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非時間管理者とは?残業の扱いや3つの問題点を簡単に解説

非時間管理者とは?残業の扱いや3つの問題点を簡単に解説

非時間管理者がどのような意味か知りたいと悩んでいませんか

非時間管理者とは、労働時間を管理されない勤務区分の労働者をいいます

法律用語ではなく、正確には、管理監督者と表現されます。

会社が非時間管理者と区分していても、管理監督者の条件を満たしていない場合には、残業代を支払う必要があります。

実は、管理監督者に該当するための条件は非常に厳格であり、非時間管理者と区分されていても、実際には名ばかり管理職に過ぎない方がほとんどです

今回は、非時間管理者とは何かを説明したうえで、残業の扱いや3つの問題点を簡単に解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、非時間管理者が何かがよくわかるはずです。

 

非時間管理者とは

非時間管理者とは、勤務区分上、労働時間の管理をされない労働者を言います

法律用語ではありません。会社側が契約書や社内規則、勤怠システム上で、非時間管理者との勤務区分を用いることがあります。

法律上は、管理監督者と呼ばれます。

管理監督者に該当する場合には、労働基準法上、労働時間や休日、休憩時間の規制が適用されなくなり、労働時間の裁量が認められます。

そのため、非時間管理者と表現されることがあるのでしょう。

ただし、会社側が非時間管理者と区分していても、法律上、管理監督者に該当するかは、法律の条件を満たすかどうかから客観的に決まります

管理監督者とは何かについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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非時間管理者が残業した場合は?

非時間管理者が残業をした場合には、管理監督者であれば、時間外残業代や休日残業代の対象になりません

一方で、管理監督者の条件を満たしていなければ残業代が支払われなければなりません

労働基準法上、労働時間や休日、休憩時間の規制が適用されなくなるためには、管理監督者に該当する必要があるとされているためです。

管理監督者に該当するための法律上の条件は、以下の3つです。

管理監督者の3つの条件

条件1:経営者との一体性
条件2:労働時間の裁量
条件3:対価の正当性

管理監督者の3要件各条件を満たしているかについては、以下のチェックリストを利用して確認してみてください。

①経営者との一体性
☑経営会議に参加しているかどうか
☑経営会議に参加している場合には発言力
☑従業員の採用や配置についての決定権の有無
☑職務内容がマネージャー業務か現場業務課か
②労働時間の裁量
☑タイムカード登用により出退勤の管理がされているか
☑遅刻や欠勤等をした場合に給料が控除されるか
☑業務予定や結果の報告が求められているか
☑休日を自由に決められるか
③対価の正当性
☑その残業時間に比較して支給されている給料が著しく少ないか
☑他の労働者に比べて優遇されているといえるか

労働時間や休日、休憩に関する労働基準法の規制は、人として生活をするにあたっての最低限度を定めたものです。

管理監督者に該当するとこれらの規制が適用されないことになりますので、管理監督者に該当性はとても厳格に判断される傾向にあります

もし、管理監督者に該当しないにもかかわらず、非時間管理者として、残業代が支給されていなかった場合には、3年の時効にかかっていない範囲で遡って請求できる可能性があります。

管理監督者の条件は以下の記事で詳しく解説しています。

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非時間管理者に該当しない人

非時間管理者に該当しない人としては、以下の人がいます。

・アルバイト・パート
・名ばかり管理職
・その他管理監督者に該当しない一般社員

それでは、これらについて順番に説明していきます。

アルバイト・パート

アルバイトやパートは、非時間管理者には当たりません

労働時間を管理され、指示された時間内で働くことが前提とされているからです。

アルバイトやパートは、出退勤を打刻したり、シフトで勤務時間が決められていたりするのが一般的です。

このような働き方は、労働時間の裁量が認められる立場とはいえません。

例えば、売場や事務作業などの現場業務を行い、上司の指示に従って働いているケースでは、非時間管理者とされる余地はほとんどないでしょう。

そのため、アルバイトやパートが「非時間管理者だから残業代が出ない」と説明された場合には、その説明自体が誤っている可能性が高いといえます。

名ばかり管理職

名ばかり管理職も、非時間管理者に該当しない代表的な例です

名ばかり管理職とは、役職名は付いているものの、実際には管理監督者としての実態がない人を指します

例えば、課長職などとされていても、実際には部下がおらず、経営管理にも関与していないような方がいます。

また、店長やリーダーと呼ばれていても、シフトが決められていたり、遅刻や欠勤で給料が控除されたりするケースもあります。

このような働き方では、管理監督者には該当しない可能性が高いでしょう

そのため、会社が非時間管理者として扱っていても、法律上は残業代の対象になる可能性があります。

名ばかり管理職については、以下の記事で詳しく解説しています。

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その他管理監督者に該当しない一般社員

管理監督者に該当しない一般社員も、非時間管理者には当たりません

管理職に該当しない一般社員、専門的なスキルなどがある職員なども、管理監督者に該当しなければ、残業代を支払う必要があります

非時間管理者の問題点

非時間管理者という区分は、実際の職場では多くの問題を生んでいます

法律上の条件を満たしていない人まで非時間管理者として扱われていることが多いからです。

非時間管理者などという曖昧な表現を用いることで混乱が生じてしまっています。

例えば、非時間管理者の問題点としては、以下の3つが挙げられます。

問題点1:名ばかり管理職がほとんど
問題点2:長時間残業が常態化している
問題点3:時給計算すると低賃金となりがち

それでは、非時間管理者の問題点について順番に見ていきましょう。

問題点1:名ばかり管理職がほとんど

非時間管理者の最大の問題点は、実態として名ばかり管理職が多いことです

会社が便宜的に非時間管理者と区分していても、管理監督者としての条件を満たしていないケースが多いからです。

本来、法律上は、管理監督者に該当するためには厳格な条件があるにもかかわらず、これを満たしていない方まで、非時間管理者と扱われています。

労働基準法は人として生活するための最低限度の基準を定めたものなので、会社の一方的な判断で潜脱していいものではありません。

問題点2:長時間残業が常態化している

非時間管理者とされることで、長時間残業が当たり前になりやすい点も問題です

労働時間の上限や残業代を意識しなくなり、歯止めがかかりにくくなるからです。

例えば、忙しい時期に毎日遅くまで働いたり、休日であっても業務対応を求められたりするケースもあります。

それでも「非時間管理者だから仕方がない」と説明されると、断りづらくなってしまいます。

実際には労働時間について十分な裁量がないにもかかわらず、非時間管理者とされてしまうと、自分自身で健康を守ることも難しくなってしまいます。

問題点3:時給計算すると低賃金となりがち

非時間管理者とされている人は、時給で考えると低賃金になりやすい傾向があります

残業時間が増えても、給料がほとんど変わらないことが多いからです。

例えば、長時間残業にもかかわらず残業代が払われない場合、その給料を労働時間で割ると、アルバイトより低い時給になることもあります。

「責任は重いのに、見合った対価が支払われていない」という状況になってしまいます。

 

非時間管理者についてよくある疑問

非時間管理者についてよくある疑問としては、以下の3つがあります。

Q1:S職は非時間管理者になる?
Q2:裁量労働制の対象者は非時間管理者になる?
Q3:企業は非時間管理者の労働時間は把握しなくていい?

これらの疑問を順番に解消していきましょう。

Q1:S職は非時間管理者になる?

A.S職という呼び方だけで、非時間管理者になるわけではありません

S職は法律上の区分ではなく、会社が独自に設けている職種名にすぎないからです。

S職であっても、出退勤を管理されていたり、業務内容について細かい指示を受けていたりする場合には、労働時間の裁量があるとはいえません。

例えば、S職として採用されていても、毎日の勤務時間が決められ、上司の承認を得ながら業務を進めているケースもあります。

このような働き方であれば、管理監督者には当たらず、残業代の対象となる可能性があります。

重要なのは職種名ではなく、実際にどのような立場で、どのように働いているかという点となります。

Q2:裁量労働制の対象者は非時間管理者になる?

A.裁量労働制の対象者も、非時間管理者になるとは限りません

裁量労働制と管理監督者は、法律上まったく別の制度です。

裁量労働制では、労働したものとみなされる時間によっては、時間外残業が発生する可能性もあります。また、裁量労働制であっても、休日の残業が発生します。

裁量労働制と残業代については、以下の記事で詳しく解説しています。

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Q3:企業は非時間管理者の労働時間は把握しなくていい?

A.企業は、非時間管理者とされる人であっても、労働時間をまったく把握しなくてよいわけではありません

健康管理や長時間労働の防止は、雇用主の義務だからです。

労働安全衛生法では、労働者の労働時間の状況を把握しなければならないとされています。これには管理監督者も含まれるとされています。

そのため、企業は非時間管理者の労働時間を把握しなくてもよいことにはなりません。

管理職とタイムカードについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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まとめ

以上のとおり、今回は、非時間管理者とは何かを説明したうえで、残業の扱いや3つの問題点を簡単に解説しました。

この記事の内容を簡単に整理すると以下のとおりです。

・非時間管理者とは、勤務区分上、労働時間の管理をされない労働者を言います。

・非時間管理者が残業をした場合には、管理監督者であれば、時間外残業代や休日残業代の対象になりません。一方で、管理監督者の条件を満たしていなければ残業代が支払われなければなりません。

・アルバイト・パート、名ばかり管理職は、非時間管理者に該当しません。

・非時間管理者の問題点としては、以下の3つが挙げられます。
問題点1:名ばかり管理職がほとんど
問題点2:長時間残業が常態化している
問題点3:時給計算すると低賃金となりがち

この記事が非時間管理者がどのような意味か知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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弁護士 籾山善臣
神奈川県弁護士会所属。不当解雇や残業代請求、退職勧奨対応等の労働問題、離婚・男女問題、企業法務など数多く担当している。労働問題に関する問い合わせは月間100件以上あり(令和3年10月現在)。誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。 【著書】長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう!ブラック企業に負けない3つの方法 【連載】幻冬舎ゴールドオンライン:不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他 【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日
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