会社から、突然、自宅待機を命じられて困っていませんか?
会社によっては、「自宅待機期間中は働いてないのだから給与は払わない!」などと言ってくることがあります。
しかし、法律上は、自宅待機期間中であっても、常に給与を支払わなくてもいいわけではありません。
自宅待機期間中の「給与の支払いの要否」や「支払ってもらえる金額」については、自宅待機を命じられる理由により異なります。
会社側の落ち度がどの程度あるかにより、「給与を全額支払ってもらえる場合」、「平均賃金の6割を支払ってもらえる場合」、「全く支払ってもらえない場合」があるのです。
もっとも、自宅待機が明らかに会社の落ち度であり、労働者に何ら問題がないにもかかわらず、給与の支払いを全くしない会社が多くあります。
もしも、あなたの会社が自宅待機期間中の給与を適切に支払ってくれないような場合には、労働者としても、これに対して対処していかなければなりません。
実際、労働者の方中には、「働いていないのだからお給料をもらえないのは仕方がない」、「うちの会社はそこらへん適当だから」と諦めてしまっている方が多いのは残念なことです。
今回は、自宅待機期間中の給与について、その金額や計算方法、具体例、対処法を解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば自宅待機期間中の給与についてよくわかるはずです。
目次
自宅待機命令とは|意味・定義
自宅待機命令とは、会社が労働者の具体的就労義務を免除してその労務の受領を拒絶するものです。
つまり、自宅待機命令というのは、会社が労働者に対して、「働かなくていいので、出勤しないでください」と指示するものです。
労働者は、原則として、会社に対して、働かせてほしいと請求する就労請求権は有していないとされています。雇用契約上、働くことは義務であり、権利ではないとされているためです。
また、会社は、施設管理権等に基づき会社に入ることを禁止することもできます。
そのため、会社は、就業規則や法律上の根拠がなくても、自宅待機命令をすること自体は可能です。
ただし、会社が自宅待機を命じることができるとしても、給与を支払う必要があるのかどうかは別の問題であり、また、相当性を逸脱する自宅待機命令がなされれば違法となることがあります。
東京地判平成23年8月9日労経速2124号20頁[全日本海員組合事件]
「自宅待機命令とは、使用者が、労働契約上の一般的な労務指揮権に基づき、労働者の具体的就労義務を免除してその労務の受領を拒絶するものであって、通常は、労働契約の形成、変更等を伴わない単なる業務命令の一種であると解される。したがって、自宅待機命令は、労働者に就労請求権が認められるような例外的な場合を除き、昇給等において差別されるなどの特段の事情がない限り、労働者に法的不利益を与えるもの(その権利を奪い、義務を課すもの)とはいえない。」
自宅待機期間中の給与の金額
自宅待機期間中の給与の金額については、自宅待機を命じられた理由により異なります。
労務の提供と給与は対価関係にあるため、働いていない場合には、原則として、給与をもらうことはできません。これをノーワーク・ノーペイの原則と言います。
ただし、労働者が働くことができないのが会社側の落ち度である場合には、会社は給与や手当の支払いをしなければいけないことがあります。
全額請求できるケースと計算方法
自宅待機命令が「債権者の責めに帰すべき事由」(民法536条2項)による場合には、給与を全額請求することができます。
民法536条(債務者の危険負担等)
2「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。…」
「債権者の責めに帰すべき事由」とは、故意、過失または信義則上これと同視すべき事由をいうと解されています。
例えば、自宅待機命令に何ら合理的な理由がない場合にはこれに該当することになります。
名古屋地判平成16年5月14日判タ1211号95頁
「証人…は、本件自宅待機命令の理由として、被告に対し、無断欠勤と授業のやり方がまずいからである旨を伝えた旨証言するところ、前記認定のとおり、被告は、平成13年4月に1日、同年6月に4日の欠勤をしたが、病気等による欠勤であって、無断欠勤ではなかったものであり、証人…が被告の無断欠勤があったとする証言内容は、タイムカードが押された日も欠勤があったとするものであって、到底合理的なものではない。また、被告の授業における生徒の問題行動の状況及びその原因は、前記認定のとおりであって、被告の授業のやり方がまずかったことに原因があったと認めることはできない。」
「本件自宅待機命令は、原告により、正当な事由なく命じられた休業というべきであり、被告が就労できなかったことにつき、原告の責めに帰すべき事由があるといわざるを得ない。そうすると、民法536条2項に基づき、被告は、原告に対し、本件懲戒解雇に至るまでの本件自宅待機命令期間中の賃金全額の支払を求めることができるというべきである。」
具体的に請求できる給与の範囲は、自宅待機命令がなかったならば労働契約上確実に支給されたであろう賃金の合計額です
月ごとの固定給がある場合には、自宅待機命令がされなければ確実にその金額を支給されたといえるため、これを請求することができます。
時給制や歩合給制の場合には、①過去1年間の諸手当の総額を基礎とした月平均手取額や、②自宅待機前の3か月の平均値を確実に支給された金額とします。
ただし、実費支給の通勤手当や残業して初めて支払われる時間外手当は、請求することは難しいでしょう。
6割請求できるケースと計算方法
自宅待機命令が「使用者の責に帰すべき事由」(労働基準法26条)による場合には、平均賃金の6割の休業手当を請求することができます。
一般に休業補償と呼ばれることもありますが、法的には、休業補償は労災による療養のため働くことができない期間の療養のための補償です(労働基準法76条)。自宅待機命令の際に請求できるのは、正確には休業手当といいます。
労働基準法26条(休業手当)
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」
労働基準法26条における「使用者の責に帰すべき事由」には、使用者側に起因する経営、管理上の障害も、天災事変などの不可抗力に該当しない限りは、含まれます。
不可抗力とは、①その原因が事業の外部より発生した事故であること(外部起因性)、②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること(防止不可能性)が認められる場合をいいます。
「使用者の責めに帰すべき事由」(労働基準法26条)に該当する例としては、以下のとおりです。なお、具体的事情によりこれに該当しない場合もありますのでご注意ください。
⑴ 機械の検査
⑵ 原料の不足
⑶ 流通機構の不円滑による資材入手難
⑷ 監督官庁の勧告による操業停止
⑸ 親会社の経営難のための資金・資材の獲得困難
具体的には、休業手当の金額は、平均賃金の百分の六十以上とされており、以下の方法により計算します。
ステップ1:平均賃金の算定期間と総日数を確認する
ステップ2:算定期間に支払われた賃金総額を確認する
ステップ3:平均賃金が最低保証額を下回らないかを確認する
ステップ4:自宅待機の日数
ステップ5:式に明らかになった金額や日数を入れて計算する
それでは順に説明していきます。
ステップ1:平均賃金の算定期間と総日数を確認する
休業手当を計算するためのステップ1は、平均賃金の算定期間と総日数を確認することです。
平均賃金の算定期間は、賃金の締切日がある場合とない場合で異なります。
賃金の締切日がある場合の算定期間は、自宅待機命令の前日に最も近い締切日の以前3か月間となります。
これに対して、賃金の締切日がない場合の算定期間は、自宅待機命令前日の以前3か月間となります。
ただし、いずれも、雇用されてから3か月未満の場合には、雇入日までの期間となります。
算定期間が明らかになったら、その日数を数えることになります。
算定期間中に以下の期間がある場合には、算定期間の総日数から控除します。
・業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
・産前産後のために休業した期間
・会社の帰責事由による休業期間
・育児介護休業法による休業期間
・試用期間
平均賃金の金額が不当に低くなるのを防ぐためです。
ステップ2:算定期間に支払われた賃金総額を確認する
休業手当を計算するためのステップ2は、算定期間に支払われた賃金総額を確認することです。
休業手当の基礎となる平均賃金の算定にあたり、賃金総額に含まれる賃金と含まれない賃金の例をまとめると以下のとおりです。
上記賃金総額に含まれる賃金につき、算定期間中の合計額を計算することになります。
ステップ3:最低保証額を下回らないかを確認する
休業手当を計算するためのステップ3は、平均賃金(賃金総額÷平均賃金の算定期間の総日数)が最低保証額を下回らないかを確認します。
算定期間に自己都合休職などが含まれていると、平均賃金が著しく低くなってしまうため、一定の補償が必要であるためです。
・日給制、時給制、出来高払制の場合
・日給月給制の場合
・月給日給制
について説明します。
日給制、時給制、出来高払制
日給制、時給制、出来高払制の場合の最低保証額については、労働基準法上、以下の方法により計算するとされています。
日給月給制
日給月給制というのは、月によって賃金が定められているものの、期間中の欠勤日数若しくは欠勤時間数に応じて賃金が減額される制度です。
日給月給制では、月単位で支払われる手当についても減給の対象に含まれます。
日給月給制の場合の最低保証額については、行政通達(昭和30年5月24日基収1619号)により、以下の方法により計算するとされています。
月給日給制の場合
月給日給制というのは、月によって賃金が定められているものの、期間中の欠勤日数若しくは欠勤時間数に応じて賃金が減額される制度です。
月給日給制では、月単位で支払われる手当についても減給の対象に含まれません。
月給日給制の場合の最低保証額については、行政通達(昭和30年5月24日基収1619号)により、以下の方法により計算した金額の合算額になるとされています。
【欠勤日数や欠勤時間数に応じて減額された部分】
【欠勤日数や欠勤時間数に応じて減額されていない部分】
自宅待機の日数
休業手当を計算するためのステップ4は、自宅待機の日数の確認です。
ステップ5:式に明らかになった金額や日数を入れて計算する
休業手当を計算するためのステップ5は、式に明らかになった金額や日数を入れて計算することです。
ステップ3で計算した最低保証額が平均賃金を上回っている場合には、平均賃金は最低保証額で置き換えることになります。
全く請求できないケース
使用者側に何ら原因がない場合や使用者側に原因があってもそれが不可抗力である場合には、自宅待機命令期間中の給与や手当は全く請求できないことになります。
よくある自宅待機の例6つ
それでは、実際によくある自宅待機の例を一緒に見ていきましょう。
自宅待機の例としては、例えば、以下の6つがあります。
例1:退職勧奨の検討期間としての待機
例2:懲戒処分の検討期間としての待機
例3:ハラスメントの調査又は対応検討期間としての待機
例4:材料不足や取引先の都合による待機
例5:新型コロナウイルスで陽性となったことによる待機
例6:休日における緊急対応のための待機
それぞれの状況に応じて目的や支払われる金額も異なりますので、順番に説明していきます。
退職勧奨の検討期間としての待機
会社から退職勧奨を受けた後に、自宅待機を命じられることがあります。
会社はこの自宅待機期間の目的を以下のように説明する傾向にあります。
・退職勧奨に応じるかを検討する期間
・再就職の準備をする期間
ただし、「無期限の退職勧奨」や「人間関係から孤立させることを目的とする退職勧奨」は、後述のように違法となることがあります。
このような自宅待機命令により、労働者が人間関係から切り離されてしまい戻りづらくなることに加えて、再就職活動の報告を迫られるなど退職を前提とした事実が作り出されてしまいます。
退職勧奨の検討期間としての待機については、業務を命じることができない理由はないので、給与全額の請求をすることができます。
懲戒処分の調査や検討期間としての待機
会社は、懲戒処分の調査や検討をする期間として、労働者に対して、自宅待機を命じることがあります。
このような懲戒処分の調査のための自宅待機間については、原則として、給与全額の支払いをする必要があります。
調査期間は、これ自体として懲戒的性質を有するものではなく、当面の職場秩序維持の観点から執られるものにすぎないためです。
実際、懲戒事由の調査期間については、給与の支払いをされた上で出社を拒否されるケースの方が多いでしょう。
ただし、以下のいずれかの場合には、例外的に給与全額の請求をすることができないことがあります。
⑴ 当該労働者を就労させると不正行為の再発や証拠隠滅のおそれがあるなど緊急かつ合理的な理由がある場合
⑵ 自宅謹慎や自宅待機を実質的な出勤停止処分に転化させる懲戒規定の上の根拠がある場合
⑶ 懲戒事由調査のための出社拒否期間につき賃金を支給しないとの就業規則規定がある場合
もっとも、これらの場合でも、2週間を超えるような長期の自宅待機については、給与の支払いを全くしないことは許されないことが多いでしょう。
名古屋地判平成3年7月22日労判608号59頁[日通名古屋製鉄作業事件]
「このような場合の自宅謹慎は、それ自体として懲戒的性質を有するものではなく、当面の職場秩序維持の観点から執られる一種の職務命令とみるべきものであるから、使用者は当然にその間の賃金支払い義務を免れるものではない。そして、使用者が右支払義務を免れるためには、当該労働者を就労させないことにつき、不正行為の再発、証拠湮滅のおそれなどの緊急かつ合理的な理由が存するか又はこれを実質的な出勤停止処分に転化させる懲戒規定上の根拠が存在することを要すると解すべきであり、単なる労使慣行あるいは組合との間の口頭了解の存在では足りないと解すべきである。」
大阪高判昭和55年12月24日労経速1091号12頁[ダイハツ工業事件]
「自宅待機命令は、被控訴人に以上のような懲戒処分に値する事由が認められたので、控訴会社が処分を決定するまでの間賃金は支払うが一時就労を禁止するというものであり、懲戒事由該当者に対しこのような処分をすることは、職場秩序の維持のためにも合理的な理由に基づくものであり、正当な措置と認められる。被控訴人は、被控訴人の同日までの行為を処分の対象とするのであれば事実は明白であり、直ちに処分すれば足り、本件で自宅待機命令を発する必要はない旨主張するが、一見明白な事由に基づく懲戒処分といえども社内の手続を要し最終的には懲戒委員会を開催して労使の協議を経なければならないのであるから、その間の暫定措置として自宅待機命令は必要である。」
東京地判平成30年1月5日労経速2345号3頁[ナック事件]
「使用者が労働者に自宅待機や出勤禁止を命じて労働者から労務提供を受領することを拒んでも当然に賃金支払義務を免れるものではないが、使用者が労働者の出勤を受け入れないことに正当な理由があるときは、労務提供の受領を拒んでも、これによる労務提供の履行不能が使用者の『責めに帰すべき事由』(民法536条2項)によるとはいえないから、使用者は賃金支払い義務を負わない。」
「…原告は、それまでにも不当営業活動を行って、始末書の提出を命じられたり、減給処分を受けたりしていたにもかかわらず、顧客に対し意図的に被告が容認しない契約内容を説明する、被告の社印を悪用して被告が容認しない念書や覚書や不実の議事録を作成する、被告の事務手続を意図的に妨げるなどの不当営業活動を繰り返し、その結果、顧客から苦情が寄せられ、また、被告のノウハウ情報の経済的価値が毀損されているおそれが生じており、懲戒解雇を含む重い懲戒処分に付することが想定されたことが認められるから、原告の不当営業活動に対する調査、証拠隠滅の防止、懲戒処分の検討及び不当営業活動の再発防止を要し、そのため原告の出勤を禁止する必要があったというべきであり、被告の平成25年12月19日からの本件自宅待機は正当な理由があるというべきである。」
「ただ、無給の自宅待機や出勤禁止が長期化することは労働者にとっては生活資金となる賃金を得られない一方、解雇されたわけでもないから自宅待機や出勤禁止が解除されて勤務を再開しなければならない可能性が残り、兼業や兼職も就業規則等に基づき制限される状態…が継続することになって、その地位の著しい不安定を招くから、使用者としては労働者を懲戒解雇するか、懲戒解雇以外の懲戒にとどめるのか、懲戒には付さないのか、遅滞なく意思決定をすべきであり、相当期間を超えて中途半端な無給の自宅待機又は出勤禁止を継続することは許されないというべきである。被告就業規則101条…は、懲戒事由につき『調査する必要』があるとき(『調査する必要』には、出勤停止の方法で適切な懲戒処分を妨げる障害を排除する趣旨に照らして、関係者からの事情聴取等の調査活動のみならず、証拠隠滅の防止、調査活動の結果に基づく方針検討、労働基準監督署の見解を確認する解雇予告除外認定申請手続を含むと解される。)に無給の出勤停止を認める一方、社員の利益を考慮して、『調査する必要』のため無給とできる期間の上限を定めて出勤停止の必要と社員の利益の調和を図ったものと解される。ここで定められている上限期間15日は、『調査する必要』のための出勤停止は被告就業規則で暦日によることが定められている懲戒…には当たらず、暦日によるとその間の休日の日数によっては調査のための十分な日数を確保できないことにもなる一方、暦日から休日を除いた労働日で計算しても3週間程度で済み、長期間になるとはいえないから、労働日で計算することが相当である。」
ハラスメントの調査又は対応検討期間としての待機
会社は、ハラスメントの調査又は対応検討期間として、労働者に対して、自宅待機を命じることがあります。
会社は職場環境に配慮する義務があり被害者に配慮する必要があることに加えて、証拠の隠滅などを防止する必要もあるためです。
ハラスメントの調査又は対応検討期間の給与についても、原則として、給与全額の支払いが必要となりますが、一定の場合には例外的に支払いが不要となるケースがあることは、懲戒処分の場合と同様です。
材料不足や取引先の都合による待機
会社は、材料不足や取引先の都合により、業務を行うことができないために、労働者に対して、自宅待機を命じることがあります。
このような場合には、不可抗力といえるような場合には給や手当の請求は全くできませんが、不可抗力とはいえないような場合には平均賃金の6割の休業手当を請求できます。
具体的には、不可抗力だったかどうかは、材料不足や取引先の問題について、業務への影響の程度、代替手段の有無、休業回避の努力等を勘案して判断します。
新型コロナウイルスで陽性となったことによる待機
労働者が新型コロナウイルスに感染していることを理由に、都道府県知事が行う就業制限により労働者を休業させる場合には、一般的には、会社からは、給料や手当は全く支払われません。
ただし、労働者には、傷病手当金が支給される場合があります。
厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
休日における緊急対応のための待機
会社は、休日に労働者に緊急で対応する必要があったときのために、いつでも仕事に応じることができるように自宅における待機を命じることがあります。
この自宅待機命令についてはこれまでの自宅待機命令と性質が異なります。これまで見た自宅待機命令は、就労日に業務を免除して出勤を禁止するものですが、これは休日に業務対応できるようにしておくこと義務づけるものだからです。
休日における緊急対応のために待機した時間については、これが労働時間に該当すれば、全額の賃金を請求することができます。
具体的には、緊急対応のための待機時間が労働時間に該当するかは、①不活動時間の占める割合、②不活動時間の活動・行動様式、③現実に労務を提供する回数や実稼働時間等を考慮し判断することになります。
緊急の対応のための自宅待機については、以下の記事で詳しく解説しています。
自宅待機命令違反と濫用
自宅待機命令に違反すると、懲戒処分などの不利益処分を科されるケースがあります。
このことから、「どのような場合に自宅待機命令違反となるのか」、「自宅待機命令が許されない場合があるか」、「自宅待機命令違反を理由とする懲戒処分が許されない場合があるか」という問題が生じます。
これについて以下の順で説明していきます。
・自宅待機命令違反
・自宅待機命令の濫用
・懲戒処分の濫用
自宅待機命令違反
自宅待機命令によりどのような効果が生じるかについては、それが命じられた経緯や明示された内容により異なります。
通常は、自宅待機命令により、就労義務を免除するという効果の他に、出社を禁止するという効果が生じる傾向にあります。
つまり、会社の敷地内に入ってしまうと、自宅待機命令違反と判断されることがあります。
これに対して、明確に外出を一切禁止する旨を命じられていない場合には、外出自体を禁止する趣旨までは含まれていないとされる傾向にあります。
ただし、外出自体の禁止を含む場合には、労働者の自由が大きく制限されることになるため労務の提供があるものとして給与の支払いが必要となる可能性が高まりますし、後述の濫用と判断される可能性も高まります。
東京地判平成30年3月27日[地位確認等本訴請求事件(27962号)、損害賠償反訴請求事件(2633号)]
「被告会社は、自宅待機命令に違反して事業場に立ち入り何らかの物品を持ち出したことも懲戒事由として主張する。確かに原告は、自宅待機命令中にこれに違反して旧江戸一の事業場内に立ち入り、何らかの物品を持ち出しているが、上記立入りの態様は他の職員が在席している時間帯に平穏に立ち入っているものであること、滞在時間も最大10分程度であること、他の職員と現場でトラブルを起こしているわけでもないこと、持ち去った物品が何かは明らかではないが、自らが管理していた自席の袖机から持ち出したものであり、他の職員の机や共用棚から持ち出しているわけではないことに照らせば、非難の程度は軽微といえ、懲戒処分としての減給に相応しい客観的合理性があるとは認められない。」
東京地判平成27年11月11日労経速2275号3頁[甲社事件]
「自宅待機命令は、『自宅待機の間は、当社の管理する敷地に出入りすること、本社及び当社の各営業所へ電話及びFAX等により連絡をとること、当社の関係先等へ電話及びFAX等により連絡をとることなどの行為を禁止する。』と明示するものの、原告の自宅からの外出を一切禁止する趣旨まで含むのか不明確である上、原告は…同僚であった…元社員の労働審判に組合員として立ち会ったにとどまることからすれば、これをもって、自宅待機命令に違反したとまで評価するのは相当ではない。」
自宅待機命令の濫用
自宅待機命令は、①業務上の必要性なく発せられたり、②他の不当な動機・目的をもって発せられたりしたような場合には、裁量を逸脱濫用するものとして、無効となります。
つまり、自宅待機命令がいかなる場合に無効となるかは、業務命令としての必要性、動機・目的、本件自宅待機命令が当該労働者に与える影響の程度等を総合的に考慮して判断されます。
もっとも、自宅待機命令違反自体が無効であることの確認を求めても、原則として、確認の利益がないとされて、無効かどうかの判断をしてもらうことができません。
なぜなら、自宅待機命令は、就労義務を免除するものにすぎず、昇級等において差別されるなどの特段の事情のない限り、法的な不利益を与えるものではないと考えられているためです。
ただし、自宅待機命令の結果、就労の義務の免除にとどまらず、外出しないことまで義務付けられているようなケースでは、法的な不利益を与えるものとして、自宅待機命令自体の無効を確認する利益があることになります。
東京地判平成23年8月9日労経速2124号20頁[全日本海員組合事件]
「自宅待機命令とは、使用者が、労働契約上の一般的な労務指揮権に基づき、労働者の具体的就労義務を免除してその労務の受領を拒絶するものであって、通常は、労働契約の形成、変更等を伴わない単なる業務命令の一種であると解される。したがって、自宅待機命令は、労働者に就労請求権が認められるような例外的な場合を除き、昇給等において差別されるなどの特段の事情がない限り、労働者に法的不利益を与えるもの(その権利を奪い、義務を課すもの)とはいえない。」
「本件においては、第2自宅待機命令の発令から既に1年以上が経過し、原告に事実上多大な不利益が生じていることが推認されるものの、他方で、原告に就労請求権があるとまでは認められず、自宅待機命令に起因する経済的な不利益も認められない。したがって、第2回自宅待機命令によって法的な不利益が生じているとはいえないから、(後記のとおり、業務命令権の濫用としてその違法性の有無が問題になることは別論としても)第2回自宅待機命令の無効確認を求める訴えは、過去の単なる事実の確認を求めるもので不適法というほかない。」
名古屋地判平成3年7月22日労判608号59頁[日通名古屋製鉄作業事件]
「右待機命令はそれ自体として原・被告間の労働契約関係を形成、変更する効力を有するものでないといわなければならない。そして、このような性質のものとしての待機命令については、特段の事情のないかぎり、その無効確認を求めることに法律上の利益はないというべきところ、本件においても、原告は、右待機命令自体を後記の残業拒否命令の点と併せて被告による不当労働行為又は債務不履行と主張し、それらの差止めを求めているのであるから、それとは別に右待機命令がもたらす法律上の効果の有無について確認を求める利益があるとは認め難い。したがって、右確認請求に係る本件訴えは訴えの利益を欠くものとして不適法であるといわなければならない。」
東京高判平成24年1月25日労経速2135号3頁[全日本海員組合事件]
「本件自宅待機命令は、控訴人組合が使用者としての立場から被控訴人に発した業務命令であることは明らかである。そして、被控訴人は、これにより、出勤に代えて自宅待機を義務付けられていることになるから、その違法無効を主張する被控訴人には、無効確認につき確認の利益があるというべきである。」
「そして、本件自宅待機命令が業務上の必要性なく発せられたり、他の不当な動機・目的をもって発せられたような場合は、使用者の裁量を逸脱濫用するものであって、無効となるものと解される。」
「すなわち、本件自宅待機命令がいかなる場合に無効となるかは、業務命令としての必要性、動機・目的、本件自宅待機命令が被控訴人に与える影響の程度等を総合的に考慮して判断されるべきである。」
「そこで、この点につき検討するに、…〈1〉第1回人事決定が、前訴の確定判決によって復帰した被控訴人の地位を直ちに変更するものであり、被控訴人の原職復帰を阻む強い意志がうかがわれること、〈2〉本件提訴と機を一にしてなされた第2回人事決定では、被控訴人を執行部員に戻しながら、自宅待機命令は継続されていること、〈3〉控訴人組合において、被控訴人を執行部員として職務に復帰させ、就労させるための努力を払ったとは認められないこと等の事情にかんがみれば、第1回及び第2回自宅待機命令には、いずれも、業務上の必要性や合理性が認められないというほかない。そして、〈4〉被控訴人の自宅待機が既に長期にわたっており、被控訴人は、必要性や合理性が認められない命令により、多大な事実上の不利益を被っていることを併せ考えれば、第1回及び第2回自宅待機命令は、いずれも、業務命令権の濫用であって、無効なものというべきである。」
懲戒処分の濫用
自宅待機命令違反を理由とする懲戒処分が濫用として、無効となることがあります。
懲戒処分は、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当といえない場合には、無効となるためです。
例えば、自宅待機命令違反により、会社に軽微な影響しか生じていない場合には、重い懲戒処分を行えば濫用となるでしょう。
違法な自宅待機命令と慰謝料
自宅待機命令は、①業務上の必要性が希薄であるにもかかわらず自宅待機を命じる場合、又は、②期間が不当に長期にわたる場合等には、違法なものとして不法行為となります。
自宅待機命令が不法行為となる場合には、労働者は、会社に対して、慰謝料を請求することができます。
また、違法な自宅待機命令と不当な退職勧奨や解雇を併せて一連の不法行為として、慰謝料が評価されることもあります。
東京高判平成2年11月28日労民集41巻6号980頁[ネッスル事件]
「業務命令として自宅待機を命ずることができるとしても、労働関係上要請される信義則に照らし、合理的な制約に服すると解され、業務上の必要性が希薄であるにもかかわらず、自宅待機を命じあるいはその期間が不当に長期にわたる等の場合には、自宅待機命令は、違法性を有するものというべきである」
名古屋地判平成16年5月14日判タ1211号95頁
「本件自宅待機命令は、原告により、正当な事由がないのに命じられたもので、業務命令、制裁処分のいずれにしても違法といわざるを得ず、被告に対する不法行為を構成するものというべきである。」
「本件自宅待機命令期間中の未払賃金についてはその全額の支払が認められたことになること、被告が原告に雇用されてから本件懲戒解雇に至るまで約6か月にすぎないこと、被告が原告に雇用されて間もない時期に自ら退職の意思を表明したことがあること、本件懲戒解雇を契機として、被告自身としても、原告を退職する意思を有するに至ったこと、解雇予告手当が支払済みであること、被告が本件懲戒解雇の後に再就職できるまでに要した期間の長さとその期間を要した原因等の諸般の事情を考慮すると、本件自宅待機命令、本件懲戒解雇」等の「一連の原告の不法行為…によって被告が被った精神的苦痛を慰謝するための慰謝料としては、100万円と認めるのが相当である。」
神戸地判平成31年3月18日[アルバック販売事件]労判1211号81頁
「被告による本件自宅待機命令は、その裁量権を逸脱して違法であるというべきであり、原告に対する不法行為を構成する。」
「被告による退職勧奨及び本件自宅待機命令は違法であり…、原告は、これにより精神的苦痛を受けたものと認められる。そして、これを慰藉する金額としては、100万円が相当であると考える。」
会社から自宅待機と言われた場合の対処法
会社から自宅待機と言われた場合には、以下の手順で対処しましょう。
手順1:自宅待機命令通知書の要求
手順2:就労意思の明示・給与の請求
手順3:交渉
手順4:労働審判・訴訟
それでは、各手順について順番に説明していきます。
ただし、これらの手順については法的な判断を含む事項が多くあるため、可能であれば弁護士に依頼することがおすすめです。
手順1:自宅待機命令通知書の要求
自宅待機と言われた場合の対処手順の1つ目は、会社に対して、自宅待機命令通知書を要求することです。
あなたが自宅待機を命じられている理由や期間、内容を明確にするためです。
自宅待機命令の内容が不明確ですと、後から自宅待機を命じた理由が追加・変更されたり、長期間に渡り待機したりする状況となりかねません。
ただし、会社は、自宅待機命令通知書を出す法的な義務はありませんので、書面の交付を拒まれる場合があります。
このような場合には、以下の方法により対処しましょう。
方法1:発言を録音する又はメールやチャットで自宅待機の内容を明確にしてもらう
方法2:会社側から自宅待機を命じられた際にその内容を確認するメールやチャットを送付する
手順2:就労意思の明示・給与の請求
自宅待機を命じられた場合の対処手順の2つ目は、就労意思の明示と給与の請求です。
会社から命じられた自宅待機に合理的な理由がないような場合には、自宅待機期間中の給与を支払うように請求しましょう。
その際には、「就労の意思があるので業務指示を求めること」も併せて記載しておきましょう。
会社から、給与を支払わない理由として、「労働者に働く意思がなかった」、「自宅待機に同意していた」などの反論がされることが多いためです。
東京地判平成31年1月23日判タ1477号168頁[アディーレ事件]
1 就労の意思
「被控訴人は、被控訴人の帰責事由と本件履行不能との間に因果関係がない旨主張し、その根拠として、控訴人が本件自宅待機命令を異議なく承諾し、本件自宅待機期間中に就労することを求めなかったことからすれば、本件自宅待機期間中、控訴人には就労意思がなかったというべきである旨主張する。」
「しかしながら、…控訴人は、平成29年10月31日、被控訴人から翌日又は翌々日を最終出勤日として自宅待機命令を発する旨のメールを受信し、これに対し『承知しました。』と返信したにとどまるのであって、そのことから控訴人が本件自宅待機期間中の就労意思を喪失したなどとは認めるに足りない。」
「被控訴人は、本件自宅待機命令は控訴人による労務提供の受領を拒絶する意思を明確に表明するものではないとも主張するが、本件自宅待機命令の内容に照らすと、被控訴人において、控訴人の労務提供を受領することはおよそ予定されていないといわざるを得ず、当該労務提供の受領を拒絶する意思を表明したものであることは明らかというべきである。」
「したがって、これら被控訴人の主張によっても、前記判断は何ら左右されるものでない。」
2 信義則違反
「被控訴人は、控訴人において本件自宅待機期間中の賃金が労基法26条所定の休業手当のみであることを認識した上で本件自宅待機命令を受け入れ、同期間中の労務からの解放の利益を享受したなどとして、控訴人が労務を提供した場合と同額の賃金請求をすることは、信義則に反するもので許されない旨主張する。」
「しかしながら、控訴人は、被控訴人の上記主張事実を争うところ、前記控訴人の被控訴人に対する『承知しました。』との返信も、本件自宅待機命令の単なる応諾にすぎず、他に控訴人が休業手当を超える賃金請求権を放棄したことをうかがわせる事情も認められないから、控訴人の本件賃金請求が信義則に反すると認める余地はない。」
手順3:交渉
自宅待機を命じられた場合の対処手順の3つ目は、交渉です。
給与の請求に対して、会社から回答があると争点が明確になりますので、双方歩み寄ることが可能かどうかを協議します。
もしも、折り合いがつくようであれば、和解をして、解決金等の支払いを受けることになります。
手順4:労働審判・訴訟
自宅待機を命じられた場合の対処手順の4つ目は、労働審判・訴訟です。
話し合いでの解決が難しい場合には、裁判所を用いた手続きを検討することになります。
労働審判というのは、全3回の期日で調停を目指すものであり、調停が成立しない場合には裁判所が一時的な判断を下すものです。労働審判を経ずに訴訟を申し立てることもできます。
労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働審判とはどのような制度かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。
自宅待機に関するよくあるQ&A
自宅待機を命じられた方がよく疑問に感じる点としては、以下の5つがあります。
Q1:自宅待機期間中は外に出ていい?
Q2:自宅待機はいつまで?
Q3:自宅待機中に就職活動はしていい?
Q4:出勤停止や休業と何が違うの?
Q5:自宅待機命令で有給休暇の取得は可能?
これらの疑問について順番に解消していきましょう。
Q1:自宅待機期間中は外に出ていい?
結論としては、自宅待機期間中は、明示的に外出を禁止されていない限りは、外に出ること自体は制限されない傾向にあります。
自宅待機命令は、通常、就労を免除するものであり、労働者に義務を課するものではないためです。
ただし、会社は、敷地内への立ち入りを禁止するとの趣旨を含めていることが多いので、外に出る場合でも、会社には行かない方がいいでしょう。
もしも、会社に置き忘れてきた物があるような場合には、会社に連絡して受け取り方法を協議することになります。
Q2:自宅待機はいつまで?
結論としては、自宅待機の期間については、法的な決まりはありません。
期間が長くなればなるほど、給料や手当を請求できる可能性及び違法と判断される可能性が高まる傾向にあります。
懲戒処分やハラスメントの調査の際の自宅待機については、会社が就業規則に期間を明示している場合があります。
懲戒処分やハラスメントの調査の際の自宅待機については、事案にもよりますが、通常、給与や手当を支払わずに2週間を超えるような待機を命じることは許されないでしょう。
Q3:自宅待機中に就職活動はしていい?
結論としては、自宅待機期間中であっても、外出を禁止されていない限りは、就職活動をするのも自由です。
ただし、会社に対して、給与や手当の請求をする場合には、会社から業務指示があれば、これに応じることができる状況である必要があります。
更に、会社の就業規則で兼業が禁止されている場合には、他の会社に就職してしまうと、これに違反することになるリスクがあります。
また、会社によっては、自宅待機期間中に、再就職先を探すように指示してくることもありますが、これに従うかどうかは任意です。
再就職活動の状況について報告するように求めてくる会社もありますが、会社を辞めるかどうか迷っている状況であれば、報告しない方がいいでしょう。
再就職していることを報告すると、「働く意思がなかったこと」や「退職に合意していたこと」の証拠として提出されることがあるためです。
Q4:出勤停止や休業と何が違うの?
結論としては、自宅待機命令は、懲戒処分ではない点で出勤停止と異なり、休業の一種にあたります。
出勤停止とは、懲戒処分の1つです。通常、出勤停止期間中の給与は支給されません。自宅待機命令は、懲戒処分ではないのでこの点で異なります。
休業とは、労働日を労働日としたまま就労させないことをいいます。自宅待機命令も、労働日に就労義務を免除するものなので、休業にあたります。
Q5:自宅待機命令で有給休暇の取得は可能?
結論としては、自宅待機命令期間中に有給休暇を取得することも可能です。
ただし、労働者は、自宅待機命令期間中に有給休暇を取得する義務があるわけではありません。
有給休暇を取得せずとも給与の全額を請求できるような場合には、通常、あえて有給休暇を使うメリットもありません。
会社の側から、自宅待機期間中については有給休暇扱いにすると言われることがあるかもしれませんが、一定の場合を除き、これについては拒否することが可能です。
自宅待機期間中の給与はリバティ・ベル法律事務所にお任せ!
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自宅待機命令をされてしまった場合の給与は、法的な判断を伴うことが多いので、法律の専門家である弁護士に相談することが安心です。
特に、自宅待機命令期間中の給与については、専門性が高い分野になりますので、労働問題に強い弁護士を探すことがおすすめです。
リバティ・ベル法律事務所は、労働問題に注力しており、圧倒的な判例や法律の知識、ノウハウ、経験が蓄積されており、最善の解決に向けて全力でサポートさせていただいております。
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ただし、未払い金額や期間が少なすぎるような場合などには、労力や費用についてご依頼者様にご満足いただけない場合がございます。
このような場合には、ご依頼をおすすめしないことがございますので、まずは見通しについてお気軽にご相談ください。
まとめ
以上のとおり、今回は、自宅待機期間中の給与について、その金額や計算方法、具体例、対処法を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・自宅待機命令とは、会社が労働者の具体的就労義務を免除してその労務の受領を拒絶するものです。
・自宅待機期間中の給与の金額については、自宅待機を命じられた理由により異なり、整理すると以下のとおりです。
・通常は、自宅待機命令により、就労義務を免除するという効果の他に、出社を禁止するという効果が生じる傾向にあります。これに対して、明確に外出を一切禁止する旨を命じられていない場合には、外出自体を禁止する趣旨までは含まれていないとされる傾向にあります。
・自宅待機命令は、①業務上の必要性なく発せられたり、②他の不当な動機・目的をもって発せられたりしたような場合には、裁量を逸脱濫用するものとして、無効となります。
・自宅待機命令は、①業務上の必要性が希薄であるにもかかわらず自宅待機を命じる場合、又は、②期間が不当に長期にわたる場合等には、違法なものとして不法行為となり慰謝料を請求できる可能性があります。
・会社から自宅待機と言われた場合には、以下の手順で対処しましょう。
手順1:自宅待機命令通知書の要求
手順2:就労意思の明示・給与の請求
手順3:交渉
手順4:労働審判・訴訟
この記事が突然の自宅待機により給与が支払われなくなってしまった方の助けになれば幸いです。
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