残業時間は何時間くらいからきついのか知りたいと悩んでいませんか?
自分が残業はきついと感じていても、それが一般的な感覚なのかどうか不安に思う方もいますよね。
残業は月30時間を超えるときつくなってきます。
残業時間の平均は月25時間程度であり、これを超える一般的な労働者よりもきつい環境で働いているといえるでしょう。
残業時間が長くてきつい原因は、プライベートの時間が少なく、心身にも支障をきたすためです。
残業時間別の特徴を整理すると以下のとおりです。

残業時間が長すぎてきつい場合には、あなた自身の生活や健康を守るためにも、いくつか対処法を試してみましょう。
実は、働き方改革の影響もあって、多くの企業では残業時間は少しずつ減ってきています。無理にきつい残業を我慢し続ける必要はないのです。
この記事をとおして、残業が何時間くらいからきついのかについて誰でもわかりやすいように目安をお伝えしていくことができれば幸いです。
今回は、残業時間は何時間からきついかについて、目安や時間別の実態と簡単な対処法4つを解説します。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、残業が長くてきついと感じた場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。



目次
残業は何時間からきつい?30時間が目安
残業がきついと感じやすいのは、月30時間が目安です
民間企業の調査では、月の残業時間についての許容範囲として最も多い回答は20時間~30時間未満とされています。
(参考:マイナビニュース「どのくらいまで耐えられる? 残業時間の許容範囲を調査」)
つまり、1日1~2時間程度の残業を許容範囲と考えている方が多くなっています。
一般的な肌感覚からしても1日数十分程度であればとくに気にならなくても、1日1時間を超えてくると少しずつ嫌気が差してくるのは自然なところでしょう。
残業時間の平均は25時間程度!これ以上は普通よりきつい
残業時間の平均は、月25時間程度とされています。
OpenWorksによる調査では、「2019年10月~12月」の平均残業時間は月25.76時間となっています。
(参考:OpenWork 働きがい研究所「日本の残業時間 定点観測」 四半期速報)
dodaによる調査では、「2019年」の平均残業時間は月24.9時間となっています。
(参考:残業時間ランキング2019【15,000人調査】)。
つまり、月25時間以上の残業をしている方は、他の労働者の方よりも残業時間が長くきつい環境で働いていると言えることになります。
転職することで、今より残業時間が少ない会社を見つけることができる可能性も高いでしょう。
残業時間の平均については、以下の記事で詳しく解説しています。



残業時間が長いときつい原因3つ
残業時間が長くてきついと感じることには、いくつかの原因があります。
残業がつらいと感じるのは、単に時間が長いからではありません。
具体的には、残業時間が長いときつい原因は以下の3つです。
原因1:プライベートの時間が少なくきつい
原因2:ストレスにより精神的にきつい
原因3:脳や心臓への負担で肉体的にきつい

それでは、これらの原因について順番に説明していきます。
原因1:プライベートの時間が少なくきつい
残業が長くなると、家族や友人と過ごす時間や、自分の趣味の時間が極端に少なくなり、生活の満足度が大きく下がってしまいます。
人は仕事だけで生きているわけではありません。
家族と食卓を囲む時間、友人と話して笑い合う時間、趣味に没頭する時間があってこそ、日々の生活に潤いが生まれます。
しかし、毎日残業で帰宅が遅くなると、こうした大切な時間が奪われ、気づけば「自分の人生を楽しむ余裕」がなくなっていきます。
例えば、残業が続き、子どもが寝た後にしか帰宅できない日が何日も続くと、家族との関係も薄れていく感覚を覚える人が少なくありません。
週末も疲れて寝て過ごしてしまえば、友人との約束や趣味の時間も失われ、“生活の彩り”が失われていきます。
仕事が忙しいことは悪いことではありませんが、家族・友人・趣味といった大切な時間を失ってまで続ける働き方は長続きしません。
残業が当たり前になっているなら、まずはプライベートの時間を意識的に取り戻すことが、心豊かに働くための第一歩になります。
原因2:ストレスにより精神的にきつい
残業が続くと、仕事の量・責任・疲労によって、精神的なストレスが限界を迎えやすくなります。
本来、仕事にはオンオフのメリハリが必要です。
しかし、残業が多くなるとオフの時間がなくなり、「いつも仕事のことを考えている状態」になってしまいます。
とくに、納期や人間関係のプレッシャーを抱えたままの長時間労働は、うつや適応障害のリスクを高めることがわかっています。
例えば、「終わらない仕事」「上司からの催促」「休んでも気が休まらない」という状態が続くと、心は休まらず、常に不安や焦りを感じる状態になります。
精神的なきつさは目に見えないぶん、気づきにくく、限界が来たときには手遅れになっていることもあります。
「最近イライラする」「何も楽しく感じない」という兆候があれば、ストレスの蓄積を疑うべきです。
原因3:脳や心臓への負担で肉体的にきつい
長時間の残業は、脳・心臓・自律神経に過度な負担をかけ、身体を壊すリスクを高めます。
医学的には、月80時間以上の残業(=過労死ライン)を続けると、脳出血や心筋梗塞の発症リスクが上がるとされています。
また、長時間労働により自律神経が乱れると、慢性的な不眠・胃腸障害・免疫低下などの体調不良にもつながります。
例えば、毎日終電まで働き、睡眠時間が4時間を切るような生活を数ヶ月続けると、朝起きられない・頭痛やめまいがする・手足がしびれる…といった症状が現れることもあります。
これは単なる疲れではなく、身体が出している危険信号です。
体力に自信があっても、長時間労働によるダメージは確実に蓄積されていきます。
「ちょっときついな」ではなく、「このままでは壊れるかもしれない」と感じたら、すぐに対処が必要です。
残業時間別!きつい残業の実態
残業時間が長くなればなるほど、職場環境はきつくなっていきます。
残業時間が増えるほどプライベートの時間は減り、心身への負担は大きくなっていくためです。
例えば、残業時間別にきつい残業の実態を整理すると以下のとおりです。

それでは、これらについて、残業時間別に一つずつ説明していきます。
残業30時間
月の残業が30時間を超えると、平日の生活リズムにゆがみが出始め、私生活への影響を感じる人が増えてきます。
1日あたり1時間20分程度の残業を行っている計算となります。
家に帰る時間が20時過ぎ頃になる生活が続くことになります。家族と夕食を食べる時間なども遅くなってくるでしょう。
このような生活が平日は毎日続くことになります。
月の残業30時間については、以下の記事で詳しく解説しています。

残業40時間
月の残業が40時間に達すると、仕事に生活が飲み込まれ始め、「自由な時間がほとんどない」と感じる状況になります。
1日あたり1時間48分程度の残業を行っている計算になります。
まず、帰宅時間が、21時頃となり家族と一緒に夕食を食べることが難しくなってきます。
睡眠時間を8時間確保しようとすると、自由時間に使える時間は一日1時間程度となります。
平日は、毎日このような生活を送ることになります。生活が仕事に侵食されていっている状況といえるでしょう。
月の残業40時間については、以下の記事で詳しく解説しています。

残業50時間
月の残業が50時間を超えるようになると、毎日の疲労が蓄積し、週末も回復に充てざるを得ない生活になっていきます。
1日あたり2時間16分程度の残業を行っている計算になります。
自宅に帰る時間は21時を過ぎてしまうことが多くなり、家族と夕食を食べることが難しくなります。
一日8時間の睡眠を確保しようとすると、自由時間は1時間もとることができないでしょう。
月の残業50時間については、以下の記事で詳しく解説しています。

残業60時間
月の残業が60時間に達すると、生活の大部分が仕事に占められるようになり、心身のバランスも崩れやすくなります。
1日あたり2時間43分程度の残業を毎日行っている計算になります。
定時が18時の職場であれば、帰宅は22時近くになり、自炊・入浴・家族との会話など、日常の時間が大幅に削られていきます。
このような生活が平日ずっと続けば、プライベートの時間はほぼゼロになります。「仕事以外の人生がない」と感じ始める人も少なくありません。
また、心身にも異変が出やすくなります。寝ても疲れが取れない、食欲がなくなる、風邪が治りにくいといった症状が見られることもあります。
月の残業60時間については、以下の記事で詳しく解説しています。

残業80時間
月の残業が80時間を超えると、家庭や人間関係への支障が顕著になり、健康面でも重大なリスクが出始めます。
1日あたり3時間40分程度の残業を毎日行っている計算になります。
帰宅が23時近くになることも出てきます。プライベートも、家族とのかかわりもなくなっていきます。
「過労死ライン」と呼ばれる水準に入ってくることになり、脳や心臓へ負担が大きくなっていきます。
残業80時間については以下の記事で詳しく解説しています。

残業100時間
月の残業が100時間になると、生活と健康の両方に深刻な影響が出る可能性が高まります。
1日あたり4時間30分程度の残業を毎日行っている計算になります。帰宅は23時を過ぎ深夜になります。
予定や季節感が失われ、「もう金曜日?」「今月何してたっけ?」と記憶が曖昧になる人もいます。
脳や心臓への負担が大きいのは勿論、心理的な負担も大きくなっていきうつ病や適応障害などのリスクも出てきます。
月の残業100時間については、以下の記事で詳しく解説しています。

残業200時間
月の残業が200時間になると、日常生活の体裁が完全に崩れ、睡眠と食事の時間さえ不規則になります。
平日は毎日6時間程度の残業をして、休みの日にも1日8時間程度働いている計算になります。
平日は帰るのは深夜になり睡眠時間は1日5時間程度です。また、休みの日も働くことになりますので、丸一日休める日はなくなっていきます。
心筋梗塞・脳卒中・適応障害などの深刻な健康被害のリスクが非常に高く、すでに労働環境としては法的にも問題のあるレベルです。
月の残業200時間については、以下の記事で詳しく解説しています。

残業300時間
月の残業が300時間に達する状態は、常識的な労働時間を超えた異常な勤務環境といえます。
1日15時間以上の労働を休みなしで30日間連続して続けている計算になります。休みは0でプライベートも皆無です。
私生活は完全に消え、家族や友人との連絡も絶えるようになります。
疲労が慢性化し、判断力や集中力に影響が出て日常生活にも支障が生じるおそれがあります。
ここまでくると、本人が異常に気づけないほど感覚が麻痺しているケースもあります。
月の残業300時間については、以下の記事で詳しく解説しています。



残業時間が長くてきつい場合の対処法
残業時間が長すぎてきつい場合には、あなた自身の生活や健康を守るためにも、いくつか対処法を試してみましょう。
あなたが何もしなければ、職場環境は変わらず、残業時間も長いままだからです。
具体的には、残業時間がなくてきつい場合の対処法としては以下の4つです。
対処法1:上司に相談する
対処法2:医療機関・産業医に相談する
対処法3:残業代を請求する
対処法4:転職する

それでは、これらの対処法について順番に説明していきます。
対処法1:上司に相談する
まずは上司や人事担当者に現状を相談し、業務量や勤務時間の見直しを求めることが第一歩です。
意外と多いのが、「頑張っていると思っていたが、そんなに残業が多いとは知らなかった」という管理職の声です。
黙っていると状況が正しく伝わらず、改善のきっかけを逃す原因になります。
「毎日2時間以上残業が続いています。業務の配分や調整ができれば助かるのですが」など、事実ベースで冷静に伝えることが効果的です。
相談は決して弱音ではありません。健全な職場環境を作るための建設的な行動と考えて、一度勇気を出して伝えてみましょう。
対処法2:医療機関・産業医に相談する
体調に異変を感じたら、早めに医療機関や産業医に相談することが大切です。
とくに月80時間以上の残業がある場合は、労働安全衛生法にもとづく対応義務が会社に生じることがあります。
長時間労働は、心身の健康に深刻な影響を及ぼすことがあり、うつ病や自律神経失調症などのリスクが高まります。
「寝ても疲れが取れない」「出勤前に吐き気がする」「夜中に目が覚める」などの症状が出てきたら、健康障害の兆候です。
医師の診断を受けて「過重労働による健康障害の恐れあり」と認定された場合には、労働時間の削減や配置転換などの措置を会社に求めることも検討しましょう。
身体が出しているサインを見逃さず、早期に医療機関・産業医に相談することが、自分の働き方と人生を守ることにつながります。
法律上も、会社は一定の健康配慮義務を負っているという点を忘れないでください。
対処法3:残業代を請求する
長時間残業が常態化しているような場合には、遡って未払いの残業代を請求できる可能性があります。
コンプライアンスが不十分であり、残業時間の算定や計算が適切に行われていないことも多いためです。
とくに月60時間以上の残業が続いている場合は、割増率も1.5倍と大きくなるため、請求額は高額になる可能性も。
例えば、長時間残業がきついと感じた場合には、弁護士に相談して、過去3年分の残業代を遡って請求することも検討しましょう。
会社は残業代を請求されたことをきっかけにこれ以上の請求を防ぐため残業時間を削減することがよくあります。
過労に苦しむだけでなく、当然の対価を正当に請求することも、働き方を変える大切な一手になります。
対処法4:転職する
改善の見込みがない場合は、転職によって働く環境そのものを変える選択肢も現実的です。
長時間残業が常態化している企業は、組織文化や経営方針に根本的な問題があることも多く、個人の努力だけでの改善には限界があります。
体調や家族との時間を失う前に、より健全な職場への転職を視野に入れることは決して逃げではありません。
最近は「残業月20時間未満」などを明示した求人も増えており、転職エージェントに相談するだけでも視野が広がります。
無理を続けて限界を超える前に、「働きやすさ」で選ぶ転職も、前向きで合理的な選択といえるでしょう。
なお、退職した後も3年の時効にかかっていない範囲で遡って残業代を請求することができます。
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残業代請求については、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
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まとめ
以上のとおり、今回は、残業時間は何時間からきついかについて、目安や時間別の実態と簡単な対処法4つを解説しました。
この記事の内容を簡単に整理すると以下のとおりです。
・残業がきついと感じやすいのは、月30時間が目安です
・残業時間の平均は、月25時間程度とされています。これ以上の残業をしている方は、他の労働者の方よりも残業時間が長くきつい環境で働いていると言えます。
・残業時間が長いときつい原因は以下の3つです。
原因1:プライベートの時間が少なくきつい
原因2:ストレスにより精神的にきつい
原因3:脳や心臓への負担で肉体的にきつい
・残業時間別にきつい残業の実態を整理すると以下のとおりです。

・残業時間がなくてきつい場合の対処法としては以下の4つです。
対処法1:上司に相談する
対処法2:医療機関・産業医に相談する
対処法3:残業代を請求する
対処法4:転職する
この記事が残業時間は何時間くらいからきついのか知りたいと悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

