労働一般

自分でも簡単!ひな形・記載例でわかる労働審判申立書の書き方と部数

自分でも簡単!ひな形・記載例でわかる労働審判申立書

労働審判申立書の書き方がよくわからなくて悩んでいませんか?

労働審判は、通常の訴訟とは異なる手続きですのですので、申立方法や書式を調べても中々いい情報が見つからないですよね。

労働審判申立書自体は、誰でも簡単に作ることができます

また、ひな形や記載例などを使うことで最低限のポイントを抑えることができます

しかし、労働審判では申立書の内容が結果に大きく影響しますので、労働審判を申し立てればいいというわけではありません。

よりよい解決を目指すのであれば、事案に応じた質の高い申立書を作成することが重要です。これについては、一朝一夕で身につく能力ではありません

そのため、労働審判の申し立てについては、基本的には、弁護士に依頼することを強くおすすめします。

ただし、申立費用の金額が低く、弁護士に依頼すると費用倒れになってしまう方もいるはずです。そのような場合には、やむを得ず自分だけで労働審判の申し立て手続きをせざるを得ないということもあるでしょう。

もっとも、労働審判の申し立て方法について、一般の方向けにわかりやすく書いた本や法律サイトはあまりないのが現状です。専門書などですと、前提とされている暗黙知が多すぎて、裁判を経験したことがない方が読んでも理解が困難なのです。

この記事では、弁護士に依頼することができない方でも、労働審判を利用できるように、自分で申し立て手続きを行う方法をわかりやすく説明していきます。

今回は、労働審判申立書の書き方や部数をひな形や記載例を用いて誰でもわかるように解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば労働審判の申し立て方法がよくわかるはずです。

裁判実務がわかる簡単実践記事とは

 

 

 

 

 

労働審判申立書とは

労働審判申立書とは、労働審判を申し立てるために提出する必要がある書面であり、申立の趣旨や申し立ての理由、予想される争点などが記載されたものです。

労働審判申立のイメージ法律上、労働審判を申し立てるには、申立書を裁判所に提出しなければならないとされていますので、労働審判申立書の作成は不可欠です。

労働審判法5条(労働審判手続の申立て)
1「当事者は、個別労働関係民事紛争の解決を図るため、裁判所に対し、労働審判手続の申立てをすることができる。」
2「前項の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。」

労働審判申立書に対して、会社から答弁書が提出されることになりますし、労働審判申立書に沿って当日の審理がされることになります。

特に、労働審判申立書と訴状の大きな違いとして、労働審判申立書においては、原則として、必要な主張を全て行うことを予定しています。迅速な解決を可能とするためです。

つまり、労働審判申立書の記載が結果に及ぼす影響のウェイトはとても大きいのです。申立書の段階で構成を誤ったり、不十分な主張しかしていなかったりすると、解決の内容もそれ相応のものになります

そのため、労働審判を有利に進めるためには、労働審判申立書の作成のポイントを押さえておくことが重要な課題です。

労働審判申立書の書き方|ひな形・記載例付き

それでは、具体的な労働審判申立書の書き方を説明していきます。

労働審判申立書の書き方を説明するにあたっては、以下の順序で説明していきます。

・法律上記載しなければいけない事項
・質の高い労働審判を作成するポイント
・労働審判申立書のひな形

専門性の高い事項が多いですが、誰でもわかりやすいように説明していきます。

法律上記載しなければいけない事項

労働審判申立書には以下の事項を記載しなければならないとされています。

記載事項1:当事者及び法定代理人
記載事項2:申立ての趣旨及び理由
記載事項3:事件の表示
記載事項4:年月日
記載事項5:裁判所の表示
記載事項6:予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
記載事項7:予想される争点ごとの証拠
記載事項8:当事者間においてされた交渉その他の申立てに至る経緯の概要

記載事項1:当事者及び法定代理人

当事者とは、申立人と相手方のことです。労働者が申し立てを行う場合は、申立人は労働者、相手方は使用者(つまり会社)です。

なお、法定代理人は、本人が未成年又は成年被後見人の場合などに記載する必要があります。

当事者と法定代理人については、具体的には以下の事項を記載することになります。

・当事者等の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
・当事者、利害関係参加人又は代理人の郵便番号及び電話番号

記載事項2:申立ての趣旨及び理由

申立の趣旨とは、申立人がどのような審判を求めるのかを簡潔に記載したものです。

例1:地位確認(解雇無効)
申立人が相手方に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する
例2:解雇後の賃金(バックペイ)
相手方は、申立人に対し、令和〇年〇月〇日から本労働審判確定の日まで、毎月〇日限り各金○万〇円及びこれに対する各支払日の翌日から年3分の割合による金員を支払え
※令和〇年〇月〇日は解雇日を記入します。
例3:未払い賃金・残業代
相手方は、申立人に対して、金〇万〇円及びこれに対する令和〇年〇月〇日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え
※令和〇年〇月〇日は支払日の翌日です。
例4:付加金
相手方は、申立人に対して、金○万〇円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え
※付加金は労働審判では認められませんが、除斥期間との関係で訴訟に移行した場合を見越して記載しておくのが通例です。判決を見越したものですので遅延損害金の起算日は「本判決確定の日の翌日」となります。
例5:不法行為に基づく損害賠償
相手方は、申立人に対して、金〇万〇円及びこれに対する令和〇年〇月〇日から支払い済みまで年3分の割合による金員を支払え
※令和〇年〇月〇日は不法行為日を書きます。
例6:申立費用
申立費用は相手方の負担とする
※申立費用の記載は必ずしも必要ではありませんが慣例に従ってこのように記載します。なお、労働審判では申立費用は各自の負担となるのが原則です。

申立の理由とは、申し立ての対象となる権利又は法律関係の発生原因事実のことです。
つまり、あなたの申し立てている権利がなぜ発生したといえるのかを記載することになります。

記載事項3:事件の表示

申立書には、事件の表示をする必要があります。

申立段階では、裁判所による事件番号は未だ付されていませんので、申立人が事件名を考えて記載することになります。

例えば、以下のような事件名とすることが多いです。

例1:解雇の無効
地位確認等請求事件
例2:未払賃金・残業代
未払賃金請求事件
例3:損害賠償請求
損害賠償請求事件

記載事項4:年月日

労働審判申立書の作成年月日を記載する必要があります。
裁判所に申立書を提出した日を書くことが多いでしょう。ただし、郵送により提出する場合には、発送した日を記載することが多いでしょう。

記載事項5:裁判所の表示

労働審判を申し立てる裁判所を記載します。つまり、あなたが労働審判申立書を提出する裁判所です。

「〇〇地方裁判所 御中」と記載すれば足りますが、専門部などがある裁判所で労働審判を申し立てる部が分かっている場合には、「〇〇地方裁判所第〇民事部 御中」などと記載します。

記載事項6:予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実

労働審判では、相手方の答弁書を待たずに、申立書で先回りして主張を行います。事件を迅速に解決するためです。

そのため、相手方からの反論を想定して、どの点が争いとなる可能性があるのかを記載したうえで、それについてあなたの主張の方が説得的である理由を記載することになります。

記載事項7:予想される争点ごとの証拠

記載事項6と同様、予想される争点ごとの証拠も先回りして提出することになります

記載事項8:当事者間においてされた交渉その他の申立てに至る経緯の概要

労働審判では、迅速な話し合いが可能となるように、裁判所外でどのような交渉をして申し立てをするに至ったのかを記載します

労働審判法5条(労働審判手続の申立て)
3「前項の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。」
一「当事者及び法定代理人」
二「申立ての趣旨及び理由」
労働審判手続規則37条(非訟事件手続規則の準用)
「特別の定めがある場合を除いて、労働審判事件に関しては、非訟事件手続規則の規定(同規則第八条から第十一条までの規定中忌避に関する部分並びに同規則第十五条、第二十一条(民事訴訟規則第七十七条を準用する部分を除く。)、第四十四条、第四十五条及び第五十条の規定を除く。)を準用する。」
非訟事件手続規則1条(当事者等が裁判所に提出すべき書面の記載事項)
1「申立書その他の当事者、利害関係参加人又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者、利害関係参加人又は代理人が記名押印するものとする。」
一「当事者及び利害関係参加人の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所」
二「当事者、利害関係参加人又は代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。次項において同じ。)」
三「事件の表示」
四「附属書類の表示」
五「年月日」
六「裁判所の表示」
労働審判規則9条(労働審判手続の申立書の記載事項等・法第五条)
1「労働審判手続の申立書には、申立ての趣旨及び理由並びに第三十七条において準用する非訟事件手続規則(平成二十四年最高裁判所規則第七号)第一条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。」
一「予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
二「予想される争点ごとの証拠
三「当事者間においてされた交渉(あっせんその他の手続においてされたものを含む。)その他の申立てに至る経緯の概要

質の高い労働審判申立書を作成するポイント

労働審判申立書は、法律上必要なことだけ書けば良いというわけではありません。

法律上必要な記載がされていることは、最低限必要とされていることであり、有利に手続きを進めていくためには申立書の質を高めることが大切です

以下では、質の高い労働審判申立書を作成するために最低限意識していただきたいポイントを説明していきます。

【内容面】
ポイント1:メリハリを意識して記載する
ポイント2:争点と関係ない不満や感情論はほどほどにする
ポイント3:近い事案で有利な裁判例を調査する
ポイント4:不利な事実から逃げずにフォローする
ポイント5:申立書に証拠の見てほしい箇所を引用する
【形式面】
ポイント6:事実は具体的に記載する
ポイント7:一文は短くする
ポイント8:項目にタイトルをつける
ポイント9:誤字・脱字はなくす

ポイント1:メリハリを意識して記載する

労働審判申立書作成のポイントの1つ目は、メリハリを意識して記載することです。

なぜなら、労働審判は、全3回と期日の回数が限られており、通常、その中でも事実の審理が行われるのは第1回目の期日前半の1時間程度だけだからです。

つまり、短い時間であなたの主張を理解してもらう必要があります

具体的には、争点以外の箇所の記載は最低限の事項に触れる程度にして争点に関してはあなたの主張が説得的であることを理解してもらえる程度に厚く書くことになります。

このような記載方法は、労働審判規則で、あえて「予想される争点」と「争点に関連する重要な事実」を書く必要があるとされている趣旨にも沿うことになります。

ポイント2:争点と関係ない不満や感情論はほどほどにする

労働審判申立書作成のポイントの2つ目は、争点と関係ない不満や感情論はほどほどにすることです。

労働審判を申し立てる方のほとんどは、会社に対して、多くの不満があるでしょう。時には、会社のコンプライアンス違反なども指摘したくなることも多いはずです。

しかし、労働審判は、あなたの権利が認められるかどうかを審理する場ですので、申し立てている権利と関係のない事項に関しては、頑張って主張しても審理してもらえません

むしろ、関連性のない主張を多く行うことで、重要な事実がぼやけてしまいますので注意が必要です。

これはあくまでも労働審判という特性からくるものですので、当然あなたの不満やコンプライアンス違反も重要な問題です。これらは例えば、職場環境の改善は労働組合等、コンプライアンス違反は各行政機関等に相談するなど別の方策を検討することになります。

ポイント3:近い事案で有利な裁判例を調査する

労働審判申立書作成のポイントの3つ目は、近い事案で有利な裁判例を調査することです。

争点について、あなたがどのような主張をすれば労働審判委員会を説得できるのか悩みますよね。

そこで指標になるのが裁判例です。可能であれば、裁判例を複数調査してその傾向を分析することが有用です。

例えば、どのような事実が認められる事案で、どのような判断になる傾向があるのかを整理します。

そのうえで、今回の事案があなたに有利な裁判例に近いことを言っていけばいいのです。

難易度は高いですが、これを行わずに申立書を記載してしまうと、主張の方向性がズレてしまうことがありますし、説得力も薄くなってしまうでしょう。

そのため、労働審判申立書を記載する場合には、裁判例の調査を怠るべきではないのです。

ポイント4:不利な事実から逃げずにフォローする

労働審判申立書作成のポイントの4つ目は、不利な事実から逃げずにフォローすることです。

自分の有利な事実だけを記載した書面は、一見説得的に見えますので、ついつい不利な事実からは目を背けてしまいがちです。

しかし、相手方があなたに不利な事実を主張してきた場合に、これを無視しても状況が好転するわけではありません

裁判外の交渉などで既に指摘されているような不利な事実については、可能な限り逃げずにフォローすることが大切です。

ポイント5:申立書に証拠の見てほしい箇所を引用する

労働審判申立書作成のポイントの5つ目は、申立書に証拠の見てほしい箇所を引用することです。

労働審判では短期間で主張や証拠を整理しますので、証拠として提出するだけでは見落とされてしまうリスクがあります。

また、当日は口頭でやり取りがなされますので、申立書と証拠をいったりきたりすると説明しにくい場合があります。

更に、申立書と証拠では提出部数が異なります。申立書は正本の他に写しを4部、証拠については正本の他に写しを1部提出することとなっています。つまり、証拠は、労働審判委員会で1部、相手方で1部しかないのです。
証拠を裁判所の方でコピーして審判員に交付しているかは各裁判所の運用により異なります。(対策として、申立書と同じく、証拠も余分にコピーして裁判所に提出する方法も考えられますが、当事者間の公平の問題があり、提出しても審判員に交付してもらえるとは限りません。)
労働審判制度運用に関する要望書

そのため、特に、労働審判では、申立書に証拠の見てほしい箇所を引用することも有用なのです

ポイント6:事実は具体的に記載する

労働審判申立書作成のポイントの6つ目は、事実を具体的に記載することです。

誰が、いつ、どこで、誰に対して、どのようなことをしたのかを事実ごとに記載します

事実の記載が抽象的であると、どの事実のことを指しているのかわからず、相手方も認否できませんし、労働審判委員会も審理に困るためです。

そのため、抽象的な記載は避けて、可能な限り具体的に事実を書くことになります。

労働審判規則にも、申し立ての理由には、申し立てを理由づける具体的な事実を含むものでなければならないと記載されており、「具体的な」との記載がなされています。

労働審判規則9条(労働審判手続の申立書の記載事項等・法第五条)
2「前項の申立書に記載する申立ての理由は、申立てを特定するのに必要な事実及び申立てを理由づける具体的な事実を含むものでなければならない。」

ポイント7:一文は短くする

労働審判申立書作成のポイントの7つ目は、一文を短くすることです。

1つの文が長すぎると、文章がわかりにくくなります。例えば、1つの文が3行程度になりそうなときは、どこかに「。」を入れて、2つの文にするなどの工夫をしましょう。

また、言い回しが回りくどくないか、削れる言葉がないかなどの確認を何度か行い、実際に文章を読んでみてスラスラ読めるようになるまで修正していきます

これらの作業により洗練された文章になり労働審判委員会に理解してもらいやすくなります。

ポイント8:項目にタイトルをつける

労働審判申立書作成のポイントの8つ目は、項目にタイトルをつけることです。

申立書では、記載されている意味ごとに分類し、ナンバリングをつけていきます。
以下の順序で下に行くほど構造が深くなります。

・第1、第2、第3…
・1、2、3…
・⑴、⑵、⑶…
・ア、イ、ウ…
・(ア)、(イ)、(ウ)…
・a、b、c…
・(a)、(b)、(c)…

つまり、以下のような感じになります。解雇無効(第1)の中で、更に濫用(1)と解雇禁止(2)の記載をしているイメージです。

第1 解雇の無効
1 解雇が濫用であること
⑴ 相手方の主張する解雇事由が事実と異なること
ア 令和〇年〇月〇日
イ 令和〇年〇月〇日
⑵ 相手方の主張する解雇事由を前提にしても合理性及び相当性を欠くこと
2 解雇禁止に該当すること

:

また、項目ごとにタイトルをつけることで、その項目に何が書いてあるかが一見して分かるようになり、労働審判委員会に理解してもらいやすくなります。

ポイント9:誤字・脱字はなくす

労働審判申立書作成のポイントの9つ目は、誤字・脱字はなくすことです。

申立書は、メリハリをつけて書いても結構な文字数になりますので、書き終えてそのまま提出してしまうと、通常、誤字脱字が大量にあります。

そのため、誤字脱字を校正する作業を行います。何度か文章を読み直してみましょう。慣れないうちは、実際に印刷して文節ごとにチェックを入れて誤字脱字を探していくと見つけやすいでしょう。

よくある誤字として、「申立人と相手方が逆になっている」「日付が間違っている」「証拠の番号が異なる」、「金額の計算ミス」、「同じナンバリングの重複」などがあります。

誤字脱字が少しある程度であれば仕方ないですが、その量が多いと文章全体として信用性が低いのではないかという印象を与えかねませんし、理解もしにくくなります

また、可能な限り、同じ意味の言葉は一つの単語に統一した方がいいでしょう。例えば、「みなし残業代」と「固定残業代」という言葉が一つの書面で両方使われていると混乱します。

労働審判申立書のひな形

労働審判申立書のひな形は以下のとおりです。適宜具体的な事情などを加筆してご利用ください。
労働審判手続申立書1
労働審判手続申立書2
労働審判手続申立書3-2
労働審判手続申立書4-2
労働審判手続申立書5※労働審判手続申立書のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、合意書のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

 

 

労働審判の申立方法

労働審判申立書を作成した後に実際に労働審判を申し立てる方法を説明していきます。

労働審判申立書が完成したとしても、労働審判を申し立てるためには、申し立ての手続きが必要となるためです。

具体的には、以下の順序で説明していきます。

・労働審判を申し立てる裁判所|管轄
・労働審判申立てに必要な書面・部数
・収入印紙と予納郵券

労働審判を申し立てる裁判所|管轄

労働審判は、地方裁判所において行われます。本庁で行われるのが通常ですが、一部労働審判を取り扱っている支部もあります。

労働審判を申し立てる地方裁判所は、通常、以下のいずれかです。

①会社の本店所在地(法務局で登記をとり確認できます)を管轄する地方裁判所
②あなたが現に働いている事業所又は最後に働いていた事業所の所在地を管轄する地方裁判所
③会社と労働者が書面で合意した地方裁判所

裁判所の管轄については、以下のページで確認できます。
裁判所の管轄区域

労働審判法第2条(管轄)
「労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。」

労働審判申立てに必要な書面・部数

労働審判申立に必要な書面の部数は以下のとおりとなっています。

必要部数
労働審判手続規則9条(労働審判手続の申立書の記載事項等・法第五条)
4 第一項の申立書を提出するには、これと同時に、相手方の数に三を加えた数の当該申立書の写し及び相手方の数と同数の前項の証拠書類の写しを提出しなければならない。
~ホッチキス留め・号証~

労働審判申立書や証拠説明書、甲号証の写しを裁判所に提出する際には、まとまりごとにホッチキス留めをします。

甲号証の写しには、「甲〇号証」などの記載をしておきます。

申立人が提出する証拠が甲号証、相手方が提出する証拠が乙号証となります。

収入印紙と予納郵券

労働審判申立の際には、収入印紙と郵便切手も提出する必要があります。

収入印紙

収入印紙は、労働審判の申し立てをする際に裁判所に納める手数料です。

収入印紙の金額は、「労働審判を求める事項の価額」により決まっております。

具体的には、「労働審判を求める事項の価額」が1000万円までの印紙代は、以下のとおりです。

求める事項の価額と印紙

予納郵券

予納郵券とは、裁判所から事件当時者等に郵便物を送付するための郵便料です。

申立をする際に、裁判所に郵便切手を預けて、余ったものは終了時に返却されます。

預ける郵便切手の金額は、裁判所により異なりますので、電話で確認してみるのが確実です。

東京地方裁判所と横浜地方裁判所の労働審判申立の際の予納郵券代は、以下のとおりです。

労働審判の申し立てを行う場合の費用については、以下の記事で詳しく解説しています。

労働審判にかかる費用はいくら?
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労働審判申し立て後に提出する書面

労働審判申立後にも提出する書面があります。

例えば、以下の書面です。

・訂正申立書の書き方
・補充書面の書き方
・異議申立書の書き方

それぞれ書き方をひな形とともに説明します。

訂正申立書の書き方|ひな形付き

裁判所に労働審判手続き申立書を提出すると、補正の指示がされることがあります。そのような場合には、訂正申立書の提出が必要となる場合があります。

訂正申立書の書式に決まりはありませんし、書き方もいくつかありますが、一例を挙げると以下のような記載方法があります。
訂正申立書(労働審判)※訂正申立書のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、合意書のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

補充書面の書き方|ひな形付き

補充書面は、答弁書に対する反論を当日口頭でする際の補助とする書面です。期日の直前に出すことになるので、わかりやすく端的に書いたほうがいいでしょう。
補充書面※補充書面のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、合意書のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

異議申立書の書き方|ひな形付き

異議申立書は、労働審判で調停が成立せず、審判が下された場合に、これに納得できず、訴訟で争いたいと考えた場合には提出する必要があります。

提出期限は労働審判の告知を受けた日から2週間以内です。

異議申立書(労働審判)※異議申立書のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、合意書のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

 

 

労働審判の書面の提出方法と提出期限

労働審判の書面の提出方法と提出期限を整理すると以下のとおりです。

書類により、FAXで提出できるかどうか、相手方に直接送付するかどうかなどが異なりますのでご確認ください。

必要書類の提出方法(労働審判)

労働審判規則20条(書類の送付)
1「直送(当事者の相手方に対する直接の送付をいう。以下同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。」
2「裁判所が当事者その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。」
3「当事者が次に掲げる書面を提出するときは、これについて直送をしなければならない。」
一「答弁書」
二「補充書面
三「申立ての趣旨又は理由の変更を記載した書面」
四「証拠書類の写し(第九条第四項の規定により提出されたものを除く。)
五「証拠説明書(第九条第四項の証拠書類の写しとともに提出されたものを除く。)
六「第三十五条第一項の書面」
4「当事者が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者は、裁判所に対し、当該書類の相手方への送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。」
5「当事者から前項の書類の直送を受けた相手方は、当該書類を受領した旨を記載した書面について直送をするとともに、当該書面を裁判所に提出しなければならない。ただし、同項の書類の直送をした当事者が、受領した旨を相手方が記載した当該書類を裁判所に提出したときは、この限りでない。」
労働審判規則19条(補充書面の提出等の期限)
「労働審判官は、補充書面の提出又は証拠の申出をすべき期限を定めることができる。」
労働審判規則27条(主張及び証拠の提出の時期)
「当事者は、やむを得ない事由がある場合を除き、労働審判手続の第二回の期日が終了するまでに、主張及び証拠書類の提出を終えなければならない。」
労働審判規則31条(異議の申立ての方式等・法第二十一条)
1「法第二十一条第一項の異議の申立ては、書面でしなければならない。」
2「法第二十一条第三項の規定により労働審判が効力を失ったときは、裁判所書記官は、異議の申立てをしていない当事者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。」

労働審判は自分でもできる?|弁護士に依頼するかの基準となる金額

結論としては、労働審判は自分でも行うこと自体はできますし、これまで見てきたように申立書も最低限のものは作成できるでしょう。

しかし、基本的には、労働審判は専門性の高い手続きになりますので、弁護士に依頼することを強くおすすめします

会社側は多くの場合、顧問弁護士が代理人に就きますので、対等な立場で手続きを行っていくためには、労働者も弁護士に依頼することを検討すべきです。

よくあるケースが「人事部長をしていた」「訴訟の経験がある」などの理由で、自分だけで労働審判を行おうとしてしまう場合です。

実際に、訴訟になった段階などでご相談いただくことが多いですが、一度行ってしまった主張は、後から修正を行うことが非常に難しいのです

例えば、労働審判申立書でとられている法律構成自体が労働者に有利なものではなかったり、労働審判当日に矛盾する受け答えをしてしまっていたりすることがあります。

そのため、労働審判自体は自分でも行うことができますが、有利に手続きを進めるためには弁護士に依頼するべきなのです。

ただし、弁護士に依頼するには、弁護士費用が掛かりますので、請求金額によっては費用倒れになってしまうことがあります。

例えば、労働審判ですと弁護士費用は合計で35万円~80万円程度となることが多いので、請求金額が50万円を下回る場合には依頼することが難しいケースが多いでしょう。

また、請求金額が100万円を下回る場合には見通しについて十分に確認しておくことをおすすめします。

もしも、弁護士に依頼すると費用倒れになってしまう場合には、法律相談を活用してサポートを受けるという方法もあります。少なくとも、申し立て前には、一度、申立書を見てもらった方がいいでしょう。

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労働審判では、短い期間で充実した準備を行う必要があるため弁護士と迅速なやり取りが可能かどうかは非常に重要な課題です。

まとめ|最後に確認!労働審判申立チェックリスト

以上のとおり、今回は、労働審判申立書の書き方や部数をひな形や記載例を用いて誰でもわかるように解説しました。

労働審判申立の際のチェックリストを作成しましたので是非ご活用ください。

チェックリスト

【最低限記載しなければいけない事項】
☑当事者及び法定代理人
☑申立ての趣旨及び理由
☑事件の表示
☑年月日
☑裁判所の表示
☑予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
☑予想される争点ごとの証拠
☑当事者間においてされた交渉その他の申立てに至る経緯の概要
【質の高い労働審判申立書を作成するポイント】
☑メリハリを意識して記載する
☑争点と関係ない不満や感情論はほどほどにする
☑近い事案で有利な裁判例を調査する
☑不利な事実から逃げずにフォローする
☑申立書に証拠の見てほしい箇所を引用する
☑事実は具体的に記載する
☑一文は短くする
☑項目にタイトルをつける
☑誤字・脱字はなくす
【申し立ての際に裁判所に持参・郵送する部数】(相手方が1つの会社のみの場合)
☑申立書5通
☑証拠説明書2通
☑甲号証各2通
☑資格証明書1通
☑収入印紙
☑予納郵券

この記事が労働審判申立書の書き方がわからずに悩んでいる方の助けになれば幸いです。

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弁護士 籾山善臣
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