未払残業代・給料請求

給料未払いはどこに相談すべき?早く簡単に回収するための相談先5つ

給料未払いの際の相談先は、適切なものを選ばないと損をしてしまうことがあります
しかし、相談先が多くて、結局どこに相談したらいいかが分かりづらいのも事実です。

実際、私自身、弁護士として相談を受けた中では、労基署に行ったら、弁護士へ相談に行くように勧められたという方や、他の相談機関を利用しても解決しなかったため弁護士に相談に来たという方が多くいます。

それほど、判断の難しい給料未払いの相談先ですが、基本的には以下の5つが適切な相談先となっています。

・労働基準監督署
・労働者健康安全機構
・弁護士
・労働組合
・労働条件相談ほっとライン

また、あなたが相談するべきところは以下のフローチャートをたどっていけば明確になります

この記事では、フローチャートの詳しい見方やそれぞれの相談先の詳細をまとめています。

この記事を読めば、あなたが本当に選ぶべき相談先が明確になりますよ
この記事を読んで、相談先が分かったら、早めに相談に行きましょう。

まずはここから確認!給料未払いの相談先の選び方

給料未払いの相談先は、

①労働基準監督署
②労働者健康安全機構
③弁護士
④労働組合
⑤労働条件相談ほっとライン

の5種類があります。

どこの相談先にいくべきかどうかは、以下のフローチャートを見れば分かります。

それでは、フローチャートの見方について説明していきます。

会社が倒産しているかどうか

会社がすでに倒産している場合には、以下の2つのいずれかに相談をしましょう。

労働者健康安全機構:独立行政法人労働者健康安全機構法に基づいて設立された、厚生労働省が所轄する法人です。

労働基準監督署:会社が労働基準法等に違反することを取り締まり、労働者の申告先となる機関です。

なぜなら、会社が倒産している場合には、「未払賃金立替払制度」があるためです。

未払賃金立替払制度とは、企業の倒産によって賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、国が未払賃金の一部を立替払する制度です。

全国の労働基準監督署及び労働者健康安全機構は、未払い賃金立て替え払い制度の相談窓口になっています。

労働基準監督署と労働者安全機構はいずれに相談してもいいですが、労働基準監督署は全国にありますので、お近くの労働基準監督署に行くのがいいでしょう。

ただ、誰でも未払賃金を受け取れるわけではなく、以下のような条件がありますのでご注意ください。

【受け取るための条件一覧】
1 使用者が、
⑴ 1年以上事業活動を行っていたこと
⑵ 倒産したこと
⇒法律上の倒産(破産、特別清算、民事再生、会社更生)
⇒事実上の倒産(中小企業について、事業活動が停止し、再開する見込みがなく、賃金支払い能力がない場合)
2 労働者が、倒産について裁判所への申し立て等(法律上の倒産の場合)又は労働基準監督署への認定申請(事実上の倒産の場合)が行われた日の6か月前の日から2年の間に退職したものであること

会社が営業を停止して、2か月程度給料が支払われていないような場合には、労基署に対して、事実上の倒産の認定をするように申請するのがいいでしょう。

電話だけで相談したいかどうか

電話だけで相談したい場合には、労働条件相談ほっとラインを利用するべきです。

なぜなら、労働条件相談ほっとラインを利用することで、電話により無料で助言をもらうことができるためです。

労働条件相談ほっとラインとは、労働関係の法律に詳しい相談員が、あなたの状況を踏まえた上で、どのような行動を取ればいいかを教えてくれる電話相談サービスです。

具体的には、給料未払いの場合には、法律上どのようなルールになっているのかや、給料を支払ってもらうにはどうすればいいのか、お悩みの事案において適切な相談先はどこかなどについて教えてもらうことができるはずです。

例えば、以下の方にはおすすめです。

・仕事が忙しくて直接相談先に行くことができないという方
・とりあえず簡単なアドバイスを直ぐに欲しいという方

代理人に任せず自分も交渉に参加したいかどうか

弁護士や労基署などの代わりの人に任せず自分も交渉に参加したい場合には、労働組合に加入するという方法があります。

なぜなら、労働組合は、自分自身が組合の一員となって交渉をしていくものだからです。

主体的に行動したい方には、この方法が向いています。

例えば、労働組合に加入した場合には、団体交渉などを通じて、会社に対して、未払いの給料を支払うように働きかけていくことになります。この団体交渉には、労働者自身が参加して発言することもできます。

具体的には、労働組合に参加する場合には以下のメリットとデメリットがあります。

メリット
・自分も交渉に参加し、会社に直接意見を言うことができる
・職場をよくするために労働条件や職場環境についても交渉できる
デメリット
・自分も交渉に参加するため代理人に委任する場合に比べて時間と労力がかかる
・費用がかかる
・交渉が決裂した場合に労働組合は裁判を代理することができない

法的な争いがあるかどうか

会社に顧問弁護士がついて、給料の未払いにつき法的な理由を主張されている場合には、弁護士に相談するべきです。

なぜなら、弁護士は法律の専門家だからです。

具体的には、以下のような方は、「法的な争い」となっている可能性が高いので、弁護士に相談することをおすすめします。

・会社が給料を支払わないことにつき、お金がないと言うだけではなく、何らかの理由を述べている場合
・会社が顧問弁護士をとおして、給料を支払わない理由を述べている場合

そのため、このように「法的な争いがある場合」には、弁護士に相談するべきです。

費用を払っても早く確実に回収したいかどうか

費用を払っても早く確実に回収したい場合には、弁護士がおすすめです。

理由は、以下のとおりです。

① 弁護士は、会社が給料の支払いに応じない場合であってもそれを支払うように、事案に即した裁判例や法律を用いて交渉することができます
② 弁護士は、交渉で会社が支払いに応じない場合であっても、裁判手続きをとおして給料を回収することができます
③ 弁護士であれば、裁判所をとおして賃金の仮払いを求めるなどの迅速な対応も可能です。賃金の仮払いというのは、訴訟を通じて未払い給料を回収するには期間を要するため、その期間の生活維持等のために、会社に対して仮に賃金を支払わせるものです。

例えば、労基署に相談する場合には、労基署の指導に会社が従わない可能性もあります。このような場合には、労働者は、改めて、弁護士に相談する必要が生じてしまいます。

そのため、早く、確実に回収したい場合には、弁護士に相談するべきです。

ただし、未払い給料の金額が小さい場合には、労基署に相談することがおすすめです

なぜなら、弁護士に依頼すると費用倒れになってしまう場合があるためです。

例えば、未払い給料の金額が50万円を下回るような場合には、費用倒れになる可能性や最終的に残る金額が労力に見合わない可能性があります。

<司法書士や社労士にも相談できるケース>
以下のケースでは、知り合いに司法書士や社労士の方がいる場合には、その方に相談することを検討してもいいかもしれません。
ただし、司法書士や社労士に依頼する場合には、有料となります。
費用については、個別の司法書士や社労士に確認するのがいいでしょう。
・司法書士
司法書士の中でも認定司法書士には、給料の未払い金額が140万円を超えない場合には、相談をすることができます。

認定司法書士というのは、法務大臣より簡裁訴訟代理関係業務等につき認定を受けた司法書士のことです。

認定司法書士は140万円を超えない事件について、交渉や裁判を代理することが可能です

・社労士
社労士の方の中でも特定社会保険労務士の認定を受けた方は、給料未払いの相談をすることができます。

特定社会保険労務士とは、労働に関係する紛争の裁判外の解決手続きにつき代理業務に従事することを認められた社労士です。

そのため、特定社会保険労務士は、あっせん等の裁判外紛争手続きを代理することができます

ただし、特定社会保険労務士は給料の未払い金額が120万円を超える場合には弁護士と共同で受任しなければなりません

また、特定社会保険労務士は裁判を代理することはできません。

給料未払いの相談先5つの特徴

あなたが行くべき相談先の特徴について見ていきましょう。

各相談先には、「回収可能性」「費用」「対象金額」「解決手段」「注意点」について、以下のような特徴があります。

それでは、見ていってみましょう。

労働基準監督署

労働基準監督署とは、労働基準法の実施に関する事項をつかさどる機関です。一般に「労基署」(ろうきしょ)と呼ばれるものです。
労基署は全国に321署あります(2019年4月末現在)。

回収可能性

労基署は、会社が指導に従わなかった場合には、強制的に給料を回収することはできません

なぜなら、労基署は会社に対して未払い給料の支払いをするように指導することができますが、会社の財産を差し押さえることはできないためです。

費用

労基署を利用するのに費用はかかりません。無料で利用することができます。

対象金額

労基署に相談できる給料未払いについて、特に対象金額の制限等はありません

解決手段

労基署は、法律上、会社に行き資料を調べたり、関係者に事情を聞いたりすることができます。

そして、違法な点や問題点を見つけた場合には、それを直すように指導することができます

その結果、会社が給料を支払ってくることがあります。

労基署に相談した場合の解決の流れや期間は、以下のとおりとなります。

注意点

労基署に給料の未払いを相談した場合でも、必ずしも、労基署に調査や是正勧告をしてもらうことができるとは限りません

確かに、労基署に給料の未払いを申告すると多くの事案では適切に対応してもらうことができます。

しかし、労基署は、労働者の申告により、原則として、調査などを行う義務まで負うものではないとされています(東京高判昭56.3.26労経速1088号17頁[東京労基局事件])。

そのため、労基署に動いてもらうことができない場合には、弁護士に相談したり、動いてもらえるように準備をしたりしてから相談に行くことが必要になります。

労働者健康安全機構

労働者健康安全機構とは、独立行政法人労働者健康安全機構法に基づいて設立された、厚生労働省が所轄する法人です。

回収可能性

労働者健康安全機構は、会社に代わり未払い給料を立て替えて労働者に支払うため、回収できる可能性は問題となりません。

費用

労働者健康安全機構は無料で利用することができます。

対象金額

立て替え払いを受けることができる額は、退職時の年齢に応じて88万円~296万円の上限が設けられています。
また、立て替え払いを受けることができる額は、未払い賃金の額の8割です。

解決手段

労働者健康安全機構は、未払い給料を会社の代わりに立て替えて支払うという方法により解決をします。

注意点

労働者健康安全機構において未払い給料の立て替え払いを受けるには、会社が倒産していることや労働者が退職した時期等についての条件がありますので注意が必要です。

弁護士

弁護士は、法律の専門家です。相談において法律的な助言を行ったり、依頼を受けて法的な手続きを行ったりします。

そして、何よりも、弁護士は、今回紹介している5つの相談先の中では、唯一給料を強制的に回収できるのです。そのため、確実に給料を回収したいのであれば、弁護士を強くお勧めします

回収可能性

弁護士は、会社が給料の支払いに応じない場合でも、未払い給料を強制的に回収することができます

なぜなら、弁護士は、訴訟を提起して判決をもらい、会社の財産を差し押さえることができるためです。
これは弁護士に相談した場合の大きな強みです。

会社の財産を強制的に回収できることで、未払い給料の回収可能性は格段に向上します。

費用

弁護士に依頼する場合には、100万円~200万円の給料未払いですと、着手金と報酬金で合計するとおおよそ

25万円~50万円

程度かかります。

また、未払い給料が100万円より小さい場合でも、多くの事務所では、着手金や報酬金に最低金額を設けています。弁護士に依頼する場合には、少なく見積もっても10万円~20万円はかかるでしょうし、労働審判や訴訟に至った場合には、それ以上を要することもあります。

対象金額

弁護士が扱うことができる対象金額に制限はありません。

解決手段

弁護士が給料の未払いを解決する手段は、交渉や労働審判、訴訟が中心になります。

例えば、以下のような流れや期間で、事件を解決していくことになります。

また、場合によっては、早期に生活を確保するために、裁判所をとおして賃金の仮払いを求める手続きを行うこともあります。

注意点

弁護士に依頼する場合には、未払い給料が50万円を下回るような場合には、費用倒れになってしまうことがあるので注意が必要です。

なぜなら、弁護士に依頼する場合には先ほど説明したような料金がかかるためです。

もっとも、弁護士に依頼する際に、見通しや費用等を適切に教えてもらえるはずですので、確認してみるといいでしょう。

労働組合

労働組合とは、労働者が主体となり自主的に労働条件の維持改善等を図ることを目的とする団体です。

回収可能性

労働組合は、上記のとおり、団体交渉や争議行為を行うことができますが、未払い給料を強制的に回収することはできません

費用

労働組合に加入して解決を行う場合には、費用がかかります

なぜなら、労働組合であっても、「加入金」や「毎月の組合費」、個別的な紛争を解決した場合には「解決金の何割か」を組合に支払う必要があるためです。

そのため、労働組合に相談すれば、費用を抑えられるという発想は誤りですし、そのような理由で労働組合を利用すべきではありません。

対象金額

労働組合の場合には、特に対象金額に制限はありません

解決手段

労働者は、労働組合に加入して、給料の支払いに関して、会社と交渉していくことができます。また、ストライキ、怠業、ピケッティング、職場占拠、ボイコットなどの争議行為を行うこともあります。

なぜなら、憲法28条により、労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権が保障されているためです。

注意点

先ほど説明したように、労働組合をとおして解決する場合にも未払い給料を安く回収できるわけではないことに注意が必要です。

また、労働組合に裁判を代理してもらうことはできないので、裁判を行う場合には、別途弁護士等に委任する必要があります。

労働条件相談ほっとライン

労働条件相談ほっとラインとは、労働関係の法律に詳しい相談員が、あなたの状況を踏まえたうえで、どのような行動を取ればいいかを教えてくれる電話相談サービスです。

回収可能性

労働条件相談ほっとラインをとおして未払い給料を強制的に回収することはできません

費用

労働条件相談ほっとラインの利用に費用はかかりません。無料で利用することができます。

対象金額

労働条件相談ほっとラインに相談できる未払い給料の金額について制限はありません。

解決手段

労働条件相談ほっとラインにおける解決手段は、電話による助言です。電話相談は、労働者・使用者に関わらず誰でも全国どこからでも利用できます。匿名による相談も可能です。

ただし、「労働条件相談ほっとライン」により会社に対する指導等を行ってもらうことはできません

注意点

労働条件相談ホットラインでは、電話による助言を受けることができますが、電話による助言を受けた後に自分で解決するか、他の相談先を利用する必要がある点に注意が必要です

給料未払いの相談する際に知っておくべき4つのこと

給料の見習いの相談をする際に知っておくべき4つのことがあります。

これを知っておかないと誤った相談先に行ってしまったり、スムーズに相談が進まなかったりする可能性があります。

具体的には、以下の4点です。

・退職済みでも給料の未払いを相談できる
・アルバイトでも給料の未払いを相談できる
・警察とハローワークには相談できない
・相談に行く際には準備をしておく

順に説明していきます。

退職済みでも給料の未払いを相談できる

退職後であっても、在職中の場合と同様の相談先に相談することができます

なぜなら、給料の未払いについては、会社を退職した後でも請求することができるためです。

実際、在職中は会社での人間関係が気になり未払い給料の相談をしにくかったため、退職後になって相談に来たという方も多くいます。

ただし、会社を退職してから期間が経ってしまっている方は、早めに相談に行くべきです。

なぜなら、給料の時効は支払日から2年とされていたため、時効を止めないと消滅していってしまうからです(2020年4月1日以降に発生する給料の時効は3年となるので、2022年4月1日以降は2年を超えて請求できるようになります)。

このように、退職済みでも未払い給料の相談をできることは知っておくべきことです。

アルバイトでも給料の未払いを相談できる

アルバイトの方も給料の未払いを相談することができます

なぜなら、アルバイトであっても、会社と雇用契約を結ばれているため、労働に対して報酬が支払われることが約束されており、給料の未払いは許されないためです。

そのため、労働者がアルバイトであることは、会社が給料を支払わなくていい理由にはなりませんので安心して相談してください。

警察とハローワークには相談できない

給料未払いでよくありがちな誤った相談先として、警察とハローワークがあります。

以下では、警察とハローワークが誤った相談先であることについて順に説明していきます。

それでは見ていきましょう。

警察

給料の未払いを警察に報告するというのは適切ではありません

なぜなら、給料の未払いは、警察ではなく労基署が扱うとされているため、警察は介入しないためです。

実際に、給料の未払いに罰則があると聞くと、警察に報告すればいいのではないかと考える方が多くいます。しかし、警察に給料未払いを相談しても民事不介入を理由に断られたり、警察に言われてもよく分からないと返答されたりすることになります。

そのため、給料未払いの相談先として警察は不適切ですので注意が必要です。

ハローワーク

給料未払いを解決するためにハローワークに相談するというのは誤りです

なぜなら、ハローワークは、主に失業した際や就職を行う際に利用する機関であるためです。

そのため、給料の未払いを理由に会社を退職した場合に失業保険との関係で会社都合退職になるのか等を相談することはあるでしょうが、未払い給料の回収についてハローワークに相談することは適切ではありません。

相談に行く際には準備をしておく

給料未払いの相談に行く際には十分に準備してから行くべきです。

なぜなら、何も準備せずに相談に行くと、相談がスムーズに進まない場合もあるためです。

例えば、労基署の場合には相談しても必ずしも調査や是正勧告をしてもらうことができるとは限りません(東京高判昭56.3.26労経速1088号17頁[東京労基局事件])。

そのため、給料の未払いを相談するには、

①事情を整理してから行くこと
②証拠を集めること
③どうしてほしいのかを明確に伝えること

が大切となります。

それでは、順に説明していきます。

事情を整理しておく

労働者が相談する際に重要なのが、「給料の未払い」という事実を知ってもらうことです。

なぜなら、十分に事情を整理せずに相談に行き、会社に対する不満不平を述べるだけでは、結局どこに問題があるのかが伝わらない可能性があるためです。

そのため、まず労働者が伝える必要があるのは、

「支払われるべき給料が支払われていない」

ということです。

そして、これに加えて、以下の内容を補足するといいでしょう。

・自分の給料はいくらか
・何月に支払われるはずの給料が支払われていないのか
・どのような経緯で支払われていないのか

証拠を集めておく

相談をスムーズに進めるためには給料未払いの証拠を持参することが大切です。

なぜなら、相談の際に証拠を提出することにより、客観的かつ具体的に給料未払いの事実を知らせることが可能となるためです。

例えば、以下の証拠があったら持参するといいでしょう。

①雇用契約書
②労働条件通知書
③就業規則
④給与明細
⑤源泉徴収票
⑥給料の振込口座の預金通帳
⑦タイムカード
⑧給料未払いについての会社とのやり取りが分かるもの

もしも、資料が手元にない場合でも、例えば、弁護士に依頼した場合には、資料の開示を請求してもらうことができます

そのため、上記の資料が手元にない場合でも落ち込む必要はありません。手元にある資料のみを持参して相談に行きましょう。

どうしてほしいのかを明確に伝える

スムーズに未払い給料の回収をするためには、相談の際にどうしてほしいのかを明確に伝えることが大切です。

なぜなら、どうしてほしいのかと伝えないと、相談に来ただけで権限を行使することや代理を依頼することまでは望んでいないものと誤解されてしまう可能性があるためです。

相談先ごとにしてもらえることをもう一度確認しておきましょう

・労基署:調査及び指導
・労働者健康安全機構:未払給料の立替払い
・弁護士:交渉や労働審判、訴訟
・労働組合:団体交渉や争議行為
・労働条件相談ほっとライン:電話による相談者への助言

例えば、労基署に相談に行く場合であれば、調査や是正勧告を行ってほしいと明確に伝えた方がいいでしょう。

弁護士や司法書士、社労士に相談に行く場合には、相談の際に依頼をするかどうかを確認されるでしょうから、依頼の意思がある場合には明確に伝えるといいでしょう。

労基署に相談しても解決せず、費用もかけられない場合には自分で手続を行う

未払い給料の回収は、自分自身で手続き行うこともできます。

ただし、法的な知識が必要になることもあるため、難易度は高いです。そのため、お勧めはしません

もっとも、労基署に相談しても解決せず、費用もかけられないので、自分自身でやるしか方法がないという方もいるでしょう。

自分自身で手続きを行う場合にも、多くは、弁護士に依頼した場合と同様に

①会社と交渉を行い
②交渉が決裂したときは労働審判や訴訟等の法的手続きを行う

という過程をたどることになります。

以下では自分自身で手続きをする場合に役立つ、①交渉をする際の通知書の書き方と、②初心者でもできる法的手続きである少額訴訟について説明します。

未払いの給料を請求する場合の通知書の書き方【記載例付き】

会社に対して、未払いの給料を請求する場合には、以下の内容を記載します。

①給料の未払いがあること
②未払いの給料を請求すること
③未払いの給料の範囲・金額
④回答期限

必要があれば、
⑤未払い給料の振込先
⑥資料の開示を求める旨

【記載例】
御通知のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、御通知のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

未払いの給料を請求する通知書は、内容証明郵便に配達証明を付けて送付します。

なぜなら、会社に対して、上記通知書を送付したことを証拠として残すためです。会社に対して、未払い給料を請求したにもかかわらず、支払いがない場合には、労基署に説明する材料にもなります。

内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明する制度です。

料金は1000円~2000円程度です。インターネットにより送付することもできます。

忘れずに、配達証明をつけてもらうようにしましょう。会社が受け取ったことを証明するためです。

自分でやるときにおすすめの手続き「少額訴訟」

自分自身でやる場合に、「少額訴訟」という制度がおすすめです。

なぜなら、労働審判や通常の訴訟については自分自身でやるとなると少し難易度が高いためです。

少額訴訟は、手続きが簡便であり、原則として1回で解決するので迅速な解決が可能です。

例えば、1か月分程度の給料未払いがある場合には、長期間かけて訴訟をすると労力に見合わないと感じる方もいるでしょう。少額訴訟であれば、1回の期日で解決できますので、1~2か月で解決できる場合もあります。

ただし、①少額訴訟を用いることができるのは60万円以下の場合に限られること、②相手方から反対された場合にはこの制度は利用できないことにご注意ください。

迷った場合には弁護士の初回無料相談!

迷った場合には、弁護士の初回無料相談を利用することがおすすめです。

その理由は以下のとおりです。

①回収可能性が高い!
②迅速に回収する仮払い手続きが可能!
③取り扱える金額に制限がない!
④初回無料相談であれば費用がかからない!

それでは順に説明していきます。

回収可能性が高い!

弁護士への初回無料相談をお勧めする理由の一つ目は、他の相談先に比べて、未払い給料の回収可能性が高いためです。

弁護士であれば、会社が給料の支払いに応じない場合でも、訴訟を提起して、会社の財産を差し押さえるなどの方法により、強制的に未払い給料を回収することができます。

また、交渉において、会社から提案された解決案に納得できない場合には、労働審判や訴訟の手続きを弁護士が代理して行うことができます。

このように弁護士は未払い給料につき正当な金額を回収するための法的手段をとることができるのです。

迅速に回収する仮払い手続きが可能

弁護士は、未払い給料を迅速に回収する手段として、裁判所に、賃金の仮払いを申し立てることができます

仮払い手続きは、2~3週間ごとに行われる2~4回の期日により、裁判所から仮の判断が出されるものです。

訴訟は長期間を要することがあるため、その間、収入がないと生活ができなくなってしまいます。

そのため、生活に不安があり、迅速に未払い給料の支払いをしてもらう必要があるときには、賃金の仮払いを申し立てることができる弁護士に相談することがおすすめです。

取り扱える金額に制限がない!

弁護士が取り扱える金額に制限はありません

そのため、未払いの手当や残業代が新たに判明した場合、それらについても代理して回収してもらうことができます。

また、このような未払いの手当や残業代がないかについても、就業規則や雇用契約書、給与明細などに照らして確認してもらうことができます。

そのため、未払いの給料金額が大きい場合や他に未払いの残業代等が存在する可能性がある場合にも、安心して弁護士に相談することができます。

初回無料相談であれば費用がかからない!

初回無料相談を利用することで、費用をかけることなく、リスクや見通しを聞くことができます

仮に、弁護士に依頼すると、回収できる金額に比べて費用が見合わない場合には、その様に指摘してもらうことができます。

初回無料相談を利用することについてデメリットは特にありません

どこに相談するか迷っている場合には、初回無料相談などを利用して、弁護士に見通しや費用を聞いてみることを強くお勧めします。

まとめ

以上のとおり、給料未払いの相談先は複数ありますが、それぞれに特徴がありますので、目的や状況に応じて、適切な相談先を選ぶことが大切です。

これまでの相談先の選び方を参照いただければ、今直面している問題についての適切な相談先が分かるはずです。

今回の記事の内容を簡単にまとめさせていただくと以下のとおりです、

・会社がすでに倒産している場合には労基署又は労働者健康安全機構に相談する

・電話だけで解決したい場合には、労働条件相談ほっとラインを利用する

・自分で主体的に交渉したい場合には労働組合に加入する

・会社が給料の未払いにつき法的な理由を主張している場合や、費用を支払ってでも確実に回収したい場合には、弁護士に相談する

・法的な問題がなく、費用をかけずに回収したい場合には、労基署に相談する

皆様が給料の未払いについての相談先を選ぶ際に、この記事が少しでも役に立つことができましたら幸いです。

また以下の記事も参考になるはずですので、気になったものがあれば読んでみてください。

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残業代には2年の時効がありますので、早めに行動することが大切です。

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