試用期間は「お試し期間みたいなものだから簡単に解雇できる」、このように会社から言われたことはありませんか。
結論から言うと、試用期間中であっても、
です。
試用期間中であっても既に雇用契約は成立しており、労働者は他社へ就職する機会を放棄しているためです。
実際、多くの裁判例では、試用期間中の解雇であっても、通常の解雇と同様に、解雇の正当性を厳しく判断して、解雇が濫用に当たるとしています。
ただし、試用期間についての正しい知識を持っていないと、会社の言い分が間違っていても気がつくことができません。
試用期間中の解雇が認められにくいということを知らずに、解雇を争うことをあきらめてしまう方も多いのです。このような方の話を聞き、私は、相談に来ていただければアドバイスをすることができたのにと感じることが度々ありました。
また、試用期間中に解雇された場合には、労働者は、以下の4つのお金をもらえる可能性があります。
①解雇予告手当
②失業保険
③解雇後の給料
④慰謝料
しかし、試用期間中に解雇されてしまった方の中には、自分がもらえる可能性のあるお金があることに気がついていない方が多くいます。
そのため、私は、この記事で試用期間解雇の条件や理由、手続、対処法について、誰でも分かりやすいように説明していこうと思います。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
少しでも多くの人に、試用期間中の解雇は争える可能性があることを知っていただければ幸いです。
解雇された場合に「やるべきこと」と「やってはいけないこと」は、以下の動画でも詳しく解説しています。
目次
そもそも試用期間とは?法律上の正しい扱いを確認しよう
試用期間とは、一定期間、労働者を実際に職務に就かせてみて、採用試験や面接では知ることのできなかった業務適格性等をより正確に判断するための期間です。
試用期間は、既に労働者と会社との間で雇用契約が成立した後の状態です。
そのため、試用期間中に労働者を本採用しないことを決めた場合には、会社が雇用契約を一方的に破棄するものとして、解雇に当たることになります。
つまり、試用期間というのは、雇用契約が成立した後に、当初知ることができない事情を見て、その労働者を継続して雇用するかどうかを決めるための期間なのです。
会社が労働者の適性を見るために契約期間を設けた場合には、これが「有期契約」なのか、「試用期間」なのか不明確となる場合があります。
例えば、会社が、ひとまず雇用契約の期間を3か月間として、問題がないようであれば、そのまま無期契約として働き続けてほしいと言うような場合です。
これについて、判例は、雇用契約において、期間を設けた趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するためのものであるときには、試用期間との明示がされていなくても、原則として、この期間は、契約の存続期間ではなく、試用期間であるとしています。
(参照:最三小判平2.6.5民集44巻4号668頁[神戸広陵学園事件])
そのため、会社に、「有期契約だから契約は終了だ」と言われてもあきらめる必要はありません。
その設けられた期間が適性を見るためのものである場合には、無期契約を前提とした試用期間にすぎないことになりますので、本採用をしないことは「解雇」にあたり容易には認められないことになるのです。
試用期間中の解雇は可能か?
試用期間中の解雇は、可能です。
ただし、解雇には条件があり、
必要があります。
具体的には、採用決定後における調査の結果や試用期間中の勤務状態等により、
①当初知ることができなかったような事実を知った場合で、
②そのような事実から雇用し続けることが適当でないと判断することが客観的に相当であると認められる場合に、
試用期間中の解雇が認められます。
一般的には、試用期間中の解雇は、通常の解雇と全く同一ではなく、試用期間中の解雇の方が通常の解雇よりも広い範囲において解雇が認められるとされています。
しかし、実際の裁判例の傾向としては、試用期間中の解雇の場合にも、通常の解雇の場合に準じて、その正当性を厳格に判断しています。
そのため、多くの裁判例は、試用期間中の解雇を無効としています。
試用期間中の解雇が有効か無効かを判断する4つのポイント
試用期間の解雇が有効か無効かを判断する際には、以下の4つのポイントがあります。
ポイント1:採用当時知ることができた事情による解雇は無効となる
ポイント2:「客観的に」正当でない事情による解雇は無効となる
ポイント3:業務改善の機会を与えていない解雇は無効となりやすい
ポイント4:試用期間満了前の解雇は無効となりやすい
それでは、順番に見ていきましょう。
ポイント1:採用当時知ることができた事情による解雇は無効となる
採用当時知ることができた事情による解雇は無効となります。
なぜなら、試用期間は、採用の際に知ることができなかった事情について調査したり、実際の業務遂行状況を見たり、するための期間であるためです。
例えば、以下のようなケースでは解雇は不当と評価される可能性が高いです。
(例)労働者が営業職の経験が少ないことを理由に解雇されたものの、採用の際に提出した履歴書にこれまでの職務経歴を書いており、営業職を経験したことがないことは履歴書を見れば明らかであったケース
これに対して、以下のようなケースでは解雇は正当と評価される可能性があります。
(例)労働者が営業職の経験が少ないことを理由に解雇されたところ、労働者は採用の際に提出した履歴書の経歴欄にこれまで長年営業職を経験したことがあると記載していたケース
ポイント2:「客観的に」正当でない事情による解雇は無効となる
「客観的に」正当でない事情による解雇は無効となります。
会社が単にその労働者は会社に合わないと感じたというだけでは、その労働者を解雇することはできないのです。
例えば、会社が以下のような事情をあげるのみのケースでは解雇が不当と評価される可能性が高いです。
「労働者の挨拶の声が小さい」
「労働者の性格が暗い」
「他の従業員も一緒に働きたくないと言っている」
これに対して、会社が以下のような事情をあげるケースでは解雇が正当と評価される可能性があります。
「労働者が具体的にミスをした内容や回数」
「他の労働者と比較した成績」
「労働者が行った具体的な問題行動」
ポイント3:業務改善の機会を与えていない解雇は無効となりやすい
会社が労働者に対して業務改善の機会を与えていない解雇は無効となりやすい傾向にあります。
解雇は最終手段とされており、会社は、可能な限り、解雇を回避するよう努める必要があるためです。
業務改善の機会を与える際には、抽象的に業務を改善するように言うだけでは足りず、具体的にどのようなミスをどのように改善すべきかを指導しなければなりません。
ただし、最近の裁判例で、試用期間中の解雇は、試用期間が3か月間と設定され、時間的制約があることにも鑑みれば、比較的短期間に複数回の指導を繰り返すことを求めるのは、会社にとって必ずしも現実的とは言い難いとして、試用期間中の解雇が相当性を欠くとはいえないとしたものがあります。
(参照:東京地判令元.9.18労経速2405号3頁[ヤマダコーポレーション事件])
そのため、業務改善指導が要求される程度は、試用期間中の解雇の場合、通常の解雇よりも緩和されて、「複数回」の指導までは不要とされる可能性もあるので留意が必要です。
ポイント4:試用期間満了前の解雇は無効となりやすい
試用期間満了前の解雇は、試用期間満了時の解雇に比べて、無効となりやすい傾向にあります。
なぜなら、解雇が有効とされるには、残りの試用期間も使用することにより改善する可能性がないことも必要とされるためです。
また、就業規則などにより、試用期間満了時に解雇することがある旨が規定されていても、試用期間満了前に解雇する旨は規定されていないこともあります。
そのため、試用期間満了時の解雇に比べて、試用期間満了前の解雇については、認められない可能性が高いのです。
よくある試用期間中に解雇される5つの理由
よくある試用期間中に解雇される理由は、以下の5つです。
・能力不足
・無断欠勤
・経歴詐称
・勤務態度・協調性不足
・経営不振
順に説明していきます。
能力不足
よくある試用期間中に解雇される理由の1つ目は、
です。
能力不足を理由とする解雇は、採用の際にどのような能力が求められていたかが重要となります。
雇用契約書にどのようなこと条件が記載されているか、面接の際に職務経験についてどのような話をしたのかを考慮することになります。
そして、求められている能力に照らして、雇用契約を継続することが期待できないといえる場合に、解雇が有効とされることになります。
即戦力の中途入社として採用された場合には、新卒採用の場合と比較して、高い能力を求められる傾向にあります。
また、これまでの経歴等が重視されるため、必ずしも他の職種への転換などの検討は不可欠ではないとされます。
ただし、中途入社の場合であっても、これまでの経歴が重視されていない場合や新卒入社の従業員に比較して有利な条件で採用されたわけでない場合には、高い能力が求められているとはいえないこともあります。
無断欠勤
よくある試用期間中に解雇される理由の2つ目は、
です。
無断欠勤については、行政通達が以下の場合には解雇予告なく解雇できるとしていますので参考となります。
経歴詐称
よくある試用期間中に解雇される理由の3つ目は、
です。
経歴詐称が解雇理由となるのは、
の場合に限定されています。
具体的には、最終学歴、職歴、犯罪歴などの詐称が問題となります。
勤務態度・協調性不足
よくある試用期間中に解雇される理由の4つ目は、
です。
勤務態度や協調性不足については、これのみから直ちに解雇が有効となるわけではありません。
会社に具体的な支障が生じていない場合や、支障が生じていたとしてもこれを指摘したうえで、改善の機会を十分に会えていない場合には、解雇は無効となる傾向にあります。
経営不振
よくある試用期間中に解雇される理由の5つ目は、
です。
経営不振を理由とする解雇は、以下の4つの要素を考慮し、その有効性が判断されます。
・経営上の必要性
・解雇回避努力
・人選の合理性
・手続の相当性
経営上の必要性については、債務超過など高度の経営上の困難性が必要です。
解雇回避努力は、配転、出向、一時帰休、労働時間の短縮、希望退職者の募集等の解雇を回避する措置を講じる必要があります。
人選の合理性は、人選基準が客観的・合理的なものであること、その適用が公正なものであることが必要です。
手続の相当性は、労働者との間で十分に説明・協議をする必要があります。
試用期間中であれば「雇用されてから14日」が1つのラインになる
通常、会社は、労働者を解雇する場合には、30日以上前の解雇する旨を予告するか、30日分の平均賃金により計算した解雇予告手当を支給する必要があります。
試用期間中の解雇は、雇用されてから14日を経過しているかどうかにより、この解雇予告の要否が異なります。
試用期間中の者には、解雇予告のルールが原則として適用されないためです。
ただし、例外的に14日を超えて引き続き雇用されている労働者には、通常どおり、解雇予告のルールが適用されることになります。
つまり、試用期間について、解雇予告のルールを整理すると以下のとおりとなります。
試用期間における実際にあった不当解雇判例を紹介
【事案】
この事案で解雇された方(X氏といいます)は、前職のO証券会社に勤務していたころからいわゆるステップアップを考えるようになり、転職先を探し始め、他の証券会社に入社しました。
入社の際には、X氏は、O証券での実績や経験を生かして営業基盤の底上げ、顧客の拡大をして欲しいと告げられたものの、営業ノルマの話は一切されませんでした。
そして、入社後6か月の試用期間が設けられていましたが、採用されてからのわずか3か月強の期間の営業成績のみをもって、労働者の資質、性格、能力等が会社の従業員としての適格性を有しないとして、会社から解雇されました。
【裁判所の判断】
裁判所は、X氏が、勧誘に応じてO証券を退社して入社したにも関わらず、試用期間の満了を待つことなくわずか3か月ほどで成績不振を理由に解雇されるに至っているのであって、適格性がないと認めることはできないとして、解雇に客観的に合理的な理由があり社会通念上相当といえる場合には該当しないとしています。
そのうえで、裁判所は、本件解雇に至る会社の対応は性急にすぎ、また突然の解雇によりX氏の顧客の信頼も少なからず損なわせたものと認められとして、
を認容しました。
(参照:東京地判平21.1.30労判980.18[ニュース証券事件])
パート・アルバイトの試用期間解雇の扱いについて
パートやアルバイトの契約が有期契約である場合に、その有期契約の中で試用期間を定めることも許されます。
有期契約の中で試用期間を付することも、労働基準法に反するとはいえず、自由な契約の範囲内とされているためです。
ただし、有期契約の場合には、たとえ試用期間中であっても、契約期間の間は、やむを得ない事由がなければ解雇は許されません。
つまり、パートやアルバイトでも、試用期間中の解雇は無効となることがあります。
会社に解雇を撤回させる手順
会社に解雇を撤回させる手順は、以下のとおりです。
STEP1:解雇理由証明書を請求する
STEP2:解雇の正当性を検討する
STEP3:解雇の撤回を求める
STEP4:交渉する
STEP5:裁判手続を行う
STEP1:解雇理由証明書を請求する
試用期間に解雇された場合には、会社に対して、解雇理由証明書を請求することになります。
解雇理由証明書を交付してほしい旨を記載した内容証明郵便を会社に送付する方法により請求しましょう。
試用期間であっても、労働者から求められれば、会社は、解雇理由証明書を交付する必要があります。
解雇理由証明書の交付を受けることで、会社が、どのような理由により解雇をしたのかを知ることができ、解雇を争うべきか、どのように争うかの方針を立てることができます。
解雇理由証明書の請求方法等については。以下の記事で詳しく説明しています。
STEP2:解雇の正当性を検討する
解雇理由証明書の交付を受けたら、その解雇が正当かを検討することになります。
先ほど説明したポイントに照らして、検討しましょう。
解雇の正当性については、専門家でないと判断が難しい場合が多いため、弁護士の初回無料相談などを利用することがおすすめです。
STEP3:解雇の撤回を求める
試用期間の解雇を争う場合には、労働者は、会社に対して、解雇の撤回を求めることになります。
これについても、内容証明郵便に解雇の撤回を求める旨を記載する方法により行うのがよいでしょう。
また、併せて解雇日以降の業務を指示するように求めておきます。
解雇を争う意思を明確に示しておくことで、会社から、解雇に納得していたと反論されたり、働く意思がないと反論されたりする可能性を減らすことができます。
STEP4:交渉する
解雇の撤回を求めたら、会社が主張している解雇理由を踏まえて、解雇が認められないことを説得的に説明することになります。
交渉を行う方法については、文書でやり取りする方法、電話でやり取りする方法、直接会って話をする方法など様々です。相手方の対応等を踏まえて、どの方法が適切かを判断することになります。
そして、会社との間で、解決について折り合いがつくかどうかを話し合うことになります。
STEP5:裁判手続を行う
話し合いによる解決が難しい場合には、労働審判や訴訟などの裁判所を通じた解決を検討することになります。
労働審判は、全3回までの期日で調停を目指し、調停が成立しない場合には裁判所が一時的な判断を下すものです。
労働審判とはどのような制度かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、特に期日の回数に制限はありません。1か月に1回程度の頻度で期日を行うことになり、長いと解決までに1年程度の期間を要することもあります。
裁判手続については専門性が高いため弁護士に委任することを強くおすすめします。
試用期間中の解雇でもらえる可能性のある「お金」
試用期間中に解雇された場合にもらえる可能性のある「お金」は、以下のとおりです。
・解雇予告手当
・失業保険
・解雇後の賃金
・慰謝料
順に説明していきます。
解雇予告手当
会社は、14日を超えて労働者を雇い続けている場合には、試用期間中であっても、即日解雇には、解雇予告手当の支払いが必要です。
この場合、労働者は、解雇自体を争わないときは、会社に対して、30日分の平均賃金により計算した解雇予告手当を請求することができます。
解雇を争う場合には、解雇予告手当を請求してしまうと、「解雇を認めていたではないか」と会社から反論されてしまいますので注意してください。
解雇予告手当の計算方法や請求方法については、以下の記事で詳しく説明しています。
失業保険
失業保険については受給するためには、会社都合退職の場合であっても、少なくとも離職日以前の加入期間が
であることが必要です。
しかし、多くの企業は試用期間を6か月よりも短く設定しているため、試用期間中の解雇の場合、労働者は、失業保険を受給することができないのが原則です。
ただし、再就職の場合には、前職を退職してから1年以内であれば、失業保険を受給できる可能性があります。
その場合には、期間が経過してしまう前に早めに申請しましょう。
なお、解雇を争う場合には、「仮給付」の方法により失業保険を受給するようにしましょう。
詳しくは以下の記事で説明しています。
失業保険の仮給付については、以下の動画でも詳しく解説しています。
解雇後の給料
試用期間中の解雇が無効である場合には、解雇後の給料を請求することができます。
解雇された後は、通常、会社から出勤することを拒否されます。そうすると、労働者は、働いていない以上、その分の給料は請求できないのではないか疑問に感じますよね。
しかし、解雇が無効である場合には、労働者が勤務することができなかった原因は会社にあります。
そのため、労働者は、解雇が不当である場合には、その後出勤していなくても、解雇された後の給料を請求することができるのです。
そして、解雇後の給料は、解雇されてから解決するまでの給料が支払われることになります。
そのため、労働者が解雇を争う場合、この解雇された後の給料の請求が最も大きな請求になることが多いのです。
ただし、労働者が、解雇された後に他の仕事をして収入を得ているような場合には、その金額が平均賃金の6割を超える部分から控除されることになります。
解雇された後の給料については、詳しくは以下の記事で解説しています。
バックペイ(解雇後の賃金)については、以下の動画でも詳しく解説しています。
慰謝料
試用期間中の解雇が無効であり、かつ、悪質性が高い場合には、慰謝料を請求できることがあります。
不当解雇の慰謝料相場は、
と言われています。
ただし、先ほど見たように試用期間中の解雇で150万円の慰謝料が認容された例もあります。
不当解雇の慰謝料の金額については、詳しくは以下の記事で解説しています。
不当解雇の慰謝料については、以下の動画でも詳しく解説しています。
試用期間解雇をされたら弁護士に相談するべき4つの理由
試用期間解雇されたら弁護士に相談することを強くおすすめします。
その理由は、以下の4つです。
・解雇の正当性を検討してもらえる!
・どのような請求ができるか見通しを教えてもらえる!
・解雇を争うための方針を助言してもらえる!
・初回無料相談であれば費用はかからない!
解雇の正当性を検討してもらえる!
弁護士に相談することで、代わりに解雇の正当性を検討してもらうことができます。
解雇については、それが有効となるための具体的な基準があるわけではありません。そのため、解雇の正当性については、法律の専門家であっても判断に悩むことがあります。
しかし、解雇事件に特に注力している弁護士であれば、類似の事案等のこれまでの経験から、その解雇が正当かどうかの見通しを立てることができます。
特に、試用期間中の解雇については、通常の解雇と全く同一というわけではありません。そのため、試用期間中の解雇事件を実際に取り扱った経験がある弁護士に相談するべきです。
そこで、試用期間の解雇を争う場合には、まずは解雇事件に注力している弁護士にその正当性を検討してもらうことがおすすめなのです。
どのような請求ができるか見通しを教えてもらえる!
弁護士に相談することで、相談者の意向を踏まえて、どのような請求ができるのか、どのような請求をしていくべきなのか、その金額等について、見通しを教えてもらうことができます。
試用期間中に解雇をされた場合には、会社に対して請求できる権利が複数想定され、どのような請求をしていくべきかについては、その相談者が目指す解決により、それぞれ異なります。
そして、実際、その請求をした場合にどの程度の金額を獲得することができる可能性があるのかが分からなければ、その請求をするべきかどうかの判断にも悩むでしょう。
このような相場観については、実際に解雇事件を多く取り扱っている弁護士に確認してみなければ分かりにくい事項です。
そのため、試用期間中に解雇された場合には、まずは自分にどのような権利があるのか、それを行使した場合の見通しはどうかについて、弁護士によく確認しておくべきです。
解雇を争うための方針を助言してもらえる!
弁護士に相談することで、解雇を争うための方針を助言してもらうことができます。
例えば、会社に対して送付する文書の内容はどのように記載するべきか、交渉する際にはどのように説得するべきかについては、実際に解雇を争ったことがないと悩む人が多い部分です。
特に、試用期間中の解雇については、会社が「簡単に認められるものと勘違い」していることがあり、労働者の主張に耳を傾けないことが多く、解雇が不当であると認めないことがほとんどです。
そのため、試用期間中の解雇を争う場合には、どのようにして解雇を争っていくのかについて、その方針について弁護士に助言をしてもらっておくべきです。
初回無料相談であれば費用はかからない!
弁護士の初回無料相談を利用すれば、費用をかけずに弁護士に相談することができます。
弁護士に依頼するかどうか悩んでいる方も、実際に弁護士に相談してみて、その見通しや費用を確認してから、どうするかを決めればいいのです。
弁護士の初回無料相談を利用するデメリットは特にありません。
そのため、試用期間中の解雇を争う場合には、弁護士の初回無料相談を利用することを強くお勧めします。
まとめ
以上のとおり、今回は、試用期間中の解雇も不当となること及びもらえる可能性のあるお金を説明しました。
この記事の要点をまとめると以下のとおりです。
【試用期間中の解雇が認められる条件】
採用決定後における調査の結果や試用期間中の勤務状態等により、
①当初知ることができなかったような事実を知った場合で、かつ
②そのような事実から雇用し続けることが適当でないと判断することが客観的に相当であると認められる場合
【試用期間の解雇が有効か無効かを判断するポイント】
ポイント1:採用当時知ることができた事情による解雇は無効となる
ポイント2:「客観的に」正当でない事情による解雇は無効となる
ポイント3:業務改善の機会を与えていない解雇は無効となりやすい
ポイント4:試用期間満了前の解雇は無効となりやすい
【試用期間中に解雇された場合にもらえる可能性のあるお金】
・解雇予告手当
・失業保険(再就職の場合等加入期間を充たす場合)
・解雇後の給料
・慰謝料
試用期間中に解雇されてしまった方にこの記事を読んでいただき、試用期間中の解雇も認められにくいことを知っていただければ幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。