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サービス残業は当たり前ではない!サービス残業の実態と4つの要因

サービス残業は当たり前ではない!サービス残業の実態と4つの要因
悩み

サービス残業は当たり前なのか悩んでいませんか

他の従業員がサービス残業を行っていると、サービス残業を行うことが普通なのではないかと錯覚してしまう方もいるかもしれません。

しかし、サービス残業は、決して当たり前ではありません。これは正社員であってもパートであっても同様です。

サービス残業は刑事罰のある違法行為ですし、実際にサービス残業をしている方は労働者全体の中でも少数派です。

サービス残業が当たり前と言われがちな職業としては、介護職や保育士、看護師があります。

介護職や保育士は勤務時間中に事務作業などができず持ち帰りが多く、看護師は早出をして準備をしている方が多いためです。

一般に、サービス残業が当たり前と言われる要因としては、以下の4つが挙げられます。

要因1:帰りにくい又は早く来なければいけない職場環境
要因2:ブラック上司
要因3:残業代を請求しにくい
要因4:業務量が多いのに残業申請できない

サービス残業を当たり前にしないためには、一人一人が残業時間の証拠を付けておき、弁護士に相談したうえで、残業代を請求していくことが大切です。

実は、サービス残業に不満を感じながらも行動に移すことができない方が非常に多いのです

もし、在職中に波風を立てたくないという方は、退職後も請求できるので証拠だけでも集めておきましょう。

この記事をとおして、サービス残業が当たり前なのではないかと悩んでいる方を少しでも減らすことができれば幸いです。

今回は、サービス残業は当たり前ではないことを説明したうえで、サービス残業の実態と4つの要因について解説していきます。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事で分かること

この記事を読めば、サービス残業が当たり前ではないことについてよくわかるはずです。

       

サービス残業は当たり前ではない!サービス残業の実態

サービス残業は、決して当たり前ではありません

労働基準法は、労働者が残業をした場合には、残業代を支払わなければならないとしています。

これに違反した場合には、6か月以下の懲役又は30万円いかの罰金に処するとされています。

つまり、サービス残業をさせることは、刑事罰のある違法行為なのです。

また、実際にサービス残業をしている方は、労働者全体の中でも少数派です

日本労働組合総連合会による労働時間に関する調査では、「サービス残業をせざるを得ないことがあるか、ないか」との質問に対して、「ある」と答えたのは全体の42.6%にとどまっています。

賃金不払い残業(サービス残業)をせざるを得ないことがあるか、ないか

(出典:日本労働組合総連合会 労働時間に関する調査

そのため、サービス残業は、決して当たり前のことではないのです。

サービス残業が当たり前ではないのは正社員もパートも同じ

サービス残業が当たり前ではないのは、正社員もパートも同じです

正社員だからと言って、残業代を支払わなくていい理由とはならないためです。

確かに、パート勤務だと時給制とされていることが多いため、そもそも時間当たりで賃金が支払われているため、サービス残業は少ない傾向にあります。

これに対して、正社員は月給制のため、働く時間が増えても、その時間分は支給しないという会社があります

例えば、正社員に限定すると、前述の日本労働組合総連合会による労働時間に関する調査では、サービス残業をせざるを得ないことがあるとの回答は51.9%となっています。

これに対して、非正規社員だと、30.5%にとどまっています。

しかし、労働基準法上は、パートであろうと、正社員であろうと、残業代を支払わなければならないのです。

       

サービス残業は当たり前と言われがちな職業3つ

サービス残業は、当たり前と言われがちな職業として以下の3つがあります。

・介護職
・保育士
・看護師

サービス残業は当たり前と言われがちな職業3つ

それでは、各職業について順番に説明していきます。

サービス残業は当たり前と言われがちな職業1:介護職

サービス残業は当たり前と言われがちな職業の1つ目は、介護職です。

介護職の場合には、日中は利用者のケアを行っていることになりますので、介護記録の入力や申し送りなどが、勤務時間外にやらざるを得ないことがあります。

また、緊急の携帯電話を持たされて、勤務時間外についても対応を迫られることもあります。

そのため、介護職では、サービス残業が当たり前と言われやすいのです。

サービス残業は当たり前と言われがちな職業2:保育士

サービス残業は当たり前と言われがちな職業の2つ目は、保育士です。

保育士は、日中は、子どもたちから目を離せず、事務仕事や行事の準備をできないことが多いため、持ち帰り自宅で残業を行わざるを得ないことがあります。

そのため、保育士は、サービス残業が当たり前と言われやすいのです。

サービス残業は当たり前と言われがちな職業3:看護師

サービス残業は当たり前と言われがちな職業の3つ目は、看護師です。

看護師は、「看護記録の作成」や「始業時間前の情報収集」などを行うなどによって、サービス残業が常態化しやすいです。

例えば、準備については、タイムカード打刻前に行うように言われたり、報告書についてはタイムカード打刻後に書くように言われたりすることがよくあります。

そのため、看護師は、サービス残業が当たり前と言われやすいのです。

看護師の残業については、以下の記事で詳しく解説しています。

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サービス残業が当たり前と言われる要因4つ

サービス残業が当たり前と言われることには、要因があります

例えば、サービス残業が当たり前となっている会社でよくみられるのが以下の要因です。

要因1:帰りにくい又は早く来なければいけない職場環境
要因2:ブラック上司
要因3:残業代を請求しにくい
要因4:業務量が多いのに残業申請できない

サービス残業が当たり前と言われる要因4つそれでは、各要因について順番に説明していきます。

要因1:帰りにくい又は早く来なければいけない職場環境

サービス残業が当たり前と言われる要因の1つ目は、帰りにくい又は早く来なければいけない職場環境です。

同僚が終業時刻後も残業の申請をせずに残業を行っている、同僚が始業時刻前から準備などをしているといった環境だと、サービス残業を断りにくくなってしまいます。

このような職場環境がサービス残業は当たり前と言われる要因になっていることが多いです。

要因2:ブラック上司

サービス残業が当たり前と言われる要因の2つ目は、ブラック上司の存在です。

上司から、「他の人は皆何も言わずに残業してくれるよ?」、「自分が仕事遅いのが悪いんだよね?」などと言われてしまうと、サービス残業を断りにくくなってしまいます。

このような上司の存在がサービス残業の要因となっているところがあります。

要因3:残業代を請求しにくい

サービス残業が当たり前と言われる要因の3つ目は、残業代を請求しにくいことです。

雇われているという立場上、職場での働きやすさというのは重要な問題です。

残業代を請求したことによって、働きにくくなってしまうのではないかと感じると、中々、残業代の請求ができない方も多いのです。

このように残業代を請求しにくいことが、サービス残業の要因となっていることがあります。

要因4:業務量が多いのに残業申請できない

サービス残業が当たり前と言われる要因の4つ目は、業務量が多いのに残業申請できないことです。

業務量が多く就業時間中には終わらないのに、残業申請を出しても承認してもらうことができないことがあります。

責任感の強い方だと、終わらない仕事を放って帰ることはできず、家に持ち帰って仕事を行ってしまうことがあります。

また、会社からも残業を承認することはできないが、勝手に家で仕事をする分には止めはしないなどと言われることもあります

このように業務量が多いのに残業申請できないことがサ-ビス残業の要因となっていることがあります。

       

サービス残業を当たり前としないための対処手順

サービス残業を当たり前にしないためには、一人一人が問題意識をもち適切に対処していくことが大切です

サービス残業が当たり前とされている状況をそのままにしておくと、会社はその問題に目を向けようとせず、職場環境が改善されることはありません。

また、あなたが行動を起こさなければ、本当は支払ってもらえたはずの残業代も支払ってもらえないままになってしまいます。

具体的には、サービス残業を当たり前としないためには、以下の手順で対処していくことになります。

手順1:タイムカードや勤怠記録をつける
手順2:弁護士に相談する
手順3:残業代を請求する

それでは、各手順について順番に説明していきます。

手順1:タイムカードや勤怠記録をつける

サービス残業を当たり前としないための対処手順の1つ目は、タイムカードや勤怠記録を付けることです。

サービス残業をした場合に働いた証拠が何も残っていないと、残業代を取り戻すことが難しくなってしまいます

例えば、タイムカードや勤怠記録を正しい時間でつけることが大切です。

タイムカードや勤怠記録を付けることが難しい場合には、一日の最初と最後のメールの送信履歴、LINEによる帰宅する旨の連絡なども証拠となります。

その他、毎日、ノートなどに1分単位で残業時間をメモしていく方法もあります。

残業時間の証拠については、以下の記事で詳しく解説しています。

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手順2:弁護士に相談する

サービス残業を当たり前としないための対処手順の2つ目は、弁護士に相談することです。

残業代については法的な問題であり、自分で残業代を請求しようとしても何かと理由を付けて支払ってもらえないことがよくあります。

そのため、サービス残業については、弁護士に相談して、見通しや方針について相談を行うといいでしょう。

手順3:残業代を請求する

サービス残業を当たり前としないための対処手順の3つ目は、残業代を請求することです。

残業時間の証拠をつけておき、方針等を決めたら、会社に対して残業代を請求しましょう。

具体的には、以下のような通知書を送付することが多いです。

もしも、働きながら残業代を請求することに抵抗があるがある場合には、退職した後に請求することがおすすめです

退職後も3年の時効にかかっていない部分については遡って請求することができるためです。

退職後の残業代請求については、以下の記事で詳しく解説しています。

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残業代の未払いに悩んでいる方は、一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。

       

まとめ

以上のとおり、今回は、サービス残業は当たり前ではないことを説明したうえで、サービス残業の実態と4つの要因について解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

・サービス残業は、決して当たり前ではありません。

・サービス残業が当たり前ではないのは、正社員もパートも同じです。

・サービス残業は、当たり前と言われがちな職業として、介護職、保育士、看護師があります。

・サービス残業が当たり前となっている会社でよくみられるのが以下の要因です。
要因1:帰りにくい又は早く来なければいけない職場環境
要因2:ブラック上司
要因3:残業代を請求しにくい
要因4:業務量が多いのに残業申請できない

・サービス残業を当たり前としないためには、以下の手順で対処していくことになります。
手順1:タイムカードや勤怠記録をつける
手順2:弁護士に相談する
手順3:残業代を請求する

この記事がサービス残業は当たり前なのか悩んでいる方の助けになれば幸いです。

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神奈川県弁護士会所属。不当解雇や残業代請求、退職勧奨対応等の労働問題、離婚・男女問題、企業法務など数多く担当している。労働問題に関する問い合わせは月間100件以上あり(令和3年10月現在)。誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。 【著書】長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう!ブラック企業に負けない3つの方法 【連載】幻冬舎ゴールドオンライン:不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」 【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、区民ニュース2023年8月21日
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