未払残業代・給料請求

残業代が出ないのは当たり前?残業代が出ない理由や職種と違法性を解説

会社から残業代が出ないことに悩んでいませんか

労働者が残業をした場合には、労働基準法上、残業代を出さなければならないとされています。

そのため、労働者の方が残業をしたのに残業代が出ない場合には、

原則として違法

です。

確かに、例外的に、「残業代が出ない理由」や「残業代が出ない職種」もあります。

しかし、残業代が出ない場合は限られています。残業代が出ていないケースの多くは、実は残業代が出るはずなのに「勘違い」により残業代が支給されていないものです

残業代が出ていないことについて、あなたが少しでも疑問を感じている場合には、それが違法かどうかこの記事で確認してみましょう。

この記事では、残業代が出ないことの違法性について、残業代が出ない理由や残業代が出ない職種、よくある勘違いとともに解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば残業代が出ないことについての悩みが解消するはずです。

 

 

 

「残業代が出ないのは当たり前」は間違い!

「残業代が出ないのは当たり前」なのではないかと悩んでいませんか。

会社によっては、「社会人として当然のことだ」、「仕事が遅いのが悪いのだから残業代は出さない」などと、理不尽なことを言われるかも知れません

しかし、「残業代が出ないのは当たり前」との考えは間違いです。

以下では、

・残業代が出ない会社の割合
・残業代が出ないことの違法性

について説明します。

残業代が出ない会社の割合

東京都産業労働局における「労働時間管理に関する実態調査」(平成29年3月)によると、「残業代(時間外手当)は全額支給されているか」との質問に対して、

全額支給されていないとの回答は24.3%

となっています。

残業代が全額支給されているか(出典:東京都産業労働局「労働時間管理に関する実態調査」(平成29年3月))

このように多くの会社では残業代が全額支給されていることが分かります。

そのため、残業代が出ないことは決して当たり前のことではないのです。

ただし、全額支給されていない方が24.3%と少なからずいることも事実です

もしも、あなたの残業代が支給されていない場合には、この記事で違法性を確認していただき、早めに弁護士に相談してみましょう。

残業代が出ないことの違法性

労働者が残業をしたのに、残業代が出ない場合には、

原則違法

です。

なぜなら、残業をした場合には、残業代を支払わなければならないと労働基準法により規定されているためです。

労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
1「使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」

具体的には、会社は、労働者が1日8時間・1週間40時間を超えて働いた場合や法定休日に働いた場合、深夜に働いた場合には、残業代が支払われなければなりません。

会社が労働者に対して、法定の残業代を支払わない場合には、以下の罰則が定められています。

6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金

労働基準法119条
「次の各号のいずれかに該当する者は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」
一「…第三十七条…の規定に違反した者」

残業代が出ない理由4つ

会社から残業代が出ないことについて「理由」がある場合もあります。

例えば、会社から残業代が出ない理由としては、以下の4つがあります。

・管理監督者に当たるとの理由
・みなし残業代の範囲で残業が行われているとの理由
・労働者に当たらないとの理由
・会社の指揮命令下ではないとの理由

それでは、順番に説明していきます。

管理監督者に当たるとの理由

残業代が出ない理由の1つ目は、

管理監督者に当たるとの理由

です。

管理監督者に当たる場合には、法定時間を超えて労働したり、法定休日に労働をしたりしても、残業代をもらえないとされています

しかし、管理職の方が、必ず「管理監督者」に当たるわけではなく、「名ばかり管理職」であることもあります。

管理監督者に該当するのは、以下の条件を満たす方で、特に限定的に考えられています。

・経営者との一体性
・労働時間の裁量
・対価の正当性

管理職とされている方は、実際には、「名ばかり管理職」であるというのが実際のところです

管理職の残業代については詳しくは以下の記事で詳しく説明しています。

管理職も残業代を請求できる!?チェックリストで分かる確認事項3つ法律上、管理職の方でも、残業代を請求できるケースがほとんどです。実際には、名ばかり管理職にすぎない方が多いのです。今回は、あなたが名ばかり管理職か確認するポイントを解説します。...

みなし残業代の範囲で残業が行われているとの理由

残業代が出ない理由の2つ目は、

みなし残業代の範囲で残業が行われているとの理由

です。

みなし残業代とは、実際に残業をするかどうかにかかわらず、一定の金額を残業代として支給するものです。

みなし残業代が支給されている場合には、その金額分については既に残業代を支給されていることになります

そのため、みなし残業代の範囲で残業が行われている場合には、これとは別に残業代は出ないことになります。

ただし、みなし残業代が想定する残業時間を超えて残業を行った場合には、その差額分の残業代が出ることになります

例えば、会社が労働者に対して、30時間分のみなし残業代を支給している場合には、労働者が30時間を超えて残業をした場合には、その差額が出ることになります。

みなし残業代については以下の記事で詳しく説明しています。

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労働者に当たらないとの理由

残業代が出ない理由の3つ目は、

労働者に当たらないとの理由

です。

会社との契約が雇用契約ではなく、例えば業務委託契約や請負契約である場合には、残業代がもらえないことがあります

労働基準法は、労働者以外には適用されないためです。

ただし、労働者に当たるかどうかは、実質的に判断されます。

つまり、契約書のタイトルだけ「業務委託契約」や「請負契約」としていても、実際に働いている状況から、雇用契約に当たると判断してもらえる場合もあるのです

具体的には、労働者に当たるかどうかは以下のような事情を考慮して判断します。

1 ①指揮監督関係の存在
⑴ 具体的な仕事の依頼、業務指示等に対する諾否の自由の有無
⑵ 業務遂行上の指揮監督関係の存否・内容
⑶ 時間的および場所的拘束性の有無・程度
⑷ 労務提供の代替性の有無
2 ②報酬の労務対償性
支払われる報酬の性格・額等
3 ③労働者性の判断を補強する要素
⑴ 業務用機材等機械・器具の負担関係
⑵ 専属性の程度
⑶ 服務規律の適用の有無
⑷ 公租公課の負担関係等

そのため、会社と結んだ契約書に「業務委託契約」や「請負契約」と記載されている場合であっても、実質的に労働者に当たる場合には、残業代が出ることになります。

業務委託契約や請負契約の場合に労働者に当たるかについては以下の記事で詳しく説明しています。

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会社の指揮命令下ではないとの理由

残業代が出ない理由の4つ目は、

会社の指揮命令下でないとの理由

です。

労働時間とは、客観的に会社の指揮命令下にある時間をいいます。そのため、業務を行った場合に残業代が発生するためには、会社の明示又は黙示の指示が必要となります

会社が明確に「残業をしてください」と発言することまでは不要ですが、少なくとも労働者の残業を知りつつそれに異議を述べないことなどが必要となります。

例えば、労働者が会社に伝えずに家で仕事をしているような場合には、会社は労働者が残業をしていることを知りません。

そのため、このような場合には、会社の指揮命令下の労働とはいえず、残業代を請求することはできないのです。

自宅で残業をした場合に残業代を請求する条件については以下の記事で詳しく解説しています。

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残業代が「出る職種」と「出ない職種」

残業代については、これが「出る職種」と「出ない職種」があります。

それぞれについて見ていきましょう。

残業代が出る職種

残業代が出ないと勘違いされがちですが実は「残業代が出る」職種として、以下の9つがあります。

・アルバイトやパート
・営業職
・国家公務員(一般職)・地方公務員(教職員を除く)
・医師
・看護師
・トラック運転手
・建設業の従業員
・飲食店の従業員
・私立学校教員

アルバイトやパート

実は残業代が出る職種の1つ目は、

アルバイトやパート

です。

アルバイトやパートであっても、労働者であることに変わりはありませんので労働基準法が適用されます

そのため、アルバイトやパートであっても、正社員と同様、残業をすれば残業代が出ます。

営業職

実は残業代が出る職種の2つ目は、

営業職

です。

営業職であっても、残業をすれば、当然、残業代をもらう権利があります

ただし、会社によっては、営業職については、「労働時間の把握が難しいこと」や「成果が重視されること」を理由にルールを定めている可能性がありますので、それを確認する必要があります。

営業職の残業代については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

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国家公務員(一般職)・地方公務員(教職員を除く)

実は残業代が出る職種の3つ目は、

国家公務員(一般職)・地方公務員(教職員を除く)

です。

国会公務員の一般職の場合には、残業をすれば、法律上は残業代が出ることになっています。一般職の職員の給与に関する法律により、残業については、超過勤務手当や休日給、夜勤手当を支給するとされているためです。これに対して、特別職の場合には、残業代が出るかどうかは、職種別の法律に従うことになります

地方公務員についても、残業をすれば、法律上残業代が出ることになっています。特別職には労働基準法が全面的に適用されますし、一般職にも労働基準法の残業代に関する規定は適用されるためです。ただし、後述するとおり、例えば教職員の場合などの例外があります

地方公務員の残業代については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

地方公務員の残業代請求-残業代を肯定した裁判例や教職員の特例を解説-地方公務員には、一般の企業等に勤める労働者と同様に残業代は支給されるのでしょうか。地方公務員の中でも、教職員などについては特例法が適用されます。今回は、地方公務員の残業代について解説します。...

医師

実は残業代が出る職種の4つ目は、

医師

です。

医師については、残業時間の上限規制の適用は2024年3月31日まで猶予されています。

しかし、残業をすれば残業代が出ることは、他の労働者と同様です

医師は、病院に「時間外労働を申告していない」方が51.5%にのぼっており(平成27年度厚生労働省委託事業 病院アンケート調査結果)、サービス残業が非常に多くなっているという特徴があります。

医師の残業代については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

医師の残業時間の平均や上限は?残業規制の水準3つと残業代のルール医師の残業時間は長時間化しやすい傾向があり、上限についても一般的な残業規制とは異なる部分があります。今回は、医師の残業規制や残業代のルールについて詳しく解説していきます。...

看護師

実は残業代が出る職種の5つ目は、

看護師

です。

看護師も、残業をすれば、他の労働者と同様、残業代を請求することができます

看護師については、約7割がサービス残業を行っているとされています(日本医療労働組合「2017年看護職員実態調査」)。

看護師の残業代請求については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

看護師の残業は多い?残業を減らすための工夫3つと本当の残業代金額看護師の長時間労働が常態化している場合には、残業を減らすための工夫を講じるべきです。今回は、看護師の残業について、その実情や減らすための工夫、残業代について解説します。...

トラックの運転手

実は残業代が出る職種の6つ目は、

トラックの運転手

です。

トラックの運転手についても、残業時間の上限規制の適用は2024年3月31日まで猶予されています。

しかし、残業をすれば残業代が出ることは、他の労働者と同様です

トラック運転手については、労働時間の平均は月210時間を超えており、残業が長時間化しやすい傾向にあります(厚生労働省・国土交通省「トラック輸送状況の実態調査結果(全体版)」(平成27年))。

トラック運転手の残業代については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

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建設業の従業員

実は残業代が出る職種の7つ目は、

建設業の従業員

です。

建設業についても、残業時間の上限規制の適用は2024年3月31日まで猶予されています。

しかし、残業をすれば残業代が出ることは、他の労働者と同様です

建設業においては、サービス残業をしている方(残業代が「一部支払われている」「全く支払われていない」と回答した方)の割合は、18.2%となっています(平成30年度厚生労働省委託 過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業 報告書(建設業に関する調査))。

建設業の残業代については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

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飲食店の従業員

実は残業代が出る職種の8つ目は、

飲食店の従業員

です。

飲食店で働く従業員の方も、他の労働者と同様、残業をすれば、残業代が出ます

ただし、多くの飲食店では、残業代に関して誤った理解がされており、残業代が出ていないというのが現状です。

飲食店の残業代については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

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私立学校教員

実は残業代が出る職種の9つ目は、

私立学校教員

です。

公立学校教員と異なり、私立学校教員には給特法の規定の適用はありませんので、通常通り、労働基準法が適用されます

そのため、私立学校教員については、他の労働者と同様、残業をすれば、法律上、残業代が出ることになっているのです。

残業代が出ない職種

これに対して、残業代が出ない職種としては、例えば以下の4つがあります。

・農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業
・秘書等の機密事務取扱者
・警備員・マンション管理人等の監視又は断続的労働に従事する者
・公立学校の教職員

順に説明していきます。

農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業

残業代が出ない職種の1つ目は、

農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業

です。

これらの職種については、天候や季節等の自然条件に強く影響されやすいため、法定時間外労働や法定休日労働に対して、残業代が出ないとされています。

ただし、以下の場合には、残業代が出る可能性があります。

☑深夜残業をした場合
☑同一の事業場で他に主たる業務を行っている場合
☑雇用契約書や就業規則で決めた時間を超えて労働した場合

農業従事者の残業代については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

農業従事者は残業代を請求できる?-確認すべき4つのポイントを解説-農業従事者には、労働基準法の一部の規定の適用が除外されています。農業従事者は、長時間の労働をした場合には、使用者に対して、残業代を請求することはできるのでしょうか。今回は、農業従事者の残業代請求について解説します。...

秘書等の機密事務取扱者

残業代が出ない職種の2つ目は、

秘書等の機密事務取扱者

です。

機密事務取扱者については、法定時間外労働や法定休日労働に対して、残業代が出ないとされています

ただし、秘書であれば、誰でも機密事務取扱者に当たるというわけではありません。

機密事務取扱者に当たるのは、社長秘書や役員秘書など管理監督者の方と一体となっている方に、限定されています

そのため、医療秘書・弁護士秘書・学者秘書、秘書長室等の指示等で働く方は、残業代が出る可能性が高いのです。

警備員・マンション管理人等の監視又は断続的労働に従事する者

残業代が出ない職種の3つ目は、

警備員・マンション管理人等の監視又は断続的労働に従事する者

です。

監視労働に従事する者とは、一定部署にあって監視するのを本来の業務とし、常態として身体または精神的緊張が少ない労働に従事する方のことです。

断続的労働に従事する者とは、実作業が間欠的に行われ、手待ち時間の多い労働に従事する方のことです。

これらの方については、会社が労働基準監督署長の許可を受けた場合には、法定時間外労働や法定休日労働に対して、残業代が出ないとされています

公立学校の教職員

残業代が出ない職種の4つ目は、

公立学校の教職員

です。

公立学校の教職員については、給特法により、時間外勤務手当及び休日勤務手当は支給しないとされています

しかし、その代わりに、給料月額の100分の4に相当する額を基準として、教職調整額が支給されています

そのため、公立学校の教職員は、時間外労働や休日労働をしても残業代が出ないのです。

実は残業代が出る場合!よくある勘違い7つ

残業代が出るはずなのに、会社の勘違いにより、残業代が出ていない場合があります。

よくある勘違いとしては、例えば、以下の7つがあります。

・残業代が出ない契約をしているとの勘違い
・研修中は残業代が出ないとの勘違い
・早出は残業代が出ないとの勘違い
・年俸制では残業代が出ないとの勘違い
・歩合制では残業代が出ないとの勘違い
・フレックスタイム制では残業代が出ないとの勘違い
・変形労働時間制では残業代が出ないとの勘違い

順番に説明していきます。

残業代が出ない契約をしているとの勘違い

残業代が出ていない場合によくある勘違いの1つ目は、

残業代が出ない契約をしているとの勘違い

です。

会社が残業代を支払わなければいけないことは労働基準法で定められています。

そして、この労働基準法よりも不利な契約を結んだ場合には、その部分については無効になるとされています。

そのため、残業代が出ないとの契約をしている場合であっても、会社は残業代を出さなければなりません

研修中は残業代が出ないとの勘違い

残業代が出ない場合によくある勘違いの2つ目は、

研修中は残業代が出ないとの勘違い

です。

会社によっては、試用期間中などは、「まだ半人前なので残業代は出ない」などと述べることがあります。

しかし、研修期間や試用期間であっても、労働者であることに変わりはありません

そのため、研修中であっても、会社は残業代を出さなければなりません。

早出は残業代が出ないとの勘違い

残業代が出ない場合によくある勘違いの3つ目は、

早出は残業代が出ないとの勘違い

です。

始業時刻前に出社した場合であっても、会社の明示又は黙示の指示があるような場合には、労働時間に該当します

例えば、労働者が始業時刻前に業務をしていることを会社が認識しつつ異議を述べないような場合には、黙示の指示が認められる可能性が高いといえます。

ただし、会社に遅刻しないように始業時刻前に来ただけで、始業時刻になるまで業務をしていない場合には、労働時間に当たるということはできません。

早出残業については、以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

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年俸制では残業代が出ないとの勘違い

残業代が出ていない場合によくある勘違いの4つ目は、

年俸制では残業代が出ないとの勘違い

です。

年俸制がとられている場合でも、直ちにその中に残業代が含まれているは限りません。

年俸の中に残業代を含めるとの合意がある場合であっても、実際に残業代が含まれているというためには、その金額が明確である必要があります。

そのため、年俸制であることは、残業代の支払いをしなくていい理由にはならないのです

以下の記事で、年俸制がとられている場合の残業代について詳しく説明しています。

【保存版】年俸制でも残業代を請求することができる!?使用者は、年俸制を採用していること自体を理由として、残業代の支払いを拒むことはできません。今回は、年俸制が採用されている場合における残業代について解説します。...

歩合制では残業代が出ないとの勘違い

残業代が出ていない場合によくある勘違いの5つ目は、

歩合制では残業代が出ないとの勘違い

です。

まず、労働基準法では、完全歩合制は禁止されています。

そのため、労働者の場合の歩合制は、固定給部分があり、それとは別に一部歩合部分があることになります。

固定給部分については、通常通り残業代が出ます

また、歩合部分についても、少し計算は異なりますが残業代が出るとされています

歩合制の場合の残業代の計算式は以下のとおりです。

フレックスタイム制では残業代が出ないとの勘違い

残業代が出ていない場合によくある勘違いの6つ目は、

フレックスタイム制では残業代が出ないとの勘違い

です。

フレックスタイム制というのは、労働者が1カ月、1年などの単位期間の中で一定時間数労働することを条件として、1日の労働時間を自己の選択する時に開始したり、終了したりできる制度です。

フレックスタイム制であっても、1か月・1年などの清算期間における1週間当たりの平均労働時間が40時間を超える場合に残業時間となります

そのため、フレックスタイム制でも残業代を請求することができます。

フレックスタイム制については、以下の記事で詳しく解説しています。

フレックスタイム制-適用要件と効果-我が国では労働者が始業・終業時刻を選択するフレックスタイム制が導入されました。今回は、フレックスタイム制について解説します。...

変形労働時間制では残業代が出ないとの勘違い

残業代が出ていない場合によくある勘違いの7つ目は、

変形労働時間制では残業代が出ないとの勘違い

です。

変形労働時間制とは、あらかじめ法定労働時間を超えて労働させることができる日や週を定めておき、一定期間において平均して週の法定労働時間を超えなければ、残業代は発生しないとする制度です。

例えば、以下のように、8時間を超えて労働する日があっても、残業にならないことになります。

変形労働時間制

しかし、変形労働時間制では、以下の場合に残業時間となります

①あらかじめ法定労働時間を超えて労働させる旨を定めた日や週においては、その定めた時間を超えて労働した場合
②あらかじめ法定労働時間を超えて労働させる旨を定めていない日や週においては、法定労働時間を超えて労働した時間
③変形期間における法定労働時間の総枠を超えて労働させた時間

そのため、変形労働時間制でも残業代を請求することができます。

変形労働時間制の残業代については、以下の記事で詳しく解説しています。

変形労働時間制とは?残業代がもらえる3つの場合をわかりやすく解説変形労働時間制だから残業代を請求できないと考えていませんか?変形労働時間制を採用している会社の多くは法律上の条件を満たしておらず、仮に条件が満たされていても残業代は発生します。今回は、変形労働時間制とは何かについて簡単に説明します。...

 

残業代が出ないことの相談先

残業代が出ないことのおすすめの相談窓口は、以下の5つです。

・社内通報窓口
・労働条件相談ほっとライン
・労働組合
・弁護士
・労働基準監督署

それぞれの相談先の特徴は以下のとおりです。

残業代未払いの相談窓口の特徴

以下のフロチャートに沿って相談先を決めるといいでしょう。

残業代未払いの相談先フローチャート

残業代が出ない場合の相談先について、詳しくは以下の記事をお読みください。

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残業代を出してもらう方法

残業代を出してもらうには、例えば以下の順で請求をしていくことになります。

①通知書の送付
②残業代の計算
③交渉
④労働審判・訴訟の申し立て

①通知書の送付をすることには、(ⅰ)時効を一時的に止める目的、(ⅱ)資料の開示を請求する目的があります。例えば、以下のような書面を会社に送付します。

※御通知のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、御通知のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

②資料を取得したら、それを元に残業代を計算しましょう。残業代の計算方法については以下の記事で詳しく解説しています。

会社の計算は正確?5ステップで簡単にできる残業代の正しい計算方法残業代の計算方法は、労働基準法で決められていますので、会社がこれよりも不利益な計算ルールを定めても無効です。今回は、残業代を計算する方法を5つのステップで誰でも分かるように簡単に説明します。...

 

 

③正確な残業代の金額を計算したら、その金額の支払いを求めて会社と交渉をすることになります。文書でやり取りをすることもありますし、電話や面談などで話し合いをすることもあります。

④話し合いで解決しない場合には、労働審判や訴訟など裁判所を用いた手続きを利用することも検討してみましょう。

 

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まとめ

以上のとおり、今回は、残業代が出ないことの違法性について、残業代が出ない理由や残業代が出ない職種、よくある勘違いとともに解説しました。

この記事の要点を簡単にまとめると以下のとおりです。

・労働者が残業をしたのに、残業代が出ない場合には、原則違法です。

・会社から残業代が出ない理由としては、①管理監督者に当たるとの理由、②みなし残業代の範囲で残業が行われているとの理由、③労働者に当たらないとの理由、④会社の指揮命令下ではないとの理由の4つがあります。

・実は「残業代が出る」職種として、①アルバイトやパート、②営業職、③国家公務員(一般職)・地方公務員(教職員を除く)、④医師、⑤看護師、⑥トラック運転手、⑦建設業の従業員、⑧飲食店の従業員、⑨私立学校教員があります。

・残業代が出ない職種として、①農業、畜産業、漁業、水産養殖業、養蚕業、②秘書等の機密事務取扱者、③警備員・マンション管理人等の監視又は断続的労働に従事する者、④公立学校の教職員があります。

この記事が、残業代が出ないことに悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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