未払残業代・給料請求

係長で残業代が出ないのは少数派!管理職の条件3つと簡単な請求手順

係長で残業代が出ないのは少数派!管理職の条件3つと簡単な請求手順

係長になった途端残業代が支給されなくなってしまい困っていませんか

係長になっても基本給が大きく増えるわけではないのに、残業代が支給されなくなってしまうと納得できませんよね。

結論としては、係長でも8割以上の人は残業代の支給を受けることができています

これに対して、少数派ですが、係長の中には残業代を支給されなくなってしまう方もいます。

しかし、係長には十分な権限や裁量がなく、名ばかり管理職にすぎないとされることが多いのが実情です。

つまり、残業代の支給を受けることができていない係長の方たちも、未払いの残業代を請求することができる可能性があるのです

しかも、残業代については、これまでの未払い分についても時効にかかっていない限りで、遡って請求をすることが可能です。

実は、自分が名ばかり管理職にすぎないことを知らずに、残業代の支払いを受けることができていない人がたくさんいるのです。

今回は、係長への残業代の支給状況について説明したうえで、管理監督者該当性やこれまでの残業代を取り戻す方法について解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、係長の残業代についての疑問が解消するはずです。

管理職の残業代については、以下の動画でも分かりやすく解説しています。

 

 

 

 

管理職応援シリーズ

8割以上の係長には残業代が出ている!出ないのは少数派

係長への残業代支給の有無平成28年9月の残業代支給の有無について、係長級の方は85.0%が残業代を支給されたと回答しています(出典:東京都産業労働局「労働時間管理に関する実態調査」[平成29年3月]100頁、205頁)

このことから係長とされている方の多くには残業代が出ており、残業代が出ていない人は少数派となります。

なお、他の役職者についても見ていくと、残業代が支給された割合は、一般社員は92.6%、主任級は84.6%、課長級39.8%、部長級は16.7%となっています

そのため、役職別の傾向としてみると、主任と係長までは残業代が支給されることが多く、課長や部長になると残業代が支給されなくなることが多くなっています。

役職別の残業代支給の有無

係長だから残業代なしは違法?係長は管理職なのか

係長の役職に就いている場合であっても、法的には直ちに残業代を支払わなくてもいいということにはなりません

労働基準法上、残業代を支払わなくてもいいと言えるためには管理監督者に該当しなければなりません。

そして、管理監督者かどうかは役職のみにとらわれることなく判断されます。

そのため、係長の役職に就いている方は、以下の3つの条件を満たした場合に限り、管理監督者として残業代の支給を受けられないことになります

あなたは名ばかり管理職?

条件1:経営者との一体性
条件2:労働時間の裁量
条件3:対価の正当性

管理監督者の条件については、以下の記事で詳しく解説しています。

管理監督者とは?労働基準法の定義やどこから管理職かわかりやすく解説
管理監督者とは?労働基準法の定義やどこから管理職かわかりやすく解説管理監督者とは、経営者と一体的な立場にある者をいい、時間外・休日残業代の対象から外されています。しかし、実は、管理職とされている方の多くは名ばかり管理職に過ぎません。今回は、管理監督者とは何かについて、労働基準法の定義やどこから管理職(管理監督者)なのかをわかりやすく解説します。...

これに対して、上記の条件を満たさないような場合には、名ばかり管理職として残業代を請求することができます

それでは、一般的に係長職の方につき上記3つの条件に関して、どのように判断される傾向にあるのかについて順番に説明していきます。

係長の経営者との一体性

係長職の方については、一般的に経営者との一体性が認められにくい傾向にあります

経営者との一体性とは、会社の経営上の決定に参画し、労務管理上の決定権限を持っていることです。

もっとも、一般的な役職の上下関係について、図にすると以下のとおりとなります。

役職の上下関係つまり、係長の役職は、一般職・主任よりは上であるものの、課長や部長よりも下の立場にあることがわかります

例えば、係長という役職に就いていても、経営会議に参加させてもらえなかったり、部下の勤務成績を評価する権限が無かったりする方が多いでしょう。

そのような場合には、経営者との一体性が否定される可能性があります。

係長の労働時間の裁量

係長職の方については、労働時間の裁量が認められにくい傾向にあります

労働時間の裁量とは、始業時間や終業時間がどの程度厳格に取り決められ、管理されていたかの問題です。

例えば、係長という役職に就いていても、出社する時刻や退社する時刻を自分で自由に決めることができなかったり、そもそも休日をいつにするかを自分で自由に決めることができなかったりする方が多いでしょう。

そのような場合には、労働時間の裁量が否定される可能性があります。

係長の対価の正当性

係長職についても、手当の金額が低廉であることが多く、そのような場合には対価の正当性が否定される可能性があります

対価の正当性とは、基本給、その他の手当において、その地位にふさわしい待遇を受けているか、賞与等の一時金の支給率やその算定基礎において、一般労働者に比べて優遇されているかの問題です。

例えば、係長という役職に就いても、残業代が支給されなくなったことにより従前よりも年収が低くなってしまった方、労働時間に比して賃金額が著しく低い方もいるでしょう。

そのような場合には、対価の正当性が否定される可能性があります。

 

 

 

係長を名ばかり管理職とした裁判例

係長を名ばかり管理職とした判例として、以下の3つがあります。

裁判例1:京都地判平成4年2月4日労判606号24頁[彌栄自動車事件]
裁判例2:東京地判平成14年3月28日労判827号74頁[東建ジオテック事件]
裁判例3:大阪地判平成17年3月25日労経速1907号28頁[リゾートトラスト事件]

裁判例1:京都地判平成4年2月4日労働判例606号24頁[彌栄自動車事件]

この裁判例は、以下のように判示して、当該会社の係長職にある原告につき管理監督者に該当しないとしました。

1 経営者との一体性
「営業所に配置される乗務員数や営業車両数、各乗務員や営業所全体に課せられるいわゆるノルマというものについても、係長級職員がその決定過程に参画する機会もなかった。」
2 労働時間の裁量
「係長級職員が自己の職務負担の軽減や員数増加を決定する過程で強い発言権を有していない被告会社においては、結局、係長級職員としては、被告会社の定めた一定の労働時間…就労を規制されることになるといわなければならない。」
3 対価の正当性
「係長級職員が将来営業所長等さらに社内で高い地位の従業員に出世するとの蓋然性が保証されていない被告会社においては、係長級職員の待遇が、社会通念上、使用者都合で所定労働時間以上の勤務が要請され実際にも後記のような長時間労働をする係長級職員の職務に十分見合ったものと断定することはできない。」
4 結論
被告会社における係長級職員の権限や待遇は、原告ら係長級職員を労働基準法上の保護の対象から外してもなおその者の保護に欠けることがないと評価するだけの実質を伴っていないといわなければならず、被告会社は、原告らに対し、所定労働時間を超えた労働時間毎につき二五パーセントの割増賃金を支払う雇用契約上の義務を負う。」

裁判例2:東京地判平成14年3月28日労働判例827号74頁[東建ジオテック事件]

この裁判例は、以下のように判示して、当該会社の係長職にある原告につき管理監督者に該当しないとしました。

1 経営者との一体性
「人事考課についても,係長として部下の評価について意見を述べ,あるいは課長補佐以上の職にある者として自ら部下の評価を行うことはあったが,当該人事考課には上位者による考課がさらに予定され,最終的には支店長の評点が被考課者の総合評価とされていたのであり,労務管理の一端を担っていたことは否定できないものの,経営者と一体的立場にあったことを示す事実とはいいがたい。」
2 労働時間の裁量
「係長以上の者にあってはタイムカードによる厳格な勤怠管理は存在しないものの,被告の社内文書により遅刻及び早退は慎むべきとの示達がされており,被告就業規則14条の文言上,係長以上の者に対しても主任以下の者と同様に勤務時間が定められ,現実にも支店長らが視認する方法による勤怠管理の下に置かれていたと認められるのであって,前記認定の団体交渉の場における被告取締役の発言内容に照らしても,原告らの勤務時間がその自由裁量に委ねられていたとは到底評価できない。」
3 対価の正当性
「被告の賃金規程上,年齢給や勤続給が取り入れられるなど,年功序列的な要素が考慮され,また,職能資格及び職能給等において学歴が考慮されているところ…,原告方違を除く6名はいずれも大学卒業又は大学院修了の学歴を有し,入社後の年数も本訴提起時において16年ないし30年以上であること…が認められ,これに照らすと,原告らの年収が高額であるのは,被告が採用している上記のような賃金制度の結果とも考えられる。」
4 結論
「その他,前示の本件請求期間中における原告らの職務内容及び勤務実態にもかかわらず,なお,労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にあると評価しうるような事情を認めるに足りる証拠はなく,したがって,原告らは,いずれも管理監督者と認めることはできない。」

裁判例3:大阪地判平成17年3月25日労働経済判例速報1907号28頁[リゾートトラスト事件]

この裁判例は、以下のように判示して、当該会社の係長職にある原告につき管理監督者に該当しないとしました。

1 経営者との一体性
「原告の役職は、就業規則上、課長代理以上が位置付けられる管理職掌よりも下位にある指導監督掌に分類される係長であり、部下を有することから係責の役責を付与されている…ものの、その担当する職務は前記認定のとおり日常的な経理事務の処理であり、部下もアルバイトを含めて三人又は四人にすぎないから、労働基準法が定める労働時間等の規制の枠を超えて活動することが当然とされるような職務内容であったとは認められないし、経営者と一体的な立場にあったとも認められない。」
2 労働時間の裁量
「また、確かに原告は、タイムカードによる厳格な勤務時間の管理を受けていなかったが、出勤簿と朝礼時の確認により、一応の勤怠管理を受けていたから、自己の勤務時間について自由裁量があったとも認められない。」
3 対価の正当性
「さらに、原告は、係責職給(給与明細上はライン職給名目)として月額四万円の支給を受けていたが、就業規則上、係責給は、『時間外勤務手当相当分として』支給されるものと明記されており、このことは、係責の役責にある者も本来は時間外勤務手当の支給対象となるべき者であるとの被告の認識を窺わせるものといえる。」
4 結論
「以上の点からすれば、原告が労働基準法四一条二号の『監督若しくは管理の地位にある者』であったとは認められない。」

係長が名ばかり管理職にすぎない場合の未払い残業代金額

係長職が名ばかり管理職にすぎない場合には、これまでの残業代についても時効にかかっていない範囲で遡って請求することができ、その金額も高額になる可能性があります

残業代の計算方法は、以下のとおりです。

基礎賃金÷所定労働時間×割増率×残業時間

 

基礎賃金については、係長職の方の場合、年収(残業代を除く)の平均は367万円とされていますので、これを月収ベースにすると30万5833円(367万÷12ヶ月)となります。

管理職と非管理職の給料

(出典:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況を加工して作成)

所定労働時間については、年間休日を土日祝、年末年始、夏休みがあるものとして125日と仮定し、1日の所定労働を8時間とすると、160時間程度となります。

割増率については、法定時間外労働については1.25倍とされています。

残業時間については、係長職の方の場合、月間残業時間の平均は16.1時間とされています。

管理職の平均的な残業時間(出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)調査シリーズNo.212)

上記を前提に未払い割増賃金の金額について計算すると、1か月あたりの残業代は以下のとおりとなります。

30万5833円÷160時間×1.25倍×16.1時間
=3万8468円

そしてこれが3年分となると、以下のとおりとなります。

3万8468円×36か月=138万4848円

 

当然、残業時間が16.1時間よりも長い方の場合には、上記残業代金額よりも大きな金額を請求できる可能性があります。

以下の残業代チェッカーを利用いただけば、無料、登録不要で、簡単におおよその未払い残業代金額を確かめることができますので利用してみてください。

管理職の方の給与については以下の記事で詳しく解説しています。

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係長に残業代がつかない場合の請求手順

係長残業代がつかない場合には、先ほど見たように未払い残業代の請求をすることができる可能性があります

しかし、会社側は、あなたが管理監督者に該当すると主張している以上、あなた自身が行動をおこさなければ、これを獲得することはできません。

具体的には、係長の方が残業代を請求する手順は、以下のとおりです。

手順1:名ばかり管理職の証拠を集める
手順2:残業代の支払いの催告をする
手順3:残業代の計算
手順4:交渉
手順5:労働審判・訴訟

それでは、順番に説明していきます。

残業代請求の方法・手順については、以下の動画でも詳しく解説しています。

手順1:名ばかり管理職の証拠を集める

残業代を請求するには、まず名ばかり管理職の証拠を集めましょう。

名ばかり管理職としての証拠としては、例えば以下のものがあります。

①始業時間や終業時間、休日を指示されている書面、メール、LINE、チャット
→始業時間や終業時間、休日を指示されていれば、労働時間の裁量があったとはいえないため重要な証拠となります。
②営業ノルマなどを課せられている書面、メール、LINE、チャット
→営業ノルマなどを課されている場合には、実際の職務内容が経営者とは異なることになるため重要な証拠となります。
③経営会議に出席している場合にはその発言内容や会議内容の議事録又は議事録がない場合はメモ
→経営会議でどの程度発言力があるかは、経営に関与しているかどうかを示す重要な証拠となります。
④新人の採用や従業員の人事がどのように決まっているかが分かる書面、メール、LINE、チャット
→採用や人事に関与しておらず、社長が独断で決めているような場合には、経営者との一体性がないことを示す重要な証拠となります。
⑤店舗の経営方針、業務内容等を指示されている書面、メール、LINE、チャット
→経営方針や業務内容の決定に関与しておらず、社長が独断で決めているような場合には、経営者との一体性を示す重要な証拠となります。

手順2:残業代の支払いの催告をする

残業代を請求するには、内容証明郵便により、会社に通知書を送付することになります。

理由は以下の2つです。

・残業代の時効を一時的に止めるため
・労働条件や労働時間に関する資料の開示を請求するため

具体的には、以下のような通知書を送付することが多いです。

御通知(残業代請求:時効3年)※御通知のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、御通知のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

手順3:残業代の計算

会社から資料が開示されたら、それをもとに残業代を計算することになります。

残業代の計算方法については、以下の記事で詳しく説明しています。

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手順4:交渉

残業代の金額を計算したら、その金額を支払うように会社との間で交渉することになります。

交渉を行う方法については、文書でやり取りする方法、電話でやり取りする方法、直接会って話をする方法など様々です。相手方の対応等を踏まえて、どの方法が適切かを判断することになります。

残業代の計算方法や金額を会社に伝えると、会社から回答があり、争点が明確になりますので、折り合いがつくかどうかを協議することになります。

手順5:労働審判・訴訟

交渉による解決が難しい場合には、労働審判や訴訟などの裁判所を用いた手続きを行うことになります。

労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きであり、調停が成立しない場合には労働審判委員会が審判を下します。迅速、かつ、適正に解決することが期待できます。

労働審判については、以下の記事で詳しく解説しています。

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訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。

残業代の裁判については、以下の記事で詳しく解説しています。

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係長の残業代請求でよくあるQ&A2つ

係長の残業代請求でよくある疑問点としては、以下の2つがあります。

Q1:係長就任時に残業代が支給されないことに合意したけど請求できる?
Q2:係長以上の役職には残業代を支給しないとの就業規則があっても請求できる?

それでは、これら2つの悩みについて解消していきましょう。

Q1:係長就任時に残業代が支給されないことに合意したけど請求できる?

係長就任時に残業代が支給されないことに合意していた場合でも、残業代を請求できる可能性があります

なぜなら、労働基準法は強行法規であり、これに反する合意は無効とされるためです。

労働基準法第13条(この法律違反の契約)
この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。」

例えば、実際には名ばかり管理職にすぎないのに、雇用契約書には残業代は支払われないと書いてあったとしても、残業代の支給をしないことが当然に正当化されるわけではないのです。

そのため、係長就任時に残業代が支給されないことに合意していたとしても、残業代を請求できる可能性があります。

Q2:係長以上の役職には残業代を支給しないとの就業規則があっても請求できる?

係長以上の役職には残業代を支給しないとの就業規則があっても、残業代を請求できる可能性があります

なぜなら、労働基準法は強行法規であり、これに反する就業規則は無効とされるためです。

労働基準法第92条(法令及び労働協約との関係)
就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。」
労働契約法第13条(法令及び労働協約と就業規則との関係)
「就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第七条、第十条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。」

例えば、実際には名ばかり管理職にすぎないのに、就業規則上係長以上の役職には残業代を支給しないと就業規則に書いてあったとしても、残業代の支給をしないことが当然に正当化されるわけではないのです。

そのため、係長以上の役職には残業代を支給しないとの就業規則があっても、残業代を請求できる可能性があります。

 

 

 

 

管理職の残業代請求はリバティ・ベル法律事務所にお任せ

管理職の方の残業代請求については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。

管理職の残業代請求については、経営者との一体性や労働時間の裁量、対価の正当性について適切に主張を行っていく必要があります。

また、残業代請求については、交渉力の格差が獲得金額に大きく影響してきます

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まとめ

以上のとおり、今回は、係長への残業代の支給状況について説明したうえで、管理監督者該当性やこれまでの残業代を取り戻す方法について解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

・平成28年9月の残業代支給の有無について、係長級の方は85.0%が残業代を支給されたと回答しています

・係長の役職に就いている場合であっても、法的には直ちに残業代を支払わなくてもいいということにはなりません。

・係長の方が残業代を請求する手順は、以下のとおりです。
手順1:名ばかり管理職の証拠を集める
手順2:残業代の支払いの催告をする
手順3:残業代の計算
手順4:交渉
手順5:労働審判・訴訟

・係長就任時に残業代が支給されないことに合意していた場合、又は、係長以上の役職には残業代を支給しないとの就業規則がある場合でも、残業代を請求できる可能性があります。

この記事が係長職になったものの残業代を支払ってもらえず悩んでいる方の助けになれば幸いです。

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