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減給に不満なら絶対に同意しない!上手に拒否する3つの方法とその後

減給に不満なら絶対に同意しない!

会社から減給に同意するように求められて困っていませんか?

生活のことを考えると減給には同意したくないものの、拒否したらその後どうなってしまうのか不安ですよね。

まず、皆さんに知っておいていただきたいのは、減給には不満がある場合には、絶対に同意書にサインしてはいけないということです。

一度、同意書にサインしてしまうと、差額の給料を取り戻す難易度が格段に上がってしまいます。

労働者が減給の同意書にサインする義務は全くありませんし、これを拒むことは違法ではありませんので、不満がある場合には、サインする前に必ず弁護士に相談しましょう

しかし、会社も減給の同意書を得るために、労働者に対して、様々な方法で説得を試みます。

実際、相談に来られる方の中には、「既に同意書にサインしてしまったのだがどうにかならないか」と悩んでいる方も多いのです。

サインした後でも対処できることはありますが、そのような事案の多くはサインする前にご相談いただければよりよい解決ができた事案ばかりです。

そのため、この記事では、会社から、減給に同意するように求められた場合に、どのように行動していけばいいのかについて、わかりやすく説明していきたいと考えています。

今回は、減給に不満なら同意してはいけないこと、並びに、上手に拒否する方法や拒否後に想定されるパターンを解説します。

具体的には以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば、減給に同意するように求められた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。

 

 

 

 

 

 

減給に同意しないことも自由!

減給の同意のイメージ労働者は、会社からの減給に同意しないことも自由です。

会社から、減給に同意を求められた場合に、労働者がこれに応じなかったとしても違法になることはありません

契約自由の原則に基づき、どのような雇用条件に合意するかは労働者の意思が尊重されるためです。

しかし、会社によっては、さも労働者が合意しなければいけないかの如く、同意書へのサインを求めてくることがあります

もしも、このように会社から同意を迫られても、これを拒否できることを覚えておきましょう。

会社が減給の同意を求める理由

会社が減給の同意を求める理由は、減給をするには法的根拠が必要であるためです。会社は、根拠なく労働者の給与を引き下げることはできないのです。

なぜなら、入社時に合意した労働者の給与の金額やその後に昇給した金額については、雇用契約の内容となり、会社と労働者を拘束するためです。

昇給については労働者が明示していなくても当然合意しているものといえますが、減給については労働条件を不利益に変更するものですので明示がない場合に当然合意しているとはいえません。

そのため、雇用契約の内容を変更するに足りる根拠が必要とされるのです。

減給の根拠としては、例えば、以下の6つがあります。

根拠1:懲戒処分としての減給
根拠2:降格に伴う減給
根拠3:給料の査定条項に基づく減給
根拠4:就業規則の給与テーブルの変更による減給
根拠5:労働協約に基づく減給
根拠6:合意に基づく減給

給料の引き下げ根拠ただし、会社は、根拠1~根拠5により減給することは、容易ではなく、十分な準備が必要となり、紛争になるリスクも少なくありません

そのため、会社は、労働者の合意を得ることにより、減給を行おうとするのです。

減給の根拠については、以下の記事で詳しく解説しています。

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会社から同意を求められる3つの状況

減給への同意については、以下のような同意書へのサインを求められることが通常です。

賃金の減額に関する同意書

このような同意書へのサインを求められる状況としては、以下の3つがあります。

状況1:面談
状況2:説明会
状況3:メールや書面

それでは各状況について一緒に見ていきましょう。

状況1:面談

会社から減給への同意を求められる状況で最もよくあるのは「面談」です。

ある日、話があるからと言われて面談室に行く、業績不振や成績不良等の話をされて、賃金減額の同意書にサインを求められます。

会社によっては、サインしないと雇用し続けることができないなどと言ってくることがあります。

可能であれば、面談の内容を録音しておくといいでしょう。減給の理由について、後から変更されることも多いためです。また、万が一、サインしてしまっても、録音から、同意したくない意思がうかがえれば、これを争えることがあります。

状況2:説明会

会社から減給への同意を求められる状況としては「説明会」もあります。

説明会説明会が行われるのは、業績不振などのケースで減給の対象となる労働者が多いような場合です。

会社の売上状況や人件費、減給の時期や金額などについて、資料などを見せながら説明されます。

そして、その説明会の最後に同意書を交付されて、そこにサインするように求められます。他の社員も大勢いて役員から見られていることもあるため、雰囲気に負けてサインしてしまう方も多いのです。

状況3:メールや書面

会社から減給への同意を求められる状況の最後は「メールや書面」によることもあります。

メール例えば、上司から減給の説明や同意を求めるメールが届き同意書のデータが添付されていることや、上司が直接机まで来て明日までにこれにサインしてきてほしいと説明を記載した書面と共に渡されることもあります。

面談や説明会に比べて、冷静に判断する時間があることが多いので、記載内容についてよく確認しておきましょう

減給への同意を拒否する方法

減給への同意を拒否する方法としては、例えば、以下の3つの方法があります。

方法1:口頭で明確に拒絶の意思を伝える
方法2:その場でサインせず持ち帰る
方法3:メールや書面で拒絶の意思を伝える

それぞれの方法について順番に説明していきます。

方法1:口頭で明確に拒絶の意思を伝える

減給への同意を拒否する方法で一番単純な方法は、同意書へはサインをせず、口頭で明確に拒絶の意思を伝えることです。

例えば、「同意書にはサインをすることはできません」というだけで足ります。サインしないことについて、特に理由は必要ありません。

方法2:その場でサインせず持ち帰る

減給へ同意していいのかどうか悩んでいる場合には、ひとまず、その場ではサインせずに同意書を持ち帰りましょう

例えば、「内容をよく確認させていただきたいので持ち帰らせてください」と伝えましょう。

同意書を持ち帰れば、弁護士に同意書の内容が正当かについて相談することもできます。

方法3:メールや書面で拒絶の意思を伝える

最後に、会社から、執拗に減給への同意を求められた場合には、メールや書面により「減給には同意できないので、これ以上の説得は止めてほしい」旨を伝えましょう

また、減給に同意していないのに会社が一方的に減給をしてきた場合にも、メールや書面により、減給に同意していないことを明確にしておいた方がいいでしょう。異議を唱えないでいると、暗黙に同意が成立していたなどと反論されることがあるためです。

減給に同意しない場合どうなる?

とはいっても、減給に同意しないと、その後、どうなってしまうのか不安ですよね。

もしも、減給に同意しない場合の流れとしては、例えば、以下の4つのパターンが想定されます。

パターン1:現状が維持される
パターン2:一方的に減給される
パターン3:(不当)解雇される
パターン4:契約の更新拒絶[契約社員]

各パターンについて順番に説明していきます。

パターン1:現状が維持される

想定されるパターンの1つ目は、現状が維持されるパターンです。

会社としても、減給の根拠がなければこれを行うことはできません。

そのため、あなたが同意しなければ、会社は減給をあきらめ、現状が維持される可能性があります。

パターン2:一方的に減給される

想定されるパターンの2つ目は、一方的に減給されるパターンです。

会社は、労働者の同意がなくても、他に減給の根拠があれば、これを行うことができます

例えば、会社が紛争になる可能性を減らすために、念のため、同意書も取得しておこうと考えているだけだった場合です。

そのため、あなたが減給に同意しない場合でも、他の根拠に基づき減給が行われる場合があります。

パターン3:(不当)解雇される

想定されるパターンの3つ目は、(不当)解雇されるパターンです。

会社によっては、労働者に退職を促そうとして、減給を行おうとすることがあります。

また、能力不足を指摘されて、このままでは従前の給与を支払うことは難しいなどと言われることがあります。

このような場合には、会社の予期に反して、労働者が退職しなかったり、減給に同意しなかったりすると、(不当)解雇が強行されることがあります。

しかし、解雇には厳格な条件があり、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当といえない場合には、濫用として無効となります

そのため、万が一、解雇されても慌てずにまずは弁護士に相談に行きましょう。

解雇の条件については、以下の記事で詳しく解説しています。

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パターン4:契約の更新拒絶[契約社員]

想定されるパターンの4つ目は、契約社員の場合に契約の更新を拒絶されるパターンです。

雇用契約については、基本的には雇用期間の範囲内でのみ拘束力があるため、雇用期間満了後に同一の労働条件で更新しないことや更新自体を拒絶することも直ちに違法とはいえません

ただし、労働者の更新の期待が強いような場合に更新の拒絶をすることは、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当といえない場合には、許されません。

雇い止めについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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減給に同意した後でも争える場合がある

減給に同意した後も、その同意が無効であると主張して、差額の給与を請求できる場合があります

判例では、労働条件を不利益に変更することについての合意の有無は、当該変更によりもたらされる不利益の内容および程度、労働者により当該行為がされるに至った経緯およびその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供または説明の内容に照らして、当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点から、慎重に判断するとされているためです。

ただし、裁判所は、「同意書への署名押印」という証拠を決して軽くは見ませんので、これを争うには、労働者としても十分に証拠を集めておく必要があります

特に、当日どのような経緯で同意書に署名押印をしたかということについては、録音などで具体的に説明していく必要があるでしょう。

そのため、減給にどうしてしまうと差額の給与を請求する難易度は格段に上昇してしまいますので、安易に同意しないように注意しましょう。

最二小判平28.2.19民集70巻2号123頁[山梨県民信用組合事件]
労働者の退職金支給規程が不利益変更され、退職金が大幅に減額された際に、経営側は職員に変更理由を説明した上で、第1回目については変更への同意書、第2回目については説明会報告書への署名押印を得た事案について、
労働契約の内容である労働条件は、労働者と使用者間の個別の合意によって変更できるが(労働契約法8条・9条本文)、当該変更に対する労働者の同意の有無については慎重に判断すべきであり、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく、当該変更によりもたらされる不利益の内容および程度、労働者により当該行為がされるに至った経緯およびその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供または説明の内容に照らして、当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも判断すべきであるとしました。

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まとめ

以上のとおり、今回は、減給に不満なら同意してはいけないこと、並びに、上手に拒否する方法や拒否後に想定されるパターンを解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

・減給に同意するかどうかは労働者の自由ですので、労働者がこれに同意しなかったとしても、そのことが違法にはなりません。

・会社が減給の同意を求める理由は、減給をするには法手根拠が必要であるためです。

・減給の同意書へのサインを求められる状況としては、以下の3つがあります。
状況1:面談
状況2:説明会
状況3:メールや書面

・減給への同意を拒否する方法としては、例えば、以下の3つの方法があります。
方法1:口頭で明確に拒絶の意思を伝える
方法2:その場でサインせず持ち帰る
方法3:メールや書面で拒絶の意思を伝える

・減給に同意しない場合には、例えば、以下の4つのパターンが想定されます。
パターン1:現状が維持される
パターン2:一方的に減給される
パターン3:(不当)解雇される
パターン4:契約の更新拒絶[契約社員]

・減給に同意した後も、その同意が無効であると主張して、差額の給与を請求できる場合があります。但し、難易度は上昇してしまいますので安易に同意しないようにしましょう。

この記事が減給に同意しなければいけないのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。

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