飲食店で働いているものの、「残業代が支払われていない」又は「残業代が少ない」との悩みを抱えていませんか。
飲食店については、仕込みや片付け、メニューの考案など、働く時間も長くなりがちですよね。
しかし、多くの飲食店は、十分な残業代の支払いをしていません。
このように残業代の不払いが多い理由には、以下のような6つの誤解があります。
・店長には残業代が出ないとの誤解
・固定残業代がある場合には残業代が出ないとの誤解
・30分未満の残業では残業代が出ないとの誤解
・休憩時間中は業務をしても残業代が出ないとの誤解
・修行や見習い期間中は残業代が出ないとの誤解
・アルバイトには残業代が出ないとの誤解
また、以下のような時間については労働時間として計算されていない会社も多いですが、実は残業代を請求できる可能性があります。
・開店前の仕込みの時間
・閉店後の片付けの時間
・買い出しの時間
・メニューを考案する時間
実際、残業代については、飲食店に勤めている方からの相談が非常に多いのです。
正しく残業代を計算すれば、これまで積み重ねてきた未払い残業代は、あなたの想像している金額よりも大きな金額かもしれませんよ。
この記事では、飲食店の残業代について、よくある誤解を解消した上で、実は残業に含まれる時間や残業代の計算方法について分かりやすく解説します。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、飲食店で働く方の残業代についての悩みが解消するはずです。
目次
飲食店でも残業代を請求できる!残業代が出ないのが当たり前は間違い
飲食店で働いている方も、残業をすれば、当然、残業代をもらう権利があります。
確かに、多くの飲食店は、十分な残業代の支払いをしていません。
しかし、飲食店で働く方に対しても、一般の労働者と同じように、労働基準法が適用されます。
そのため、1日8時間・1週間40時間を超えて働いた場合や法定休日に働いた場合、深夜に働いた場合には、残業代が支払われることになるのです。
したがって、
です。
飲食店で働いている方には残業代の未払いがあることが非常に多くなっていますので、この記事を読んで少しでも未払いの可能性を感じたら、弁護士に相談してみましょう。
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解6つ
飲食店の場合に残業代の不払いが多い原因としては、
があります。
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解として、例えば、以下の6つがあります。
・店長には残業代が出ないとの誤解
・固定残業代がある場合には残業代が出ないとの誤解
・30分未満の残業では残業代が出ないとの誤解
・休憩時間中は業務をしても残業代が出ないとの誤解
・修行や見習い期間中は残業代が出ないとの誤解
・アルバイトには残業代が出ないとの誤解
あなたの会社にも当てはまるものがあるのではないでしょうか?
それでは、順番に誤解を解消していきますので一緒に確認していきましょう。
店長には残業代が出ないとの誤解
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解の1つ目は、
です。
つまり、店長は常に労働基準法上の「管理監督者」に該当するため残業代をもらえないとの誤解です。
確かに、「管理監督者」の方は、時間外残業や休日残業をしても残業代を請求できません。
しかし、店長であっても、当然に「管理監督者」に当たるわけではありません。
「管理監督者」に該当するのは、以下の条件を満たす方で、特に限定的に考えられています。
・経営者との一体性
・労働時間の裁量
・対価の正当性
会社から管理職と扱われている多くの方は、実際には「名ばかり管理職」であるというのが実情です。
例えば、店長にも残業代の支払いが必要であるとした有名な裁判例として、日本マクドナルド事件(東京地判平20年1月28日労判953号10頁)があります。この事件では、ファーストフード店の店長について、社員の採用権限や経営方針への関与がなく、労働時間についての裁量もなかったこと等を考慮して、管理監督者には当たらないとしています。
管理職の残業代については、以下の動画でも分かりやすく解説しています。
管理職の残業代については詳しくは以下の記事で説明していますので読んでみてください。
固定残業代がある場合には残業代が出ないとの誤解
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解の2つ目は、
です。
固定残業代とは、実際に残業をするかどうかにかかわらず、一定の金額を残業代として支給するものです。
飲食店の固定残業代については、以下の5つのポイントがあります。
・雇用契約書や就業規則等の根拠がない場合には無効の可能性がある
・基本給組込型ではその金額が明確でないと無効の可能性がある
・手当型では残業代以外の性質が含まれていると無効の可能性がある
・月45時間分を大きく上回る固定残業代は無効の可能性がある
・固定残業代が想定する時間を超える場合には差額の支払いが必要となる
固定残業代については以下の記事で詳しく説明しています。
雇用契約書や就業規則等の根拠がない場合には無効の可能性がある
飲食店の固定残業代のポイントの1つ目は、
ことです。
会社は、労働者の労働条件を勝手に決めることはできません。
例えば、会社が基本給の中に固定残業代が含まれていると考えているだけで、労働者にはそれを伝えていないような場合には、固定残業代の支払いがされているとは認められません。
そのため、固定残業代は、雇用契約書や就業規則等の根拠がない場合には、無効の可能性があるのです。
基本給組込型ではその金額が明確でないと無効の可能性がある
飲食店の固定残業代のポイントの2つ目は、
ことです。
基本給組み込み型というのは、基本給の一部が固定残業代であるとするものです。
固定残業代の金額が分からなければ、十分な残業代が支払われているかどうかを判断することができません。
例えば、雇用契約書に基本給(固定残業代含む)と記載されているだけでは、基本給の内いくらが固定残業代なのかが分からないため。固定残業代の支払いをしているとはいえません。
そのため、固定残業代は、基本給組み込み型の場合には、その金額明確でないと無効の可能性があるのです。
手当型では残業代以外の性質が含まれていると無効の可能性がある
飲食店の固定残業代のポイントの3つ目は、
ことです。
手当型とは、基本給とは別に、「料理長手当」「役職手当」「固定残業代手当」などの名目で、固定残業代が支給されるものです。
この場合には、手当の中に、料理長や役職者としての業務内容や責任に対する対価としての金額が含まれている場合があります。
手当の中に残業代以外の性質が含まれている場合には、手当の内いくらが固定残業代なのかが分かりません。
そのため、固定残業代は、手当型の場合には、残業代以外の性質が含まれていると無効の可能性があるのです。
月45時間分を大きく上回る固定残業代は無効の可能性がある
飲食店の固定残業代のポイントの4つ目は、
ことです。
しかし、働き方改革により、残業時間の上限は、原則として月45時間とされています。
上限時間を超えるような長時間を前提とする固定残業代は、無効とされることがあります。
例えば、漫画喫茶等を運営する株式会社に勤務し本店において夜間の電話対応や売上げの集計業務に従事していた方が残業代を請求したところ、会社側が固定残業代を支払っていると反論した事案について、
固定残業代の合意があったとしても、36協定の締結による労働時間の延長限度時間である月45時間を大きく超える月100時間以上の時間外労働が恒常的に義務付けられており、公序良俗に反し無効である(民法90条)としています。
(参照:東京地判平29.10.11労経速2332号30頁[マンボー事件])
そのため、固定残業代は、月45時間分を大きく上回る固定残業代は無効の可能性があるのです。
固定残業代が想定する時間を超える場合には差額の支払いが必要となる
飲食店の固定残業代のポイントの5つ目は、
ことです。
固定残業代は、会社の事務処理を簡便化して、労働者の賃金額を安定化させることを目的とするものであり、「一定の金額で何時間でも残業を命じることができるという制度」ではありません。
例えば、会社が労働者に対して、残業30時間分の固定残業代を支給している場合には、労働者が30時間を超えて残業をした場合には、その差額を支払う必要があります。
そのため、固定残業代が想定する時間を超えて残業した時間については、差額の支払いをしてもらうことができるのです。
30分未満の残業では残業代が出ないとの誤解
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解の3つ目は、
です。
残業代については、裁判実務上は1分単位で支払う必要があるとされています。
例えば、30分未満の残業については残業代を支払わなくていいと考えている会社があるのであれば、少なくとも裁判実務上は、それは誤りとなります。
休憩時間中は業務をしても残業代が出ないとの誤解
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解の4つ目は、
です。
飲食店では、ランチタイムからディナータイムの間に時間が空いているため、就業規則などで2時間以上の休憩時間が設定されていることがあります。
しかし、実際には、ランチタイム終了後にも残っている顧客がいたり、ディナータイムの仕込みをしたりしなければいけないため、長時間の休憩を取れないことが多いでしょう。
このように、就業規則において長時間の休憩時間が設定されている場合であっても、その時間中に会社の指揮命令のもとに業務を行えば、それは労働時間となります。
そのため、休憩時間中であっても、業務をしていれば、その時間についての残業代を請求できる可能性が高いのです。
特に、1時間を超えるような休憩時間が設定されているような方は、休憩時間中に業務を行っていないかよく確認してみましょう。
修行や見習い期間中は残業代が出ないとの誤解
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解の5つ目は、
です。
修行や見習い期間中であっても、会社に雇用されているのであれば、残業代をもらう権利があります。
会社から「一人前ではないのだから残業代が出ないのは当たり前」などと言われることもあるかもしれませんが、これは誤りです。
アルバイトには残業代が出ないとの誤解
飲食店で残業代が支払われていない場合によくある誤解の6つ目は、
です。
アルバイトであっても残業をすれば正社員と同様に残業代の請求をすることが可能です。
アルバイトも労働者である以上、正社員と同様、労働基準法が適用されるためです。
飲食店でよくある実は残業代を請求できる時間4つ
飲食店では労働時間に当たる時間についても残業時間に含めてもらえていないことがよくあります。
労働時間とは、客観的に会社の指揮命令下に置かれている時間をいいます。
例えば、飲食店でよくある以下の4つの時間については、実は残業代を請求できる可能性があります。
・開店前の仕込みの時間
・閉店後の片付けの時間
・買い出しの時間
・メニューを考案する時間
順番に説明していきます。
開店前の仕込みの時間
実は残業代を請求できる時間の1つ目は、
です。
飲食店では開店前に仕込みなどの準備をしますよね。この仕込みの時間についても、労働時間に当たります。
閉店後の片付けの時間
実は残業代を請求できる時間の2つ目は、
です。
飲食店では閉店後にも、食器や鍋を片付ける時間がありますよね。この片付けの時間についても、労働時間に当たります。
買い出しの時間
実は残業代を請求できる時間の3つ目は、
です。
例えば、休憩時間などに足りない食材の買い出しを頼まれたことはありませんか。
このように会社に指示をされて買い出しを行う場合にも、労働時間に当たります。
メニューを考案する時間
実は残業代を請求できる時間の4つ目は、
です。
飲食店では、定期的に新メニューなどを作りますよね。
しかし、会社によっては、新メニューの考案を休憩時間や業務終了後などに行うように指示する場合があります。
たとえ休憩時間中や業務終了後であっても、会社からの指示であれば、新メニューを考案する時間については、労働時間に当たります。
そのため、休憩時間や終業時刻後にメニューを考案する時間についても、残業代を請求できる可能性があるのです。
飲食店の残業代を計算する方法
飲食店の残業代は以下の方法により計算します。
基礎賃金とは、残業代の計算の基礎となる賃金です。家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く賃金の合計額です。
所定労働時間とは、会社が決めた労働時間のことで、基礎賃金を1時間あたりの賃金に引き直すものです。
割増率は、法定時間外残業は1.25倍、法定休日残業は1.35倍、深夜残業は0.25倍です。
残業時間は、法定時間外や法定休日、深夜に働いた時間です。
例えば、1か月の法定時間外残業が80時間、所定労働時間が160時間、月給が30万円の方ですと、1か月あたり、
=18万7500円
の残業代が発生することになります。
残業代の時効期間は2年ですから(2020年4月1日以降に発生するものは3年)、2年分を基準にすると、
=450万円
となります。
残業代の計算方法については以下の記事で詳しく説明しています。
飲食店の残業代を請求する方法
では、あなたが実際に会社に対して、残業代を請求する方法について説明していきます。
会社に対して残業代を請求するためには、例えば以下の順に行動していくことになります。
STEP1:時効を止める
STEP2:証拠を集める
STEP3:交渉をする
STEP4:労働審判・訴訟を申し立てる
残業代請求の方法・手順については、以下の動画でも詳しく解説しています。
STEP1:時効を止める
残業代を請求する方法のSTEP1は、
ことです。
残業代の請求には、各残業代の給料日から
の消滅時効があります(2020年4月1日以降に発生したものは3年)。
つまり、残業代のうち2年を経過した部分については随時消滅し続けている状況にあるのです。
そのため、残業代を請求すると決めた場合には、すぐに時効を止めるための行動をする必要があります。
具体的には、会社に対して、残業代を請求する旨を記載した通知書を内容証明郵便により郵送することで、残業代の支払いを催告することになります。
例えば、「本書面到達の日から遡って2年分の割増賃金を含む未払い賃金すべて及びこれに対する各支払い日の翌日からの遅延損害金の支払いを請求いたします。」と通知書に記載しておきましょう。
これにより催告から6か月間は時効の完成が猶予されることになり、その間に手続きを行うことができます。
STEP2:証拠を集める
残業代の請求をする方法のSTEP2は、
ことです。
残業代請求に必要な証拠には、
・労働条件に関する証拠
・労働時間に関する証拠
があります。
労働条件に関する証拠
労働条件に関する証拠には、例えば以下のものがあります。
・雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則
・給与規程
これらのうち、どれか一つがあればいいというわけではなく、複数集めた上でどの労働条件が労働者にとって有利かを検討します。
労働時間に関する証拠
飲食店の労働時間に関する証拠には、例えば以下のものがあります。
①があると心強いですが、これがない場合には、②や③の証拠がないかを検討します。
①②③いずれもない場合には、やむを得ないため、④の証拠により、残業時間を立証していくことになります。
特に、飲食店の場合には、「休憩時間」と「開店前の準備の時間」がよく争いとなります。
これらについて、タイムカードが実際の休憩時間や開店前の準備時間を反映している場合には、これにより立証することができます。
しかし、例えば、休憩時開始時点と終了時点でタイムカードを打刻していなかったり、開店前の出社した時点でタイムカードを打刻していなかったりすると、他の証拠が必要となります。
そのため、タイムカードに実際の休憩時間や開店前の準備時間が反映されていない場合には、メモをつけるようにしましょう。
メモには、実際に休憩を開始した時間や終了した時間や開店前の準備を開始した時間、具体的に行った業務内容等を記載するようにしましょう。
STEP3:交渉をする
残業代の請求をする方法のSTEP3は、
ことです。
証拠を集めたら、残業代の金額を計算して、その金額を支払うように会社との間で交渉することになります。
交渉を行う方法については、文書でやり取りする方法、電話でやり取りする方法、直接会って話をする方法など様々です。相手方の対応等を踏まえて、どの方法が適切かを判断することになります。
残業代の計算方法や金額を会社に伝えると、会社から回答があり、争点が明確になりますので、折り合いがつくかどうかを協議することになります。
STEP4:労働審判・訴訟を申し立てる
残業代の請求をする方法のSTEP4は、
ことです。
話し合いでの解決が難しい場合には、労働審判や訴訟などの裁判所を用いた手続きを検討することになります。
労働審判は、全3回の期日で調停を目指すものであり、調停が成立しない場合には裁判所が一時的な判断を下すものです。
労働審判とはどのような制度かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。
飲食店の残業代の判例
それでは、飲食店の残業代について、実際にあった判例を見ていきましょう。
以下では、
・東京地判平30年9月28日労判ジャーナル84号40頁[日比谷Bar事件]
・令和元年12月6日労判ジャーナル100号52頁[ソルト・コンソーシアム事件]
の2つの事例を紹介していきます。
日比谷Bar事件は、「何時間労働したのか」と「管理監督者に当たるのか」が争いとなった事例です。
ソルト・コンソーシアム事件は、「固定残業代の支払いの有無」が争いとなった事例です。
東京地判平30年9月28日労判ジャーナル84号40頁[日比谷Bar事件]
同裁判例は、飲食店で勤務する従業員の方が残業代を請求した事件で、「何時間労働したのか」、「管理監督者に当たるか」の2点が争いとなりました。
[何時間労働したか]
この従業員の方は、レジ閉めを担当していました。
具体的には、当日夜に最後の客の会計(レジ打ち)が終了した後に一度レジ閉めを行い、翌日、入金を確定させるため、店舗への出勤後、最初に再度レジ閉め(本閉め)を行う運用をしていました。
そのため、裁判所は、本閉めの時刻を出勤時刻、当日夜のレジ閉めの時刻を退勤時刻として実労働時間を認定するのが相当であるとしました。
[管理監督者に当たるか]
この従業員の方は、従業員のシフト作成、アルバイトの本件店舗への配属の拒否にかかる面接、本件店舗の予算案の作成、PLの作成といった店舗の労務管理に関わっていました。
しかし、アルバイトの採否自体の判断はこの従業員は関与せず会社において行われており、この従業員の賃金が他の従業員と比較して管理監督者としての職責に見合うものであったとはいえないことや店長を含めた出勤表が存在することなどを考慮して、管理監督者に当たらないとしました。
以上より、残業代196万6206円の請求が認容されました。
令和元年12月6日労判ジャーナル100号52頁[ソルト・コンソーシアム事件]
同裁判例は、飲食店で勤務する従業員の方が残業代を請求した事件で、「固定残業代の支払いの有無」が問題となりました。
裁判所は、証人は、採用面接時に時間外手当等の説明をしたとの証言するものの、2度にわたる面接のいずれにおいても各手当の具体的な金額を説明していないことを認めており、この合意を証明する雇用契約書や労働条件通知書も作成されていないので、その証言は信用できないとしています。
以上より、残業代583万1097円の請求が認容されました。
飲食店の残業代請求は弁護士に依頼すべき
残業代請求をする場合には、弁護士に依頼することを強くおすすめします。
その理由は、以下の3つです。
①煩雑な手続きを丸投げできる!
②正当な残業代を回収できる可能性が高まる!
③会社と直接やりとりをせずに済む!
煩雑な手続きを丸投げできる!
弁護士に依頼すれば、
することができます。
残業代を請求する場合には、以下の作業が必要になります。
・証拠の収集
・残業代の計算
・交渉や裁判手続
例えば、残業代請求については、2年分を請求しようとすると700日以上の残業時間を計算したうえで、その他の労働条件についても正確に把握する必要があり、慣れていないと大きな負担となります。
交渉や裁判も専門性の高い手続きであり、自分自身で行う場合の負担は大きなものです。
そのため、残業代を請求する場合には、弁護士に依頼して、これらの手続き丸投げしてしまうことがおすすめなのです。
正当な残業代を回収できる可能性が高まる
弁護士に依頼すれば、
というメリットがあります。
飲食店の残業代請求については、先ほど見たように、会社が以下のような誤解をしていることがあります。
・店長には残業代が出ないとの誤解
・固定残業代がある場合には残業代が出ないとの誤解
・30分未満の残業では残業代が出ないとの誤解
・休憩時間中は業務をしても残業代が出ないとの誤解
・修行や見習い期間中は残業代が出ないとの誤解
・アルバイトには残業代が出ないとの誤解
このような場合に、正当な残業代を取り戻すためには、法律や裁判例に基づいて、説得的に主張を行う必要があります。
また、場合によっては、裁判手続きなどの法的な手続きを進める必要が出る場合もあります。
そのため、より正当な残業代を回収できる可能性を高めるためには、法律の専門家である弁護士に依頼することがおすすめです。
会社と直接やりとりをせずに済む!
弁護士に依頼すれば、あなたは
残業代の請求をすることができます。
会社の上司や社長との間で、残業を払ってほしいと直接やりとりをすることに心理的な抵抗やストレスとを感じてしまう方もいますよね。
弁護士に依頼すれば、このようなやり取りは全て弁護士が行いますので、あなたは会社と直接残業代についてやり取りをする必要はありません。
労働審判などの手続きを取れば、場合によっては、数時間程度、会社との方と同席する必要が生じる可能性もありますが、その場合でも、裁判官や弁護士が同席しています。
そのため、会社とのやり取りに抵抗やストレスを感じる場合には、弁護士に依頼してしまうことがおすすめです。
まとめ
以上のとおり、今回は、飲食店の残業代について、よくある誤解を解消した上で、実は残業に含まれる時間や残業代の計算方法について分かりやすく解説しました。
この記事の要点を簡単にまとめると以下のとおりです。
・飲食店で働いている方も、残業をすれば、当然、残業代をもらう権利があります。
・飲食店の場合に残業代の不払いが多い原因としては、残業代のルールについての誤解があります。
以下の誤解がないか確認してみましょう。
①店長には残業代が出ないとの誤解
②固定残業代がある場合には残業代が出ないとの誤解
③30分未満の残業では残業代が出ないとの誤解
④休憩時間中は業務をしても残業代が出ないとの誤解
⑤修行や見習い期間中は残業代が出ないとの誤解
⑥アルバイトには残業代が出ないとの誤解
・飲食店でよくある以下の4つの時間については、実は残業代を請求できる可能性があります。
①開店前の仕込みの時間
②閉店後の片付けの時間
③買い出しの時間
④メニューを考案する時間
この記事が飲食店で働いている方の残業代の悩みを解消する助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。