能力不足を理由にして会社から退職勧奨をされてしまい悩んでいませんか?
退職勧奨をされるとモチベーションも下がってしまいますし職場で働きにくくなる一方で、生活やキャリアにも不安を感じてしまい、どうすればいいのか困ってしまいますよね。
退職勧奨の中でも能力不足を理由とするものは、非常に多くなっています。
能力不足を理由に退職勧奨されやすいケース3つを整理すると以下のとおりです。
ケース1:試用期間満了時の能力不足での退職勧奨
ケース2:中途採用社員の能力不足での退職勧奨
ケース3:外資系のPIP不達による退職勧奨
能力不足を理由に退職勧奨された場合には、その場で署名押印せず一度持ち帰り、弁護士に相談するようにしましょう。
退職勧奨による離職については会社都合退職なるのが原則であり、これは能力不足による退職勧奨でも同様です。
実は、能力不足を理由とする退職勧奨については、どのように対応していくかによって結果は大きく変わってきます。
とくに退職勧奨をされた直後の初動が大事であり、もっと早く相談いただきたかったと感じることが少なくありません。
この記事をとおして、能力不足を理由とする退職勧奨をされた方が後悔しないために必要な知識をわかりやすく伝えていくことができればと思います。
今回は、能力不足を理由に退職勧奨について、試用期間や中途採用と簡単な対処法4つを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
能力不足を理由とする退職勧奨については、以下の動画で詳しく解説しています。
この記事を読めば、能力不足を理由に退職勧奨をされたらどうすればいいのかがよくわかるはずです。
目次
能力不足を理由とする退職勧奨は非常に多い
退職勧奨の中でも能力不足を理由とするものは、非常に多くなっています。
昨今では、企業も解雇をするハードルが高いということが認識するに至り、解雇をする前に自主的に退職するように労働者に対して促す傾向にあります。
退職勧奨の理由には、能力不足、コミュニケーション不足、業務態度、経営の悪化、ポジションクローズなど様々なものが存在します。
この中でもとくに多い理由が能力不足であり、退職勧奨をされる際のもっとも典型的な理由となります。
退職勧奨は、会社からのお願いにすぎないので、これに応じるかどうかは労働者の自由です。
もっとも、退職勧奨については、その対応により大きく結果変わる可能性があり、法的な見通しやリスクを分析したうえで、適切に対処していくべきです。
能力不足を理由に退職勧奨されやすいケース3つ
能力不足を理由に退職勧奨されやすいケースについては、一定の傾向があります。
傾向を知っておくことにより対策も講じやすくなるでしょう。
能力不足を理由に退職勧奨されやすいケース3つを整理すると以下のとおりです。
ケース1:試用期間満了時の能力不足での退職勧奨
ケース2:中途採用社員の能力不足での退職勧奨
ケース3:外資系のPIP不達による退職勧奨
それでは、これらのケースについて順番に説明していきます。
ケース1:試用期間満了時の能力不足での退職勧奨
能力不足を理由に退職勧奨をされるケースの1つ目は、試用期間満了時です。
試用期間とは、入社後に採用の際にはわからない適性を見極めるための期間として設けられる期間です。
通常、入社日から3か月程度の試用期間が設けられている会社が多いです。
試用期間の働きぶりを見て、採用の際に期待した能力に達しないと判断されると、本採用を拒否されることになります。
ただし、会社側は、紛争リスクを回避するために、本採用を拒否する前に自主的に退職するように退職勧奨を行うのです。
試用期間中の本採用拒否については、以下の記事でも詳しく解説しています。
ケース2:中途採用社員の能力不足での退職勧奨
能力不足を理由に退職勧奨をされるケースの2つ目は、中途採用社員です。
新卒社員と異なり、中途採用社員は即戦力となることを期待されて採用される傾向にあります。
期待した能力に達しない場合には、丁寧に業務改善指導を重ねたり、異動などを繰り返したりするのではなく、退職を迫られる傾向にあります。
ケース3:外資系のPIP不達による退職勧奨
能力不足を理由に退職勧奨をされるケースの3つ目は、PIPの不達です。
PIPとは、業務改善プログラムのことをいいます。
外資系企業などでは、パフォーマンス不足で従業員を退職させる前にPIPを行う傾向にあります。
そして、PIPが不達に終わると退職勧奨を行い、労働者が退職勧奨に応じないと解雇に進んでいく企業が多いのです。
外資系企業のPIPについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
能力不足を理由に退職勧奨をされた場合の対処法
労働者が会社から能力不足を理由に退職勧奨をされた場合には、冷静に対処していく必要があります。
生活やキャリアを守る必要があり、焦って誤った対応をしてしまうと不利益を受けてしまう可能性があるためです。
具体的には、能力不足を理由に退職勧奨をされた場合には以下の方法により対処していきましょう。
対処法1:退職合意書に署名押印せず持ち帰る
対処法2:退職を認める発言をしない
対処法3:弁護士に相談する
対処法4:退職条件を交渉する
それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
対処法1:退職合意書に署名押印せず持ち帰る
能力不足を理由に退職勧奨をされた場合の対処法の1つ目は、退職合意書に署名押印をせずに持ち帰ることです。
一度、署名押印をしてしまうと後から撤回することは容易ではありませんし、その場で退職合意書の内容を正確に理解し、冷静な判断を行うことはできないためです。
例えば、「弁護士に相談したいので一度持ち帰らせていただきます。」とだけ回答するといいでしょう。
会社によっては、この場で署名押印するようにと迫ってくることもありますが、内容を正確に把握しないまま署名押印することは非常に危険なので注意しましょう。
対処法2:退職を認める発言をしない
能力不足を理由に退職勧奨をされた場合の対処法の2つ目は、退職を認める発言をしないことです。
退職の合意書は署名押印をせずとも、口頭によっても成立するためです。
また、労働者が退職自体に合意した後は、それ以上、退職条件の交渉等を行うことは難しくなってしまいます。
会社が労働者に有利な退職条件を提示してくるのは、労働者に退職に応じてもらうためです。
労働者自身が退職することを決めた後は、会社側が労働者に有利な退職条件を提示する理由もなくなります。
そのため、生活やキャリアを維持できるだけの退職条件を獲得するまでは、退職を認める発言はするべきではないのです。
対処法3:弁護士に相談する
能力不足を理由に退職勧奨をされた場合の対処法の3つ目は、弁護士に相談することです。
退職勧奨への対応で後悔しないためには、見通しやリスクを適切に分析し、適切に方針を決めたうえで、一貫した対応を行っていく必要があります。
とくに退職勧奨の事案については、専門性が高い分野となっております、この分野に精通した弁護士に相談するといいでしょう。
対処法4:退職条件を交渉する
能力不足を理由に退職勧奨をされた場合の対処法の4つ目は、退職条件を交渉することです。
条件次第で退職することも検討する余地があるという場合には、生活やキャリアを維持するために十分な補償を得ることができる交渉していくことが考えられます。
例えば、典型的な退職条件として提示されることが多いのは、特別退職金です。
特別退職金とは、退職に応じる代わりに通常の退職金に割り増して支給される退職金のことです。
特別退職金については、以下の記事で詳しく解説しています。
他にも、キャリア上のブランクを空けることなく転職に集中したいような方はガーデンリーブを交渉することが考えられます。
ガーデンリーブとは、退職の際に、一定期間、労務を免除したうえで給与を支給する代わりに、その期間につき競業避止義務を負わせる契約(合意)のことです。
ガーデンリーブについては、以下の記事で詳しく解説しています。
その他、離職理由や有給の買取、アウトプレースメントなど交渉すべき事項は多岐にわたります。
ただし、一度、会社側に対して、退職条件を提示してしまうと、後からより有利な条件を提示することは容易ではありません。
その交渉経緯からは、後からのリカバリーが困難となってしまうことも珍しくありません。
会社側に条件を提示する際には、慎重に検討を重ねた結果行うべきであり、弁護士に相談してからにした方が良いでしょう。
能力不足を理由とする退職勧奨で離職した際の失業保険
退職勧奨による離職については会社都合退職なるのが原則であり、これは能力不足による退職勧奨でも同様です。
ハローワークインターネットサービスでも、特定受給資格者の範囲として、「事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者」が挙げられています。
ハローワークインターネットサービス – 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要 (mhlw.go.jp)
会社都合退職だと、失業保険との関係で特定受給資格者として、早期に受給を受けられたり、支給を受けることができる日数が長かったりといったメリットがあります。
失業保険を活用することで、解雇日以降の生活を維持しやすくなります。
退職勧奨と会社都合退職については、以下の記事で詳しく解説しています。
退職勧奨対応はリバティ・ベル法律事務所にお任せ
退職勧奨対応については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
この分野は、専門性が高い分野であるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
解雇された場合の見通しを分析したうえで、あなたの意向を踏まえて、企業の性質に応じて適切に方針を策定する必要があります。
リバティ・ベル法律事務所では、解雇や退職勧奨事件に力を入れており、特に外資系企業とのパッケージ交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しています。
以下のページでリバティ・ベル法律事務所の実績の一部を公開していますので読んでみてください。
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また、退職勧奨対応については、依頼者の方の負担を軽減するために着手金無料、完全成功報酬としております。
初回相談は無料となっておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
以上のとおり、今回は、能力不足を理由に退職勧奨について、試用期間や中途採用と簡単な対処法4つを解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・退職勧奨の中でも能力不足を理由とするものは、非常に多くなっています。
・能力不足を理由に退職勧奨されやすいケース3つを整理すると以下のとおりです。
ケース1:試用期間満了時の能力不足での退職勧奨
ケース2:中途採用社員の能力不足での退職勧奨
ケース3:外資系のPIP不達による退職勧奨
・能力不足を理由に退職勧奨をされた場合には以下の方法により対処していきましょう。
対処法1:退職合意書に署名押印せず持ち帰る
対処法2:退職を認める発言をしない
対処法3:弁護士に相談する
対処法4:退職条件を交渉する
・退職勧奨による離職については会社都合退職なるのが原則であり、これは能力不足による退職勧奨でも同様です。
この記事が能力不足を理由に退職勧奨をされてしまい悩んでいる労働者の方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。