拠となります。
②営業ノルマなどを課せられている書面、メール、LINE、チャット
→営業ノルマなどを課されている場合には、実際の職務内容が経営者とは異なることになるため重要な証拠となります。
③経営会議に出席している場合にはその発言内容や会議内容の議事録又は議事録がない場合はメモ
→経営会議でどの程度発言力があるかは、経営に関与しているかどうかを示す重要な証拠となります。
④新人の採用や従業員の人事がどのように決まっているかが分かる書面、メール、LINE、チャット
→採用や人事に関与しておらず、社長が独断で決めているような場合には、経営者との一体性がないことを示す重要な証拠となります。
⑤店舗の経営方針、業務内容等を指示されている書面、メール、LINE、チャット
→経営方針や業務内容の決定に関与しておらず、社長が独断で決めているような場合には、経営者との一体性を示す重要な証拠となります。

また、管理職手当が固定残業代に該当するとの反論に備えるために、雇用契約書や就業規則、賃金規程をよく確認しておきます。

手順2:残業代の支払いの催告をする

残業代を請求するには、内容証明郵便により、会社に通知書を送付することになります。

理由は以下の2つです。

・残業代の時効を一時的に止めるため
・労働条件や労働時間に関する資料の開示を請求するため

具体的には、以下のような通知書を送付することが多いです。
御通知(残業代請求:時効3年)※御通知のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、御通知のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

手順3:残業代の計算

会社から資料が開示されたら、それをもとに残業代を計算することになります。

残業代の計算方法については、以下の記事で詳しく説明しています。

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手順4:交渉

残業代の金額を計算したら、その金額を支払うように会社との間で交渉することになります。

交渉を行う方法については、文書でやり取りする方法、電話でやり取りする方法、直接会って話をする方法など様々です。相手方の対応等を踏まえて、どの方法が適切かを判断することになります。

残業代の計算方法や金額を会社に伝えると、会社から回答があり、争点が明確になりますので、折り合いがつくかどうかを協議することになります。

手順5:労働審判・訴訟

交渉による解決が難しい場合には、労働審判や訴訟などの裁判所を用いた手続きを行うことになります。

労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きであり、調停が成立しない場合には労働審判委員会が審判を下します。迅速、かつ、適正に解決することが期待できます。

労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。

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訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。

残業代の裁判については、以下の記事で詳しく解説しています。

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管理職手当の減額の適法性

管理職手当の減額については、根拠なく減額を行うことは違法となります。

管理職手当の減額の根拠として、よく挙げられるのは以下の2つです。

根拠1:就業規則や賃金規程の給与テーブルの変更
根拠2:役職の降格

それではこれらの根拠に基づく減額がどのような場合に認められるのか説明していきます。

根拠1:就業規則や賃金規程の給与テーブルの変更

管理職手当を減額される根拠の1つ目は、賃金規程の給与テーブルの変更です、

就業規則や賃金規程の「管理職手当の規定」や「末尾などの別表」に役職ごとの管理職手当の金額が記載されていることがあります。

会社がこの就業規則や賃金規程自体を変更しようとすることがあります。

このように就業規則や賃金規程を労働者の不利益に変更するには、合理的な理由が必要とされています

例えば、以下のような場合には、管理職手当を減額するような変更は違法とされる可能性があります。

☑給料を減額する必要性に乏しい場合
☑減額される給料の金額大きすぎる場合
☑労働者の不利益を緩和する措置がとられていない場合
☑労働者への説明や協議が行われていない場合

根拠2:役職の降格

管理職手当を減額される根拠の2つ目は、役職の降格です。

役職を引き下げることについては、就業規則上の規定がなくても可能とされています

例えば、課長とされていた者の役職を係長に引き下げることも可能です。

ただし、役職の降格により給与を減額する場合であっても、就業規則等で降格後の役職についても管理職手当の金額が決められている場合には、規定通りの役職手当を支給する必要があります。

また、これにより減額される給与が大きすぎるような場合には、裁量権の濫用として違法となる可能性があります。

給与の減額については、以下の記事で詳しく解説しています。

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管理職の残業代請求については、経営者との一体性や労働時間の裁量、対価の正当性について適切に主張を行っていく必要があります。

また、残業代請求については、交渉力の格差が獲得金額に大きく影響してきます

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まとめ

今回は、管理職手当の意味を説明したうえで、役職ごとの相場と残業代を取り戻す簡単な対処手順について解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

・管理職手当とは、一般に、管理職としての職責への対価として支給される手当のことをいいます。役職手当、役付手当と呼ばれることもあります。

・管理職手当を支給しないという制度とすることも、違法ではありません。

・管理職手当の相場(平均)は、係長3万円・課長6万円・部長9万円程度となっております。

・会社が管理職手当の支給を理由に残業代を支払わない根拠としては、以下の2つの言い分が述べられることがあります。
言い分1:固定残業代(みなし残業代)とされている⇒条件を欠くと基礎賃金
言い分2:管理監督者とされている⇒多くの人は名ばかり管理職

・管理職の方が残業代を請求する手順は、以下のとおりです。
手順1:名ばかり管理職の証拠を集める
手順2:残業代の支払いの催告をする
手順3:残業代の計算
手順4:交渉
手順5:労働審判・訴訟

・管理職手当の減額の根拠として、よく挙げられるのは以下の2つです。
根拠1:就業規則や賃金規程の給与テーブルの変更
根拠2:役職の降格

この記事が管理職手当に不満を感じている方の助けになれば幸いです。

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