未払残業代・給料請求

残業時間の平均は25時間!残業時間ごとの特徴とブラック企業の基準

自分の残業時間が平均よりも多いのか悩んでいませんか

平均残業時間は、後ほど説明するように、民間企業の調査結果では、

月25時間程度

とされています。

他方で、厚生労働省による調査結果では、これよりも残業時間が少なく発表されており、

月10時間~月11時間

程度とされています。

1か月当たりの残業時間ごとの特徴をまとめると以下のとおりです。

残業時間ごとの特徴

月45時間を超える残業が続くようであればブラック企業の可能性があります。特に、月100時間の残業を超える場合には、過労死のリスクが高まりますので、すぐに残業を減らすための対策を行う必要があります。

ただし、残業を減らすための対策についても、以下のとおり残業時間ごとに変わってきます。
残業を減らす方法(残業時間別)

今回は、残業時間の平均や特徴を説明した上で、残業を減らす方法や未払いの残業代を取り戻す方法を解説します。

具体的には、以下の流れで説明していきます。

この記事を読めば「あなたの残業時間が普通かどうか」や「今何をするべきなのか」が明確になるはずです。

残業時間の平均や生活、健康への影響については、以下の動画で詳しく解説しています。

 

 

 

 

目次

残業時間の平均は月25時間!

民間企業の調査結果によると残業時間の平均は、

月25時間程度

とされています。

もっとも、厚生労働省による調査では、残業時間の平均は、これよりも少なく発表されており、

月10時間~月11時間

程度とされています。

結論を述べておくと、民間企業の調査結果である「月25時間程度」の方が残業時間の実態を反映していると考えられます

以下では、

・民間企業による残業時間の調査
・厚生労働省による残業時間の調査(2017年~2020年)
・民間と厚生労働省による調査結果の差異

の順で説明します。

民間企業による残業時間の調査

OpenWorksによる調査

OpenWorks(旧VORKERS)が2007年7月~2014年5月に約6万8000人に行った月の平均残業時間に関する調査では、平均残業時間は、

月47時間

となっています。

平均残業時間(2007年~2014年)(出典:調査レポートVoL4 VORKERS)

しかし、その後の調査結果によると、月の残業時間は2014年以降減少傾向にあり、「2019年10月~12月」では、

月25.76時間

となっています。

残業時間平均(2014年~)(出典:OpenWork 働きがい研究所「日本の残業時間 定点観測」 四半期速報)

dodaによる調査

dodaが2019年に15,000人に行ったアンケート調査の結果では、平均の残業時間は、

月24.9時間

となっています(出典:残業時間ランキング2019【15,000人調査】)

厚生労働省による残業時間の調査(2017年~2019年)

厚生労働省による毎月勤労統計調査によると、2017年~2019年までの所定時間外労働時間の推移は以下のとおりです。

残業時間の平均(厚生労働省)(出典:厚生労働省 毎月勤労統計調査を加工して作成)

このように厚生労働省の調査では、残業時間の平均は、

月10時間~月11時間

程度となっています。

民間企業と厚生労働省による調査結果の差異

民間企業と厚生労働省による調査結果に差異がある原因は、

調査対象

にあると考えられます。

OpenWorksとdodaによる調査は、労働者が対象とされています。

厚生労働省による調査は、雇用主が対象とされています。

このことから厚生労働省による調査結果については、違法な長時間残業やサービス残業の時間が正確に反映されていない可能性があります

そのため、民間企業の調査結果である「月25時間程度」の残業の方が実態を反映しているでしょう。

職種ごとの残業時間の平均

次に、職種ごとの残業時間の平均を見てみましょう。

dodaによる調査では、残業時間が多い職種と少ない職種のトップ10は以下のとおりとなっています。

職種別の残業時間の平均(出典:残業時間ランキング2019【15,000人調査】を加工して作成)

それでは、残業時間がよく問題になる職業について、上記とは別の調査も参考にしながら更に具体的に見ていきましょう。

以下の順で説明していきます。

・医師
・看護師
・建設業の従業員
・トラック運転手
・システムエンジニア

ただし、それぞれ出典の調査方法は異なるため、その平均残業時間の数字のみで職種間の残業の量を比較することはできない点にご留意ください。

医師の残業時間の平均

医師の残業時間の平均は、

月34.1時間

とされています。

医師の1か月の時間外労働時間数(出典:平成27年度厚生労働省委託事業病院アンケート調査結果を加工して作成)

医師の残業は、職業上の性質から生じる緊急性の高い仕事や診療以外の業務によっても、生じる傾向にあります。

医師の残業については、以下の記事で詳しく解説しています。

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看護師の残業時間の平均

看護師の残業時間の平均は、

月9.2時間

とされています。

看護師の時間外労働時間数(出典:平成27年度厚生労働省委託事業病院アンケート調査結果を加工して作成)

看護師の残業も、医師と同様、緊急の対応が必要となることがあり、人員不足もあいまって生じる傾向にあります。

看護師の残業については以下の記事で詳しく解説しています。

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建設業従業員の残業時間の平均

建設会社に対する調査では、従業員の残業時間の割合につき、技能労働者(建設工事の直接的な作業をする労働者)と技術者(施工管理を行わない直接的な作業は基本的に行わない労働者)でそれぞれ以下のとおりの回答となっています。

残業時間【技能労働者者全体】

残業時間【技術者全体】(出典:「平成30年度厚生労働省委託 過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業 報告書(建設業に関する調査)」を加工して作成)

建設業の残業が多い理由は、工期が決まっていること、人手が不足していること、仕事の繁閑差が大きいこと、顧客からの不規則な要望に対応する必要があることにあります。

建設業の残業時間については、以下の記事で詳しく説明しています。

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トラック運転手の残業時間の平均

トラック運転手の残業時間は、

月45時間

を超えています。

具体的には、トラック運転手の総労働時間と残業時間は、以下のとおりとなっています。

トラック運転手の平均労働時間(出典:トラック輸送状況の実態調査結果(全体版)を加工して作成)

トラック運転手の残業時間が長時間化しがちな理由は、手待ち時間が多いこと、運転時間が長いこと、道路状況が悪いこと、人手が足りないこと等にあります。

トラック運転手の残業時間については、以下の記事で詳しく説明しています。

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システムエンジニアの残業時間の平均

ITエンジニアについて延長して労働させた時間に関する企業の回答では、平均は、

月45時間24分

とされています(厚生労働省:平成29年度過労死等に関する実態把握の調査のための労働・社会面の調査研究事業)

システムエンジニアの残業が長時間化しがちな理由は、トラブル等の緊急対応の必要があること、顧客の問題に対応する必要があること、仕様変更に対応する必要があること、納期・予算に無理があること等にあります。

システムエンジニアの残業については、以下の記事で詳しく説明しています。

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年齢別の残業時間の平均

年齢別の残業時間の平均について、OpenWorks(旧VORKERS)が2007年7月~2014年5月に行った調査では以下のとおりとなっています。

年齢別の残業時間の平均(出典:調査レポートVoL4 VORKERS)

平均残業時間は20代から30代にかけて多くなっており、40代以降になると減少していくのが分かります

世界の労働時間の平均

世界の実労働時間の平均は、2019年のOECDの調査によると、

年間1726時間

とされています。

つまり、1か月当たりにすると、

1726時間÷12か月
=143.8時間

です。

これに対して、日本の実労働時間の平均は、

年間1644時間

とされています。

つまり、1か月当たりにすると、

1644時間÷12か月
=137時間

となります。

そのため、日本人の労働時間は、世界の労働時間と比べて、平均程度ということになります

具体的には、世界の労働時間は以下のようになっています。

世界の労働時間平均(出典:OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development)による統計データを加工して作成)

 

 

残業時間ごとの特徴!ブラック企業の基準は?

結論から言うと、月45時間を超える残業が続く場合にはブラック企業の可能性が高いといえます。

残業時間の上限が原則月45時間とされており、また残業が月45時間を超えると徐々に健康被害のリスクが高まっていくためです。

そして、月100時間の残業を超える場合には、その企業はブラック企業の中でも悪質性が高いのですぐに対策を講じるべきです。

残業時間の上限につき例外的に延長できる場合であっても100時間が限度とされており、また残業が月100時間を超えると過労死ラインを超えることになるためです。

1か月あたりの残業時間ごとの特徴をまとめると以下のとおりとなります。

残業時間ごとの特徴

以下では、

・法律上違法となる残業時間
・過労死ラインとなる残業時間
・医師との面談が必要となる残業時間
・残業代の割増率が変わる残業時間
・会社都合の基準となる残業時間

の順で説明していきます。

法律上違法となる残業時間

会社は、労働者に対して、残業を命じるには労働者の代表者との間で36協定を締結しておく必要があります。36協定とは、残業を命じるに当たり必要な事項を定めた協定です。

そして、この36協定を締結している場合であっても、残業を命じることができる時間の上限は、原則として、

月45時間

とされています。

労働基準法36条(時間外及び休日の労働)
4「…限度時間は、一箇月について四十五時間…とする。」

また、通常予見することのできない業務量の大幅な増加等により、例外的に月45時間を超えて残業を命じることができる場合もありますが、その場合でも、

月100時間

が限度とされています。

労働基準法36条(時間外及び休日の労働)
6「…当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間(第二項第四号に関して協定した時間を含め百時間未満の範囲内に限る。)…を定めることができる。」

残業の上限を整理すると以下のとおりとなります。

一般的な限度時間そのため、これらの上限となる時間を超えて残業を命じる場合には、一定の職種を除いて違法となります。

過労死ラインとなる残業時間

過労死ラインとなる残業時間は、

月80時間~月100時間

です。

行政通達において、脳・心臓疾患の発症と残業時間の関連は、以下のとおりとされているためです。

① 発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること
② 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること
(参考:平成13年12月12日基発第1063号「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」)

つまり、残業時間と過労死のリスクを整理すると以下のとおりとなります。

【月45時間】
これを超えると脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まる
【月80時間】
発症前2か月間ないし6か月間にわたってこれを超えると脳・心臓疾患の発症との関連性が強い
【月100時間】
発症前1か月間にこれを超えると脳・心臓疾患の発症との関連性が強い

医師との面談が必要となる残業時間

労働者からの申し出がある場合に医師との面談が必要となる残業時間は、

月80時間

です。

労働安全衛生法により、月80時間を超えて残業をした労働者が会社に対して医師による面接指導を申し出た場合には、会社はこれを実施する義務があるとされているためです。

また、会社は、労働者が月80時間を超えて残業した場合には、労働者本人に超えた時間に関する情報を伝える必要があるとされています。

残業代の割増率が変わる残業時間

残業代の割増率は、

月60時間

を超えると、1.25倍から1.5倍に変わります

ただし、中小企業の場合には、1.5倍の割増率となるのは2023年4月1日以降です。

中小企業に該当するのは以下の企業です。

会社都合退職の基準となる残業時間

会社都合退職の基準となる残業時間は、

月45時間~100時間

です。

具体的には、会社都合退職の例として、以下の方が挙げられています。

・離職の直前6か月間のうちに[1]いずれか連続する3か月で45時間、[2]いずれか1か月で100時間、又は[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者。事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者
(参照:ハローワークインターネットサービス 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲概要)

失業保険を受給するに際し、会社都合退職の場合には、自己都合退職と比較して、以下の点で有利に扱ってもらうことができます。

⑴ 会社都合退職の場合には2か月の給付制限がない
⑵ 会社都合退職の場合には失業保険の給付日数が雇用権の加入期間や退職した時の年齢により90日~330日です(自己都合退職の場合には、雇用保険の加入期間により90日~150日)

会社都合退職については、以下の動画でも詳しく解説しています。

残業時間別!残業を減らす方法

残業を減らす方法については、あなたの残業時間ごとに検討すべき内容が変わってきます。

以下では、

・月45時間以下の場合
・月45時間超え~月80時間以下の場合
・月80時間超え~100時間以下の場合
・月100時間を超える場合

について、それぞれ説明していきます。

残業を減らす方法(残業時間別)

月45時間以下の場合

残業時間が月45時間以下の場合に残業を減らすには、以下の方法を順に試してみましょう。

・業務を効率化する
・終業時刻後に予定を入れる
・上司に残業を減らしてほしいと伝える
・未払いの残業代を請求する
・残業の少ない会社に転職する

順番に説明していきます。

業務を効率化する

月45時間以下の場合に残業を減らす方法の1つ目は、

業務を効率化する

ことです。

業務を処理する速度が上がればその分残業をせずに帰ることができる可能性があるためです。

例えば、無駄な作業をなくしたり、よく繰り返す作業を工夫したりしてみましょう。

終業時刻後に予定を入れる

月45時間以下の場合に残業を減らす方法の2つ目は、

終業時刻後に予定を入れる

ことです。

終業時刻後に予定を入れておくことで、終業時刻までに仕事を終わらせるモチベーションが高まります。

また、終業時刻後に予定があることを事前に上司に伝えておけば、残業が命じられにくくなります。

上司に残業を減らしてほしいと伝える

月45時間以下の場合に残業を減らす方法の3つ目は、

上司に残業を減らしてほしいと伝える

ことです。

素直に上司に残業を減らしてほしいとお願いすることが有効な場合もあります。

例えば、「残業がきついので減らしてもらえませんか」とお願いしてみましょう。

ポイントとしては現状を具体的に説明することです。先月の残業が何時間だったのか、それにより体調やプライベートにどのような支障が生じているのかを伝えてみましょう。

上司も現状を具体的に聞けば、どのような配慮をすればいいのかを判断することができます。

未払いの残業代を請求する

月45時間以下の場合に残業を減らす方法の4つ目は、

未払いの残業代を請求する

ことです。

残業が長時間化している会社の多くではサービス残業が常態化していることがあります。

対価を支払わずに残業を命じても労働者が何も言わない場合には、会社もそのような状況に依存してしまいます。

これに対して、残業をさせる場合には、通常の労働時間よりも割増しされた対価を支払わなければいけないことを知れば、会社にとって人件費削減のために残業を減らす動機となります

そのため、これまでの未払い残業代を請求することは、将来の残業を減らすうえで、とても有効なことなのです。

残業の少ない会社に転職する

月45時間以下の場合に残業を減らす方法の5つ目は、

残業の少ない会社に転職する

ことです。

上記の方法によっても解決しない場合には、会社の体質に問題があるため、職場自体を変えてしまうことがおすすめです。

月45時間超え~月80時間以下の場合

月45時間超え~月80時間以下の場合に残業を減らすには、転職する前に以下の方法を試してみるべきです。

・残業を拒否する
・労働基準監督署に相談する

月45時間を超える残業が続く場合には、労働基準法に違反して、違法となる可能性があるためです。

残業を拒否する

月45時間超え~月80時間以下の場合に残業を減らす方法の1つ目は、

残業を拒否する

ことです。

先ほど見たように、残業時間の上限は、原則月45時間とされています。

そのため、通常予見することのできないような事情がないのに、月45時間を超えて残業を命じられている場合には、「残業時間の上限を超えているので応じることはできない」と伝えるべきです。

残業の拒否については、以下の記事で詳しく説明しています。

残業拒否したらクビになる?拒否できる6つの場合と上手に断る方法会社から残業を命じられても拒否できる場合があります。今回は、残業を拒否できる場合や上手に残業を断る方法、残業拒否を理由とするクビや懲戒が許されない場合について解説します。...

労働基準監督署に相談する

月45時間超え~月80時間以下の場合に残業を減らす方法の2つ目は、

労働基準監督署に相談する

ことです。

労働基準監督署は、労働基準法違反の事実について会社に調査や指導をしてくれます

先ほど見たように、月45時間を超える残業は労働基準法に反して、違法の可能性があります。

そのため、労働基準監督署に相談してみましょう。労働基準監督署に動いてもらうポイントは、直接相談に赴き自分の名前と会社の名前を伝えて相談することです。

月80時間超え~100時間以下の場合

月80時間超え~月100時間以下の場合に残業を減らすには、体調が悪い場合には、

医師との面談を求める

ことを検討しましょう。

先ほど見たように、月80時間を超える残業をしている場合には、会社は労働者の求めに応じて、医師との面談を実施する義務があります。

そして、会社は、面接指導を実施した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置を実施しなければなりません。

月100時間を超える場合

月100時間を超える残業を減らすには、他の方法による改善が難しくなってきますので、

残業が少ない会社への転職

を優先的に検討しましょう。

月100時間を超える残業は、先ほど見たように、例外的に命じることができる残業時間の上限さえも超えた違法なものです。

このような残業が常態化している会社では、法令を遵守する姿勢が希薄であり、会社の環境を変えることが難しくなっています

そのため、残業が月100時間を超える場合には、残業が少ない会社への転職をより積極的に検討した方がいいのです。

 

 

残業代は全額もらえている?未払いの残業代を取り戻す方法

あなたは残業代を全額もらうことができていますか?

おおよその残業代金額については、以下の残業代早見表のとおりですので、自分の残業代が少なくないか確認してみましょう。

また、以下の残業代チェッカーでも簡単に未払いの残業代を確認することができますので使ってみてください。

もしも、あなたに未払いの残業代がある場合には、例えば以下の方法により取り戻しましょう。

STEP1:通知の送付
STEP2:残業代の計算
STEP3:交渉
STEP4:労働審判・訴訟

残業代請求の方法・手順については、以下の動画でも詳しく解説しています。

STEP1:通知の送付

残業代を請求するためには、内容証明郵便により、会社に通知書を送付することになります。

理由は以下の2つです。

・時効を一時的に止めるため
・資料の開示を請求するため

具体的には、以下のような通知書を送付することが多いです。

御通知(残業代請求:時効3年)※御通知のダウンロードはこちら
※こちらのリンクをクリックしていただくと、御通知のテンプレが表示されます。
表示されたDocumentの「ファイル」→「コピーを作成」を選択していただくと編集できるようになりますので、ぜひご活用下さい。

STEP2:残業代の計算

会社から資料が開示されたら、それをもとに残業代を計算することになります。

残業代の計算方法については、以下の記事で詳しく説明しています。

会社の計算は正確?5ステップで簡単にできる残業代の正しい計算方法残業代の計算方法は、労働基準法で決められていますので、会社がこれよりも不利益な計算ルールを定めても無効です。今回は、残業代を計算する方法を5つのステップで誰でも分かるように簡単に説明します。...

STEP3:交渉

残業代の金額を計算したら、その金額を支払うように会社との間で交渉することになります。

交渉を行う方法については、文書でやり取りする方法、電話でやり取りする方法、直接会って話をする方法など様々です。相手方の対応等を踏まえて、どの方法が適切かを判断することになります。

残業代の計算方法や金額を会社に伝えると、会社から回答があり、争点が明確になりますので、折り合いがつくかどうかを協議することになります。

STEP4:労働審判・訴訟

話し合いでの解決が難しい場合には、労働審判・訴訟などの裁判所を用いた手続きを検討することになります。

労働審判というのは、全3回の期日で調停を目指すものであり、調停が成立しない場合には裁判所が一時的な判断を下すものです。

労働審判とはどのような制度かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。

訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。

長時間残業の悩みは弁護士に相談しよう!

長時間残業の悩みについては、弁護士に相談することがおすすめです。

その理由は以下の3つです。

・依頼した場合には残業代請求や退職の手続きを丸投げできる!
・会社に知られずに見通しや方針を相談できる!
・初回無料相談であれば費用をかけずに相談できる!

依頼した場合には残業代請求や退職の手続きを丸投げできる!

弁護士に相談した方がいい理由の1つ目は、

依頼した場合には残業代請求や退職の手続きを丸投げできる

ことです。

残業代請求と退職の手続きを丸投げできる「会社に対して残業代を請求する場合」や「会社を退職する場合」には、会社との間でやりとりをする必要が出てきます。

例えば、残業代請求については、2年分請求する場合には700日以上の残業時間を計算しなければなりませんし、会社に顧問弁護士がついて法的な論点がでてくることが多いので、自分で行う場合の負担は大きなものです

弁護士に依頼した場合には、弁護士が代わりに会社とやり取りをします。つまり、あなたは会社と直接やりとりせずに、弁護士に任せてしまうことができます

そのため、これらの手続きについては、全て法律の専門家である弁護士に任せてしまうことがおすすめなのです。

会社に知られずに見通しや方針を相談できる!

弁護士に相談した方がいい理由の2つ目は、

会社に知られずに見通しや方針を相談できる

ことです。

「残業代を請求するか迷っている場合」や「会社を辞めるか悩んでいる場合」には、弁護士に相談していることを会社に知られたくないと考える方もいますよね。

弁護士は、守秘義務を負っていますので、「あなたが相談したこと」や「あなたの相談内容」を会社や第三者に話すことはありません。

つまり、実際に、弁護士に依頼するまでは、弁護士に相談していることを会社に知られることはないのです

そのため、安心して見通しや方針について、弁護士に相談することができます。

初回無料相談であれば費用をかけずに相談できる!

弁護士に相談した方がいい理由の3つ目は、

初回無料相談であれば費用をかけずに相談できる

ことです。

弁護士に依頼するかどうか悩んでいる場合でも、まずは相談してみてから決めればいいのです。

初回無料相談を利用するデメリットは特にありません

そのため、長時間残業に悩んでいる場合には、初回無料相談をしている弁護士に相談してみましょう。

 

 

まとめ

以上のとおり、今回は、残業時間の平均や特徴を説明した上で、残業を減らす方法や未払いの残業代を取り戻す方法を解説しました。

この記事の要点を簡単にまとめると以下のとおりです。

・残業時間の平均は月25時間程度

・月45時間を超える残業が続く場合にはブラック企業の可能性が高い。月100時間の残業を超える場合にはブラック企業の中でも悪質性が高い。

・残業時間ごとの残業を減らす方法は以下のとおり。

残業を減らす方法(残業時間別)

この記事が残業に悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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弁護士 籾山善臣
神奈川県弁護士会所属。不当解雇や残業代請求、退職勧奨対応等の労働問題、離婚・男女問題、企業法務など数多く担当している。労働問題に関する問い合わせは月間100件以上あり(令和3年10月現在)。誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。 【著書】長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう!ブラック企業に負けない3つの方法 【連載】幻冬舎ゴールドオンライン:不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他 【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日
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